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やはり幻の滝は素晴らしい(境 智洋編) [fun science]

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嬉しい楽しい季節がやてきました。やはり海岸は干潮の時が面白い。
普段は海の中なのに、その時だけは別の顔を見せてくれる。
この日は霧がかかり、なんとも幻想的な雰囲気を醸し出していました。釧路市内は青空が見えていたのですが、海岸付近は霧が濃くなったり、薄くなったり。
刻々と雰囲気が変わります。
しばらく行くことができなかった、私たちが勝手に名付けた「幻の汐見の滝」にいざ出陣!!
足元は漬物石のような石がゴロゴロで、歩くのがとても大変です。
ただ、滝を見つけた時にはそんな疲れも吹き飛びました。何度か訪れていますが、今までで一番の水量だったと思います。
この水源を探したこともありましたが、結局不明のまま。おそらく雪解け水が影響しているのでしょう。
汐見層の特徴である、模様がそこここに見ることができます。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/5hZpXHAqn5JBOfdnWpv2o3

ようこそ!植物プランクトンの世界へ(伊佐田 智規編) [fun science]

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今回は初回ということで、まずは自己紹介からお願いいたしました。
小樽出身とのことですが、厚岸で調査研究を始めて10年ほど。実は植物プランクトンの専門家です。
そもそもの始まりのキーワードは二酸化炭素・地球温暖化。
何かこの生物という訳ではなく、環境から行き着いた先が植物プランクトンだったということでしょうか・・・。
植物プランクトンの珪藻というプランクトンだけでも20000を超える種類が存在するそうです。
もちろん珪藻以外もいるので、その数や計り知れません。
海にはブルームという現象があります。自然界でプランクトンが大量に繁殖して水の色が変わる現象。
特に春季(伊佐田氏は冬季ブルームとおっしゃっていました。)ブルームが今まで言われて来たことなのですが、どうやら夏にもあるみたいです。
ブルームが発生する要素には太陽、栄養、水温が大きく関わっているのですが、そのあたりも研究中とのこと。
植物プランクトンの魅力について伺ってみました。
「顕微鏡で見るとキラキラ光ってとっても綺麗なんですよ。それと・・・顕微鏡で生きている彼らを見ていると、かすかに動いていたりするんですね。
それがたくさん集まって二酸化炭素を吸収してくれるんだなぁと考えるとなんだかロマンを感じてしまうのです。」
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/7IJTilzKR3JsqaePOewXdu

海氷タンク〜氷の上の世界(中山 雅茂編) [fun science]

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前回、海氷の下、海氷の底の面に樹枝状の氷が成長していたことをご紹介。とてもきれいな木の枝のような氷が、海氷の底からニョキニョキと伸びていたのにはビックリと中山氏は嬉しそうに語ってくださいました。その後も実験を続けているそうですが、ビックリ第2弾 フロストフラワーについて。
フロストフラワーという単語をお聞きになったことがある方も多いと思います。釧路にお住まいの方は、比較的冬になるとお聞きなることが多いのではないかと・・・。でも、実際に見たことがある方はどのくらいいらっしゃるでしょうね。
湖や川で薄く凍っている氷の表面に、花のように霜が成長しているものをフロストフラワーと言います。「霜の花」とも呼ばれるそうです。冬の阿寒湖等で凍った湖面に、とても冷え込んだ早朝に見られるので冬になると話題になる現象です。
「私は海氷、海水から成長した氷を対象に研究しているので、阿寒湖などの淡水の湖に行って観測することがありませんでした。でも、北極や南極の海でもフロストフラワーは確認されているのです。現在、その存在が注目されています。なかなか人工的にフロストフラワーを成長させるのは難しいと思うので、自分が実験しているタンクでフロストフラワーを作ろうと考えたことは、これまでありませんでした。」
ところが・・・今回、たまたま淡水を冷やして実験している時に、フロストフラワーが一面に成長していたそうです。「朝、大学に行って、冷却しているタンクの屋根を開けた時はビックリしました。“え~~~、フロストフラワーだ~!”って・・・。」
現在、どうやったらできるのかを調査中!研究中とのこと。たまたま、成長していたフロストフラワーですが、その後、5日間で5回ほど成長させることに成功したそうです。かなり高確率!!
「日本雪氷学会、雪や氷の研究者が集う学会が「日本の雪氷百選」というホームページが3月8日に公開されました。その中に、フロストフラワー 霜の花が紹介されています。ぜひ一度、ご覧になって下さい。」
・「日本の雪氷百選」ホームページ(HP) URL: https://koho.seppyo.org/
※写真の一部は中山雅茂氏にお借りしました。

厚岸ホッカイエビの資源管理サクセスストーリー〜耳学問2(黒田 寛編) [fun science]

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「個人的には、NHKで昔放送されていたような<プロジェクト〇〇>番組で取り上げられても 良いと思う位の成功事例で、資源管理を徹底するというような精神論ではなく、きちんとした科学的な知見に基づいて漁獲や保護のルールを『自主的に』作り、それが成功したことは本当に評価されるべきポイントだと思うんですよ。」と始まった今回のお話し。
まず、厚岸のホッカイエビの年間漁獲量、2009年以前はほとんど5トンを超えることない不漁状態で推移していました。もう一つの注目点は、2007年の漁獲量はほぼ0トン。これはエビが全く獲れなかったということではなく、2007年のエビ漁の初日に、あるエビ漁業者が使用する加工場に衛生管理指導が入り、班長は2007年のえびかご漁の休漁を決定したことで、2007年の漁獲量がほぼ0になったそうです。
ただし、この2007年の一年間の休漁が大きな転機となるのです。当時の班長が、衛生管理を改善したほか、水産技術普及指導所を訪ね、科学的な知見に基づいたエビの生態や資源管理について学ばれたそうです。そして、2008年から資源管理のための改善策が実施されます。一つ目は、オスの小さなエビ(次の年にメスになる小さなエビ)を残すために、エビ篭の網目と漁獲されるホッカイエビのサイズの関係を漁業者が実験的に調べて、網目の幅を3.3cmにして、それまでよりも1cm網目の幅を大きくしました。二つ目は、エビ篭の数を、一人あたり250篭から50篭に減らしたことで、漁獲圧を下げる取り組みをしたこと。さらに三つ目は、操業期間を見直して、卵をもつメスを獲りすぎないようにしたこと。具体的には、操業期間を以前の5月1日~12月29日の8カ月間から6月20日~8月20日の2カ月間に縮めたこと。すごい決断だと思います・・・と黒田氏。さらに、それまでは「小」「中」「大」という出荷サイズの基準があったのを、「小」サイズは漁獲しないことから、「小」サイズを抹消したことも勇気ある決断だったと。さらにその後は「特大」というサイズが追加されます。その結果、ホッカイエビの漁獲はどうなったか・・・2008年や2009年(改善直後の1-2年)は、5トン未満で漁獲量としては大きく上がりませんでしたが、一方、1キロあたりの単価は1.5倍に。2006年以前は1キロ2000円前後が、2008年以降は1キロ3000円前後に上昇。そして、2012年以降は漁獲量も10トン以上で推移、高い資源水準と単価の高い漁獲が維持されているそうです。
「本当にすごいです。。。とにかく、強調したいのはこのような資源管理を、道や国(行政)から「やれ」と言われて実施したのではなく、漁業者の代表(班長)が考え、専門家の指南を得て、漁業者みんなの同意のもとで協力して資源管理に取り組んでいるところなのです。」
まだ、続きます。「さらに、徹底しているのは、2008年以降、漁期の前と漁期の後に、ホッカイエビの資源調査を漁業者自ら実施していることや、漁業者が操業日誌をつけ、その漁場情報を関係者で共有するなどの取り組みが行われていること。また、ホッカイエビを「大黒しまえび」としてブランドしたことも成功への重要なポイントになりました。」独り勝ちではなく、皆で勝つというこの体制が、共有の水産資源を管理するには大切なことで、なかなかできるようで、できないこととおっしゃっていました。自主的な資源管理がこれ以上ない成果をもたらしたわけですが・・・厚岸周辺のアマモ場は本当に大切な共有財産で、厚岸にそそぐ湿原河川、厚岸湖、厚岸湾があってはじめて成立する自然環境ということは忘れてはならない事実。厚岸湖と厚岸湾の間付近に位置する「あるアマモ場」の中には、全ての成長段階のホッカイエビが生息しているアマモ場もあり、このようなホッカイエビの揺りかごのような生息環境をどのように維持していくのか?が、今後の資源管理の重要なポイントになると黒田氏。いずれにしても、ホッカイエビを持続的に利用するためには、ホッカイエビを獲りすぎない資源管理に加え、厚岸周辺のアマモ場を守る必要もあり、そのためには陸域環境を含めた厚岸周辺の自然環境を大切するそんな取り組みが今後も不可欠であると考えられる・・・ということなのです。
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/7oPOuGRNaLoth6uK9LCADq

追いかけて・・・根室(境 智洋編) [fun science]

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霧の摩周湖は有名ですが・・・まさか冬に・・・。
海外からの観光客で賑わう・・・摩周湖。結氷は・・・なし。雲から顔を出す太陽で刻々とその表情は変わる。
ということで、目的を変更し、流氷を探しに根室方面へ。ついたのが野付半島。
ここの流氷は本体から離れて岸にたどり着いた模様。
流氷が賑やかにおしゃべりする。。。はるかかなたから日本について何を思う?
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さらに流氷の本体に迫る・・・根室方面のある岬。あまりにもスケールが大きすぎて、どこまでも広がる流氷の白。
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流氷が岸にやってきて砕けて丸くなる・・・まるで小石のように。
対象物があるとその広大さがわかる。
流氷はどこで生まれ、どこからやってくるのか?諸説あるそうで。。。
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いったいどこまで流氷がきているのか・・・ということで納沙布岬まで。
ここまでくると岸からは離れ、その数も減る。
そして、灯台から太平洋側に目を向けると・・・その姿はだいぶ変化する。
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※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/0kwmlOwz0BO25UGvQEk31V

海氷タンク〜氷の底の世界(中山 雅茂編) [fun science]

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海氷の実験をするために作った海水を入れて冷やす「海氷タンク」を大学の屋上から地上に移設したのですが、気温が上がったり、雪が降ったり、気まぐれな天気の中でも、海氷の実験は続けているそう。「そんな中、自然からのプレゼントがあったんですよ」と嬉しそうに教えてくださいました。
新しく作り直した海氷タンクは、直径2.6m、深さ90cmの円形のビニールシートでできた子供用のプールみたいなイメージ。この中に、桂恋漁港から昨年12月7日に、海水をトラックで運び、満タンに。その後、プールの上に屋根をかけ、あまり凍らないようにしておいたそうですが、約2週間後の12月19日に屋根をあけてみると、すでに2~3㎝程度の厚さの海氷ができていたそう。
1月と2月の初旬は、結構、冷え込む日が多かったのを記憶している方も多いはず・・・。1月に最低気温が-10℃以下だった日は12日あり、そのうち3日間は-15℃より低くなったのです。「これは大変だ!ということで、意を決して2月1日の夜中に起きて、実験に向かったそう。「翌日の朝まで作業を行ったのですが、ものすごく寒かったです。日付が変わってからずっと−10℃よりも低く、朝方に-14℃まで冷え込んだ日でした。この日は、一人で作業を行っているので、この冷え込みもあって、結構辛かったのですが、最後にプレゼントがあったんです。」と。
実験の最後にノコギリを使って海氷のサンプルを切り出すと・・・・。実は氷の下、氷の底の面に樹枝状に成長する氷がびっしりとあったと満面の笑みで教えてくれました。空から降ってくる雪で、木の枝のように伸びる氷が6方向に伸びる雪がありますが、そんな感じ。雪の場合は、小さな小さな結晶の中心から6方向に向かい、それぞれ枝が伸びるように氷が成長します。今回、海氷の下では、海氷の底の面から下の方に向かって、たくさんの枝が伸びていたということなのです。海水は塩分を含むので、海氷が成長するときは海水の塩分を排出しながら、水だけが凍って成長します。「海氷の底の面で、綺麗に一面から塩分が排出されれば、氷の底は一面が平らなまま成長するかもしれません。海氷の底の海水が冷やされ、水は個体となり水の一部が奪われた海水は塩分を増します。この個体と液体の境界面でのやり取りのため、平面を維持できず凸凹ができます。時には、この凸凹から樹枝状成長が起こることが教科書に書かれているのですが、その現象に出会うことができたのです。とても寒い日でしたが、氷のブロックを引き上げた時の<お~~~>っと一人で驚いた感動が、忘れられません。」
※写真の一部は中山雅茂氏にお借りしました。

大楽毛の海岸で見つける!〜special version〜(境 智洋編) [fun science]

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十勝のジュエリーアイスはとても有名になりました。
釧路にもジュエリーアイスを見ることができる場所があるのをご存知の方も増えてきました。境子曰く、昔から氷があるのは知っていたよ〜と。
さあ、とりあえず行ってみよう〜と出かけたのですが。。。
???もしかしてこれ??? ちょっとだけ確かにジュエリーアイス。太陽に光ってキラキラ輝いています。
実は十勝とこの大楽毛の海岸とジェエリーアイスができる原理は一緒。
川が凍って、その氷がゆらゆら海に出てきて、そこで波に洗われ、綺麗な形になって海岸に打ち上げられる。。。
この場所には私は初めてお邪魔したのですが、阿寒川と海が同時に見える場所。とっても不思議な感じがします。
ジュエリーアイスは少ししか見ることができなかったのですが、それよりも現代アート的なとってもユニークなものを見つけました。
海からの波が砂丘を越え、そのまま凍った。その軌跡が見えるのです。さらに幾重にもそれが重なり、同じものはもう二度と見ることができないでしょう。
さあ、今回も温度測定!!外気温は-7度、海の温度は1度くらい。川の温度は-0.5度。やはり海の方が高い。
氷の表情がとても豊か。板チョコみたいな薄い氷が何層にも重なったり、氷と氷の間にできた隙間に美しい模様を作る氷。
氷といっても表情が豊かすぎるくらい。ずっと見ていても飽きません。
「これだから寒くても、やめられないのです。冬のロケ・・・」
※音声はこちら・・・


道東のホッカイエビ〜耳学問(黒田 寛編) [fun science]

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<ホッカイシマエビ>は地方名で、<ホッカイエビ>が正式な名称のエビについて。
「私の共同研究者に伊藤明さんというエビ博士がいまして、その方が、厚岸周辺のホッカイエビの分布パターンと生息域について、海の環境との関係を調べた研究を昨年9月に出版されました。私自身は海水温や海流の専門家でエビの専門家ではないのですが、伊藤さんが研究を進める中で色々と相談されることがあり、その際に聞いたホッカイエビの話をしたいと思います。」
ホッカイエビ、生きている時と売られている時では全く色が違います。売られている時は茹でて売られているので赤に近い濃いオレンジ色のイメージ。一方、生きている時は、緑色っぽい色をしていて、白色あるいは黄色っぽい縦じま模様があります。大きさは、大きいもので12~13cm位。
道東ではどのような地域で漁獲されるか・・・厚岸周辺、根室地方の風連湖や野付半島周辺、そしてオホーツク海側のサロマ湖や能取湖。
ホッカイエビ漁場の中で最も有名なのが野付半島での「打瀬船」を使うエビ漁。明治時代から続く伝統漁法であり、打瀬舟の情景は北海道遺産にも選ばれています。
スクリューのついた近代的な動力船ではなくなぜ古風な打瀬船を使ってホッカイエビを漁獲するのか?
アマモが茂った水深1~6mほどの場所を好むホッカイエビ。アマモは幅が5mmほどで長さが長いものだと1mくらいある海草。そこにスクリューのついた動力船で入ると、アマモが絡みつき、アマモ場は荒れる・・・良いことがありません。ですから、打瀬船を使って風の力で船を動かして網をひぱってアマモを傷つけないように漁獲しているわけです。厚岸では、打瀬船による曳網は行わず、餌を入れたエビ籠でホッカイエビを漁獲しています。
ホッカイエビの生態の特徴は何といっても性転換すること。成長の過程でオス・メスの性(gendar)が入れ替わることです。基本的な成長パターンは、卵から孵化して0歳までを未成熟なオスの状態で過ごし、1歳でオスとして成熟し繁殖活動に参加。その後、2歳になると今度はメスに変身して繁殖に参加。ですからオスよりもメスの方が大きく、メスの方が商品価値も高くなるのです。大きなホッカイエビをたくさん漁獲してしまうと、メスばかり漁獲することになり、オスとメスのバランスが崩れてしまいます。
「先にお話しした伊藤明さんの研究を要約すると、卵を抱えたメスは厚岸湖内やその近くのアマモ場に分布していて、春になると、そこで卵を孵化させます。比較的水温が高く塩分が低い場所を選んで孵化させ、孵化した幼生の高い生残率と成長のための良い条件を担保しているのではなないかと考えられています。そして、少し大きくなった稚エビや小さなオスエビは厚岸湖内やその近くにたくさん分布していて、厚岸湖内やその周辺のアマモ場がホッカイエビの資源を維持するための重要な役割を果たしていることがわかりました。」
さらに、ホッカイエビは成長するにつれて生息域を変えるそうです。厚岸湖やその周辺のアマモ場から離れて、少し距離のある厚岸湾沖側のアマモ場やホンダワラ(海藻)がはえた場所に徐々に分散していくと・・。これに加えて、伊藤さんの研究でもう一つわかったことは、厚岸湖と厚岸湾の間付近に位置するあるアマモ場には、全ての成長段階のホッカイエビが生息している場所があり、このようなホッカイエビの揺りかごのような重要な場所をどのように保護していくのか?ということが今後の資源管理の重要なポイントになると指摘されているとおっしゃっていました。
※写真と資料は黒田寛氏にお借りしたものです。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2FJZssxGI7TClc4us9kGDv

今度こそ・・・寒い日を狙って・・・(境 智洋編) [fun science]

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どれだけ待ち焦がれたことでしょう・・・寒くなって、晴れていて、境氏と私のスケジュールがあって・・・。もう今日しかない!と出かけた朝。
釧路市内は-12.7度。「まだ低くならないかな」とまずは細岡湿原展望台。何度も目にしているためか、あまりにも感動がない。
ということで、カヌー乗り場に。ところがここもフロストフラワーはほとんど見えず。けあらしも少し。今日はもうダメかな?
「今日は温度を測ろうと思って持ってきたよ〜。さて、川の温度はどれくらいだと思う?」
ちなみに外気温は-19度。流石に釧路市内からは相当気温が低くなっています。
もちろん外気温よりは高いことはわかりますが・・・凍っていないし・・・・・
測った結果、川の温度は-0.5度。凍るか凍らないかの境目。川の中には薄い氷がとけたり、凍ったり、形を変えながら流れていきます。
場所を変えて日が昇り、あたりがキラキラし始め、さらにけあらしも綺麗に見えるように。
刻々と変わる表情に見惚れます。しばし黙って耳をすますと、色々な音が静寂の中に聞こえ始める。
贅沢な時間の過ごし方。寒いのですが、その時にしか目にする耳にすることができないものを感じる。
最高です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/6wbmqEpArspxheWOa99t8i

海氷実験タンクが屋上から(中山 雅茂編) [fun science]

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海氷実験タンクについて。2019年3月の放送で北海道教育大学釧路校の屋上に設置した初代・海氷実験タンクをご紹介。5年ぶりに大学にお邪魔しました。
でも今回は、地上です。昨年の夏に屋上にあった海氷実験タンクを地上に移設・新設なさったと。
屋外で冬に、プールに海水を入れて凍らせる実験を釧路で始めたのは2015年2月。毎年、中山氏の研究仲間と一緒に大工仕事、DIYで少しずつ作りました。まずは外壁を作り、翌年には簡易的な屋根を作り、5年前に、ほぼこの実験タンクが完成。陸上の屋外で、氷の厚さを48.5cmまで成長させることに成功し、翌年も54cmまで成長させた氷のデータを取ることができたそうです。
その後、海氷タンクの屋根の部分に冷却器が入っているのですが、その冷却器の故障や新型コロナで研究仲間が釧路に来られないなど大変な時期があったのです。ですが、研究の世界は止まることはなく、2022年10月に国際的な学術雑誌に各国で行われている海氷実験をまとめた論文が紹介されました。
世界中で室内や屋外で、海水を凍らせて実験していることがあらためて分かったと中山氏。論文を書かれて方は、海水を入れる容器の写真も紹介され、著者として一番最初の方は、Benjamin Hallさんという方。所属はケープタウン大学化学工学部???ケープタウン。南アフリカです。アフリカ大陸のほぼ南端にある大学で南緯34度。こんなに暖かいところの大学で海氷の研究を?と思ったそうですが、同じ緯度で北緯34度ってどのあたり?と思い調べてみると、和歌山とか山口県あたり。「ちょうど今、私が山口大学の先生も含めて海氷の研究を行っているので、そんなに珍しいことではないかもと思いました。」ケープタウン大学には、Marine and Antarctic Research Centre for Innovation and Sustainability、イノベーションと持続可能性のための海洋南極研究センターという部署があり、海氷の研究も行われていることを初めて知ったとおっしゃっていました。
「この論文を拝見して、ここ、釧路で行っている実験タンクの研究も結構いいことやってるのかも・・・と思い、昨年の5月から論文としてまとめることを行ってきました。3度ほど書き直しするなど、論文として受理されるまで時間がかかりましたが、この1月に受理されたんです。」嬉しそうに語っていただきました。
※参考論文:http://dx.doi.org/10.1017/jog.2022.115
“Review of the design considerations for the laboratory growth of sea ice”
・収録後日、中山氏からメールが届きました。<海氷タンク>の論文が受理され、公開されたとのこと。次のリンクをぜひクリックしてご覧くださいね。
https://doi.org/10.1017/jog.2024.6

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