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view of the cape of eternity [close to you <art編>]

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現在、釧路在住の日本画家、羽生輝氏の作品が100点以上、札幌で展示されています。
道東の海岸、見慣れない方にとってはとても新鮮に受け止められているそうで、ご覧になった方からもたくさんの質問を受けると瀬戸学芸員。
昨年、北海道立釧路芸術館で会期を2回に分けて開催された作品展ですが、今回は1度に全てをご覧いただけるそうです。
1階は代表的な浜辺の風景、2階は岬がメインの作品が並べられているとか・・・。昔の釧路の風景、想像上の風景。1階と2階の画風の違いも見モノです。
さらに、会場が違うと同じ作品でも違って見えてくるから不思議なものです。
初期の作品から最新作まで一堂で見ることができると、その変遷、作品の移り変わりもよくわかると思います。画風の違いも見ることができて面白いかもしれません。
若い頃は目で見る、体で感じる感じから、最近は心の目で見る、心で魂で感じる作品へと変わってきているのでは?と瀬戸氏。
「若い頃は情熱的に色々と詰め込んでいたんだと思います。でも最近は薄塗りで、シンプルに突き詰めて、明るい感じになっていると感じます。僕はこちらが好きですね。」
今回は様々なところから作品もお借りした経緯もあり、羽生輝という人物がいかに釧路に愛されているのかをあらためて実感したと瀬戸氏はおっしゃっていました。
1941年、東京に生まれた羽生輝は、7歳の頃に移り住んだ北海道、釧路を拠点に制作活動を続けてきた日本画家。
主なる作品の主題は道東の浜辺。厳しい冬の風景を鋭く重厚な筆致で描き続けてきました。
最近では釧路湿原をテーマに柔らかい雰囲気の作品も描くことも・・・。
羽生輝ならではの世界、作品が描かれた寒く厳しい道東ではなく、日差し溢れる暖かな札幌で鑑賞するとそれはまた別世界のものに感じるのかもしれません。
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※尚、写真は北海道立近代美術館 瀬戸厚志氏からお借りしました。
(日本画家 羽生輝展〜悠久の岬を望む〜は6/26まで札幌 北海道立近代美術館で開催中。)

2022.0511 O.A 釧路労災病院 緩和ケア内科 小田浩之氏 [close to you <dr.編>]

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釧路労災病院に緩和ケア病棟(れぽふる)が誕生して1ヶ月ほど。動き出した今について伺いました。4月26日現在で11室満床。院内外で待機する患者さんも多いそう。
緩和ケア病棟といえば・・・キッチンであるとおっしゃった小田氏。正確には奥様から言われてハッと思ったそうです。
実は緩和ケア病棟には必ず患者・家族用のキッチンがあるそうです。
労災病院では大型冷凍冷蔵庫、IHヒーター、電子レンジのほか、アラジンのトースター、たこ焼きも作れるホットプレート、
さらにコーヒーメーカーがあるので、舟木コーヒーのコーヒー豆を常備しているとか。特に人気があるのがかき氷器。
なぜキッチンなのかは、患者さんの家族が能動的にケアに携わることができるからとおっしゃいます。
ただベッドのそばにいるだけではなく、ケアに参画してもらうことで自分で考えて動いていただくことができるから。
さて、今回の緩和ケア病棟の整備で力を入れたのは、「コロナ対策」。その中でもさらに頑張ったのは「オンライン面会」。病院の面会制限はどこでも大問題。
緩和ケア病棟なのだから基準を緩めて・・という声もあり、実際にそうしているところもあるそうです。
ですが、緩和ケア病棟こそ免疫の下がった患者さんの集まるところ。絶対にコロナが広がってはいけないのです。
そこで、れぽふるでは、苦渋の判断で面会の制限は厳格に実施しているそうです。その代わり、病棟にWiFiを整備し、iPadを購入し、オンライン面会の環境を整えたそう。
毎日、多くの患者さんのご家族から連絡が入り、家族のスマホと患者さんを映すiPadのテレビ通話が行われているそうです。やはり顔が見えるのと見えないのでは大違い。
リアルタイムで患者さんの状況を家族に理解していただくことの大切さを実感しているとおっしゃっていました。
「リアルタイムでコンタクトを少しでもとってもらい、同じ時間を共有していただけたら嬉しいです。」
今後、緩和ケア病棟でホスピタルアートに力を入れていきたいとおっしゃっていました。以前からお聞きしていましたが、その思いはより強くなっていると感じました。
インドの詩人の「人間は自らの創造の中に生きることができる」という言葉の通り、アートは自分らしく生きる杖。
「一人ひとりがそれぞれにその人らしく感じたり、考えたり、行動したりして、もしその人がその気になれば何かを創造することもできる。
その時、その時、何が起こるかわからない毎日を過ごしてほしいのです。」
たまに小さな歓びがあったら、皆で一緒に喜ぶ、そういうきっかけをアート活動を通じて提供できたら・・・と熱い想いを語っていただきました。