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carefree seashell [close to you <art編>]

 1_第Ⅰ部男と女の旅.JPG 2_第Ⅰ部男と女の旅.JPG 3_第Ⅰ部男と女の旅.JPG
4_好太郎《女の顔(絶筆)》1934.jpg「のんびり貝」が売れたから旅行に行こうと節子と出かけた先で31歳の生涯を終えた三岸好太郎。
独学で絵を勉強し、めまぐるしくその作風を変化させ、駆け抜けた・・・。
彼の存在は、日本の近代洋画史を語る上で欠かせないそうです。
ヘタウマで素朴な画風からフランスルオーの様なフォーヴィスム、そしてシュルレアリスムと変化。
「人間としてはダメダメだったかもしれません。
でもそこが魅力的で、とにかく色の感覚やセンスが抜群なんですよ。」と五十嵐氏。
一方妻の節子は美大を出て、女流洋画家の先駆的存在として苦難の道を切り開いた人物です。
三人の子供を育てながら絵を描き続けました。
今回好太郎の絶筆となった作品も展示されています。三岸好太郎が死の際に描いたのは、紛れもない妻の顔、節子の顔でした。
「コウタロウシス」の電報にかけつけた名古屋の旅舎の臨終の室に、この一枚の素描は残されていたのです。
お互いに語り合えずに終わった想い、お互いに愛おしく思った日々、憎み合った時・・・・・
唯一無二の存在になっていく時間。全てを飲み込んだ絶筆の「女の顔」。
その一枚で好太郎の節子への想いが語られていることを彼女は感じていたことと思います。
三岸節子が94歳でこの世を去るまで手放さなかった一枚の絵。それが好太郎の絶筆となった作品です。
5_第Ⅱ部女流画家の旅路.JPG 6_第Ⅱ部女流画家の旅路.JPG7_第Ⅱ部女流画家の旅路.JPG
8_節子《さいたさいたさくらがさいた》.JPG






※尚、写真は北海道立三岸好太郎美術館 五十嵐聡美氏からお借りしました。
(貝殻旅行〜三岸好太郎・節子展は9/1まで北海道立三岸好太郎美術館で開催中)

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