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魚の耳石は成長のアナログレコーダー(黒田 寛編) [fun science]

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魚にも「みみ」に相当する「内耳(ないじ)」とよばれる器官があり、音が聞こえるようです。
この内耳の中にある固い石のような炭酸カルシウムの結晶が「耳石」。耳石は、成長に関わる、様々な履歴を記録しています。
日輪といって、1日に一本、日輪紋が耳石に刻まれます。日輪が何本刻まれているかを確認するとその魚の日齢がわかります。
さらに、卵から孵化して何日後に捕まった魚かということがわかるそう。
ですから耳石を調べることで、魚の日齢や捕まるまでの成長の履歴が日単位でわかることになります。
なぜその様なことを調べるのでしょう?実は、仔魚や稚魚の頃の成長は、その後の生き残りに関係しているから・・・。
仔魚や稚魚の頃に生き残るということが、その後の成魚全体の量(資源量)を決める重要な要因になるため、研究者は、耳石を使って仔魚や稚魚の成長をモニターすることを非常に重視してるとのこと。ある程度、見込みが立つ場合も多く、耳石の解析は、魚の資源変動を理解、あるいは予報する上で欠かせない道具になっているのです。
さらに、最近は技術が飛躍的に進歩し、魚によっては、ある日齢の前後で魚が経験していた水温を推定することができるそう。
耳石の日輪の間隔から成長が良かった日、悪かった日がわかると同時に、その日に、仔魚や稚魚が経験していた水温まで推定できることに・・・。
海の水温は時・場所によって異なるので、水温情報から仔魚や稚魚のいた場所を推定できる可能性があり、成長と水温の因果関係、
さらには、仔魚や稚魚の回遊パターンまでを明らかにした研究もすでに報告されているそうです。
いずれにしても、耳石が成長に関わる色々な要素を記録しているということが「ミソ」になります。
「これからの科学技術の進歩次第では、今では想像できない、より多くの情報が、将来、耳石から得られるかもしれませんね。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/129dvUy2ZwlRI5qVwU2g9H

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