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厚岸湖で異変??!!!(中嶋 均編) [varied experts]

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厚岸湖で異変が起きたんですよ・・・となんだか嬉しそうな中嶋氏。実は地種が厚岸で見つかったそうです。
9月中旬に厚岸湖で牡蠣をあげていた時に、牡蠣の上に牡蠣がついたり、フロート(浮き)の上に牡蠣がついていたり・・・。
相当な数の牡蠣が育っていたそうです。今まで、他の地域ではその様な現象があっても、現地の人はどうしてそれをとらないのか不思議とおっしゃっていたのですが、なんと厚岸でもとうとう。
ということは、今までのマルえもん、カキえもん、弁天カキ、ナガえもんとは違ったネーミングを考えなくては・・・になるかもしれません。
今年は水温が高かったためなのか?しっかり調査をしないとわかりませんが、これが毎年続くのか?はたまた今年だけで終わってしまうのか?誰にもわかりません。
ただ、厚岸産の牡蠣ということには間違いないのです。
この水温と牡蠣の関係、以前は中嶋氏は牡蠣にとっては良いと思うとおっしゃっていたのですが、今年は牡蠣まつりが延期になりました。実入りが悪いから、きちんとした牡蠣が提供できないということで。通常、卵が出ない様に温存させ、並行して、卵が出てしまった牡蠣は外に出して、栄養を身につけるという方法で牡蠣を育てています。それが水温が高いことで少し調子が狂ってしまった感じです。外に出しても水温が高いことで、エサもあまりとれない。ということは牡蠣も予定していた牡蠣まつりの時までにもとに戻らなかった・・・という事なのです。
「牡蠣の数が少ないとか、死んでしまったということではないのです。もうすでに少し身がしっかりしてきているものもあります。
牡蠣まつりの行われる来月になれば、最高に美味しい牡蠣になると思いますよ。」
※写真は中嶋均氏からお借りしました。

2023.1027 O.A 「釧路・根室への旅の提案」 [varied stories]

逸見光寿さん(写真家)
https://coju.info/

東京で、グループ展に来てくれた方が、釧路・根室を旅行したいというので 相談に乗ったそう。
・公共交通機関を使った、2泊3日の旅
・1日目は遅い時間に釧路に着くため、観光はできない
・自由に行動できるのは旅の2日目と、3日目の夕方まで
さらに、リクエストとして・・・・花咲線に乗ってみたい ・夕日が見たい
皆さんならどんな提案をなさいますか?今回は逸見氏が提案された旅の行程です。
・旅の2日目は、根室へ行くことを提案
・花咲線では、別寒辺牛湿原や落石海岸の絶景を楽しんでほしい。
・「幣舞橋の夕日はどうですか?」と聞かれたが、 日没(根室17:20、釧路17:25)に間に合わそうとすると、 根室での滞在時間がほとんどなくなってしまうので、 根室港で夕日を見ることを提案。
・根室では、観光タクシーで回ること。
・おススメの場所は、落石海岸と、ノッカマップ岬 。
・旅の3日目は釧路周辺の旅を提案。
・釧路湿原に行くなら、細岡展望台か温根内木道を。
・・・・・その結果
後日、旅先で撮った写真とともにメッセージをいただいたそう。
・根室では観光タクシーをチャーター、 運転手さんはバイクで道東を巡っている方で、 観光客が行かないような場所もかなり詳しかった。
・落石海岸はトーチカのところまでタクシーで行き、鉄道の撮影スポットでは花咲線を撮影できた。
・シカが出てきたり、海岸に打ち上げられたマグロも 見られた。
・ノッカマップ岬では灯台まで車で入ってくれ、国後島が見えた。
・根室港では強風の中、1時間も夕暮れを堪能できた。
・釧路湿原は温根内を2時間もかけて散策した。
・釧路では夜、幣舞橋や出世坂、釧路港などを散策。
※写真は逸見光寿氏からお借りしました。
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2023.1026 O.A 邦楽 [chord 5]

・満ち汐のロマンス / EGO-WRAPPIN'
・くちばしにチェリー / EGO-WRAPPIN'
・PARANOIA / EGO-WRAPPIN'
・A Love Song / EGO-WRAPPIN'
・色彩のブルース / EGO-WRAPPIN'
~今回は邦楽一般。EGO-WRAPPIN' 特集です。
セレクトは村田氏。今回の出演は、村田氏とmidoriでお送りします。

サンマ不漁要因の仮説:サンマ、負の連鎖に陥る(黒田 寛編) [fun science]

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今年4月に黒田氏の所属する水産研究・教育機構から「サンマの不漁要因解明に関する」調査・研究の進捗という資料が公表されました。今回はその内容をご紹介。
まず、サンマの漁獲量は2010年に突然減少。その要因の一つとして、サンマの分布が2010年に突然、東に移動したこと。サンマ棒受け網漁が開始される6-7月のサンマの分布を調査すると、日本近海~東経165°に分布するサンマが2010年に突然消えたのです。2009年まではたくさんいたにも関わらず。この原因は未だわかっていないそう。6-7月の日本近海~東経165°に分布する1歳のサンマは、その後、成長して西側に回遊し、かつては8-9月の道東沖で漁獲されていたため、2010年の8-9月に行われる道東沖のサンマ漁にまず影響が現れたと。
次にサンマの餌について。サンマは動物プランクトンを食べるのですが、実は、サンマの食べる動物プランクトンは日本近海、特に、釧路沖などの親潮域にはたくさん生息。厳密にはかつてはたくさんいたそう。一方、日本から離れた東の海域には餌となる動物プランクトンが少ないという特徴があるそうです。
ですから、2010年以降の6-7月の日本近海に分布するサンマが消えた事でサンマは悪い餌環境で生活することに・・・。それに加え、2010年以降、サンマの餌となる動物プランクトンがサンマの生息する海域で減少する傾向があり、最近年のサンマは「泣きっ面に蜂」状態の餌不足。さらにこの餌不足で、サンマの成長が低下。
問題はこれだけでは終わりません。サンマの成長が遅れるとサンマの西側への(日本近海への)回遊が遅れます。回遊が遅れるということは日本周辺でのサンマの漁期が遅れるということを意味していると。ですから、最近年の8-9月は、サンマが回遊を始める前の公海に漁船を走らせてサンマを捕りに行く(サンマを迎えに行く)という状況。しかも西側へ回遊する前のサンマは痩せています。そもそもサンマが西側へ回遊するのは産卵することが目的なので、西側へ回遊する前に、サンマは餌をたくさん食べて太って産卵への準備を整えている段階。このような成長と回遊の遅れのために、最近年では10月くらいになり、やっと日本周辺にサンマが回遊してきます。しかし、魚群の中心は日本周辺の公海に近づいてくる程度で道東や三陸沿岸にはほとんど回遊しません。
道東沿岸に分布するマイワシの存在や、2010年代以降の夏秋に弱まり続けている親潮に原因があると考えられていると黒田氏。調査結果としてマイワシとサンマは同じ場所にはほとんど分布しません。サンマがマイワシを避けている、あるいは、マイワシがサンマがかつていた水温帯を占拠しているという事実。そして、秋の道東沿岸にはマイワシがたくさんいて、サンマはそれを避ける=沖を南下すると考えられているとおっしゃっていました。
道東や三陸沿岸を避けて南下するもう一つの理由としては、本来、親潮が運ぶ冷たい水を追いかけるようにサンマが南下回遊してくるはず。ただ、親潮が弱いので親潮が運ぶ冷たい水も道東から三陸沿岸に南下・分布しづらい状況で、最近年のサンマは暖かい水を避けるように、沖の公海を南下せざるを得ない状況が続いているそう。
さらに問題は続きます。サンマは冬の日本南岸沖の黒潮域で卵を産みたいのですが、サンマが秋に道東のはるか沖の公海を南下すると、冬の日本南岸沖の黒潮域にたどり着きにくい状況が・・。すると、日本から東に離れた黒潮域で卵を産まざるを得ないことになります。
さらに生まれた卵は、黒潮続流と呼ばれる東向きの強い流れで東へ東へ流される。その結果、日本南岸沖の黒潮域で産まれた卵以上に東に東に流されてしまう事に。「日本のはるか東の海域は日本近海に比べてサンマの餌条件が良くありません。これが成長の悪化につながり、成長が悪いと西側への回遊が遅れてしまい、親潮も弱いので日本沿岸に沿って南下できず沖を南下。卵を産むのは日本南岸沖の黒潮ではなく東の黒潮続流で、東に流れすぎたサンマは餌条件の悪い日本のはるか東で暮らすことになり・・・という繰り返し。このような負の連鎖が続いているというのが、現在、サンマの研究者が考えるサンマ不漁要因の仮説になるのです。」
いずれにしても、どこかのタイミングで、現在の負のスパイラルを抜け出す必要があるので、その時までサンマを乱獲しないことが必要。かつて、1969年に日本のサンマ漁獲量が一気に落ち込み、その5年後に急激なV字回復をみせたという事例も。今は、サンマ資源が枯渇しないように、大切に利用する(消費者は大切に食べる)ということが必要な状況ですとおっしゃっていました。「気候変動がサンマ資源に影響していることは間違いありませんが、気候変動が水産資源や漁業に与える影響は複合的で複雑、かつ、負の連鎖的に生じるという特徴があり、このような教訓を地球はサンマを通じて私たちに教えてくれているのかもしれません。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1ezfKDTfS1AFzqTHSSsn0r

キタサンショウウオはどうなったの?(照井 滋晴編) [nature treasure]

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今年の春は例年になく早い産卵開始、その後も雨が降ったので、繁殖期の間は水域の水が枯れる様なことなく、無事に繁殖期を終える事ができただろうというところまではお聞きしていました。 その後どうなったのでしょう?
実は6月末~7月初め頃に改めてキタサンショウウオの生息地を見て回ったそうですが、大変ショックなことに、十分にあった繁殖水域の水がほとんどなくなっていたと。場所によっては干上がって底の土が見えている場所もあったそう。 今年の4月は昨年と比べて約5倍にもなるたくさんの雨が降りました(148.0mm)。ただ、5月は昨年の3分の1程度しか(38.5mm)雨が降らず、6月も昨年の半分程度(77.0mm)の降水量。さらに7月、8月も昨年の半分程度の降水量しかなかったそうです。 その結果、キタサンショウウオの繁殖水域の水はすっかりなくなってしまったみたい。 6月~7月頃は、卵から孵化した幼生が繁殖水域の中で生活する時期。 そのため、この時期に雨が降らず繁殖水域が干上がってしまうとせっかく孵った幼生が死んでしまうことに・・・。「まさに今年は、幼生の時期に繁殖水域に行ってみたところ全然水がなく、幼生がほとんど見当たらなかったので、多くの幼生が死んでしまったのではないかと心配していました。」
本来であれば、8月頃には幼生はエラがなくなり、上陸し陸上生活を始めているはず。この時期以降にトラップによる捕獲調査を実施すれば少なからずその年に産まれた幼体が捕獲できるそう。 そこで、9月にトラップによる捕獲調査を実施し幼体が無事に上陸できているのか調査。 結果は・・・幼体は1個体も捕獲できなかったとおっしゃっていました。 ただ、幼体以外、例年になく多くの個体を捕獲することができたそうで、キタサンショウウオにとっては動きやすい気象条件だったのは間違いないのかなと照井氏。 「そんな良い条件が揃っていたにも関わらず、幼体の捕獲がゼロだったという事は、今年は卵から孵化した幼生があまり上陸することができなかったのだと想像できます。 もちろんその様な年は度々あり、今年の状況が悲惨だったから来年以降個体数が激減するということはないとは思います。」
10年以上寿命があり、繁殖できるほど成熟してからも何年も生き、何回も産卵するチャンスはあるので、何年かに1回繁殖が成功すれば個体群を維持できるそうです。
「上陸したばかりの幼体っていうのは頭が少し大きくて、とにかく可愛いんですよ。来年はたくさんの幼体を見たいなと願うばかりです。 」
実は調査前は他にも心配事があったそうです。今年はとにかく暑かった事。 冷涼な環境を好むキタサンショウウオにとってはあまりよくない気候だったのでは?と。湿原の中に入ってしまえば、植物もたくさんあるので炎天下にさらされる様なことはないのですが、例年以上に暑かったのは間違いないので、調査で個体が捕獲できるまでは本当に心配していたそうです。結果としては、例年以上の個体を確認することができたので一安心。「キタサンショウウオは越冬前にあたるこの時期が、餌もたくさん食べていて1番栄養状態が良くむちむちしているのですが、今年の秋に捕獲した成体もとてもいい感じにむちむちしてました。来年の春も元気に産卵してくれるだろうと期待しています。まずは、来年の繁殖時期に繁殖水域に十分な水が溜まる様、適度に雪と雨が降ってくれるよう願っています。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/0ipMELvBXDXorL0Kjim5hd

cat's and dogs with momo-chan [close to you <art編>]

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北海道立釧路芸術館のマスコットキャラクター かもめのももちゃんが作品をわかりやすく解説してくれる・・・そんな展覧会。
札幌、北海道立近代美術館、三岸好太郎美術館の収蔵品の中から、犬と猫にターゲットを絞り、集められた作品の数々。実は作品が前期と後期で一部替わっています。
インパクトがあったアンドレ・ドランの「猫と裸婦」油彩作品。どこに猫がいるの?と目を凝らしたところ・・・いましたよ〜。裸婦の手元の先。暗い背景にまるで同化しているかのように佇む猫。真っ黒で切り絵の様です。
そして、松浦氏オススメの国松登の「白い距離」タイトルが意味深?黒と白の犬と大きな壺が。彼の中でも実験的な作品とか。
ほかには林竹次郎の「朝の祈り」、森田沙伊の「宵」・・・・・。30点ほどの作品が展示されています。
作品の中に描かれた犬や猫の大きさ、存在感は様々。画面に大きく主役のように描かれたもの、背景に同化しているもの、さりげなく存在する感じで描かれたもの等々。作品を見ていると、作家の犬や猫に対する感情、愛情が伝わってくる感じがします。
油彩、日本画、版画、錦絵・・・。昔から人間のそばに存在してきた犬や猫たち。その表情も見逃せません。
そして、マスコットキャラクター かもめのももちゃんが解説する文章にも注目してくださいね〜。
(かもめのももちゃんと見る Cat's & Dogs展は11/26まで北海道立釧路芸術館で開催中です。)

2023.1025 O.A 林田クリニック 院長 林田賢聖氏 [close to you <dr.編>]

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今回はアルコールに関する話題です。お酒が大好きな方にとってはガッカリな・・・ことかもしれません。
「健康リスクを最小限に抑えるための安全な飲酒量の目安が存在する」という認識は神話にすぎない。どうやら安全な飲酒量の目安の神話が崩壊しそうです。
「僕も必死で色々な資料を探したんですよ。以前は少量なら大丈夫という時代もあったので、ただ、いまは違うみたいですね。1日に1~2ドリンクの飲酒が健康に良い影響を及ぼすという考えは神話にすぎないと言われてしまいましたから。」
米国ペンシルベニア大学のチームが英国の約37000人の健康データを分析。1日にワイン1杯程度の飲酒習慣にとどめている場合でも、脳の萎縮が少しずつ起きる可能性があるとする研究結果も出てきたそう。
逆に断酒することでアルコールによる脳萎縮が改善された例もあるとか。1日1杯でも脳が萎縮し、飲酒量が増えるとそれが加速するということのようです。
そして、別の研究では、アルコール飲料の摂取で、閉経前では乳がん発症リスクが増加する可能性があり、閉経後では乳がん発症リスクが増加することはほぼ確実であるというものも・・・。
2018年、医学雑誌の『Lancet』に掲載された英国ケンブリッジ大学などの研究では、「死亡リスクを高めない飲酒量は、純アルコールに換算して週に100gが上限」と。アルコール摂取量が週に100g以下の人では死亡リスクは飲酒量に関わらず一定、でも週に100gを超えて150g位まで穏やかに上昇。それ以降は急上昇。さらに同年、同じ『Lancet』に「195の国と地域で23のリスクを検証した結果、健康への悪影響を最小化するなら飲酒量はゼロがいい」と結論づけた論文が掲載されたそうです。・・・適正飲酒量1日20gでは多すぎ、健康に配慮するならさらに減らす、出来るなら飲まない方が望ましいということのようです。
「何か特別な飲む機会のある時にお酒は楽しむというのがベターなのかと思いますね。。。お酒を飲まれる方には残念ですが、お酒はやはり飲まない方が健康のためにも良いようです。」

地球規模の深層循環(満澤 巨彦編) [varied experts]

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図_深層循環.jpg今年の7月に国連事務総長が『地球温暖化 Global Warming』から『地球沸騰化 Global Boiling』の時代に入ったと言っていましたが、まさにそれを裏付けるように全国的に猛暑が続きました。
気象庁の異常気象分析検討会でも、今年の猛暑は『異常気象』というお墨付きがでています。
満澤氏は『地球沸騰化』という言葉を耳にしたことで、本来ならほとんど変化することがない
北太平洋の水深約4000mより深い深海で水温が微小ですが上昇したという報告があった事を思い出したと。
そこで、今回は北太平洋の深層海水の水温の上昇に関して地球規模の深層循環との関係も含めて紹介いただきました。地球規模の深層循環は、北大西洋のグリーンランド沖と南極大陸の周りで海水が冷やされることで海水の密度が高くなること、海氷(氷)が生成されることで海水の塩分が濃くなること、この2つの要因から密度の高い、つまり重く冷たい海水が生成され、その海水が北極と南極で沈むことで始まります。
深層水の形成がなぜ北太平洋ではなく北大西洋なのかわかりますか?と満澤氏。実は、北太平洋にはベーリング海峡があり、海峡の水深が42mと浅く、北極海が大西洋側に開いているので北極海で生成された深層水が太平洋側に入ってくることはないと。このため、北太平洋は深層循環の終着域となるのです。「ざっくり言うと、北大西洋グリーンランド沖で沈降した海水は北アメリカ、南アメリカ大陸に沿って大西洋の深海を南下し、南極周辺で生成され沈降した深層水と合流。オーストラリアの南側を通り、ニュージーランド東側の比較的深い海域から太平洋に入ってきます。その後、太平洋を北上して釧路の東側に広がる北太平洋で表層にでてくるのです。」
北大西洋グリーンランド沖と南極大陸周辺で生成された低温で高塩分の海水がゆっくりと沈降。その沈降する海水が、その前に沈んだ海水をポンプのように押すことで、循環が成り立っているそうです。この地球規模の循環はウォーレス・ブロッカーが1980年代に、深層水や海底表層の堆積物の年代測定を行い公表したので、ブロッカーのコンベアーベルトと呼ばれていると・・・。このコンベアーベルトは、ざっくりと1000年から2000年かけて一巡すると言われているそう。ということは、平安時代かそれより前にグリーンランド沖で沈んだ海水が、ようやく北太平洋にたどりつき表層にでてきているということになるのです。
さて、地球温暖化の影響でこのポンプの基になる重い海水が減少しているという報告があるそう。この点については、温暖化の影響として理解いただけるのではないでしょうか。ただ、深層水の素になる海水が減ってその影響が深層海水の終着域、北太平洋の深層にでるのは、深層循環の周期が1000年から2000年ということから1000年以上は先なのではと想像できます。確かにその沈んだ海水が北太平洋にたどり着くのは1000年先かもしれませんが、深層循環はベルトのようにつながっているので、大元のベルトを推すポンプの力が弱くなれば、ベルト全体の勢いが弱くなります。周囲の暖かい海水を推す力も弱くなり、北極や南極で生成された冷たい海水の勢いも相対的に弱くなり、それより少し暖かい周囲の海水の影響をうけることになり水温があがると考えられていると満澤氏。
北太平洋の深層水の水温の変化については、気象庁のHPでも継続的に公表され、1990年代から0.004℃から0.007℃上昇。これはポンプの力が弱くなっていることの指標であり、温暖化の影響を継続的に受けていると考えて良いとおっしゃっていました。
「過去10万年の気候変動からは寒冷化の時は、深層循環が弱まるということはわかっていますが、今起きている深層海水の水温上昇が、今後の温暖化にどのように影響するか、まだよくわかっていないのが実状かと思います。深層水の水温上昇の影響については良くわかっていませんが、今年の夏の猛暑を思うと、地球温暖化の対策はまったなしの状況になっているのではないかと思います。」
※尚、写真は JAMSTEC 満澤巨彦氏からお借りしました。
・写真(左)は深層循環実験の写真(その1)〜表層の水をインクで色付けし、北極あるいは南極を想定して手で氷を入れているところ
・写真(中)は深層循環実験の写真(その2)〜氷により冷やされた水が沈み始めたところ
・写真(右)は深層循環実験の写真(その3)〜水槽の底(深海を想定)に冷やされた水が拡がっていくところ
・図はブロッカーのコンベアーベルトに基づく深層循環
参考:○WEB記事:深層の水温上昇についてキッズ向けに作成した解説
https://www.jamstec.go.jp/j/kids/press_release/20100625/
○北西太平洋の底層の水温変化(気象庁のホームページ)
https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/b_1/deep/137e_deep.html

2023.1020 O.A 「SAKE Festival 参戦!!」 [varied stories]

鈴木雅章さん(翻訳者・ライター)

「オーストラリアSAKEフェスティバル」に行ってきました・・・と鈴木氏。メルボルンでは7月1日と2日。そして9月30日と10月1日、シドニーで開催されたそう。
そもそもオーストラリアSAKEフェスティバルは現地の日本語メディアJAMS.TVの主催。昨年に続いて2回目の開催とのこと。ものすごい人出だったそうです。
料金は1人69豪ドル(約6600円)、17歳未満は無料。チケットは完売。1日の来場者数は3500人以上と前年の3倍以上に上ったそうです。
それだけオーストラリアでも日本酒が認知され、人気がある証拠ですね。日本に旅行し、日本酒を飲んだことのあるオーストラリアの方が多く、それから日本酒が気に入った方が多いそうで、会場にはそのような方が多くいらしたそう。
酒蔵を含む日本酒専門業者31社が出店。日本食品卸や飲食店、旅行会社、伝統工芸品店など64団体が参加していたそうです。200種類以上の日本酒をテイスティングできるそう。ここのポイントは制限がないこと。
会場で渡されたテイスティング用のグラスを持って制限なくテイスティングできる・・・。ワインテイスティングならぬ、酒テイスティング。
鈴木氏が行かれたのは10月1日で、この日は「日本酒の日」。 「とっても暑い日でビールが飲みたかったくらいです。さらにテイスティングするまでの列に並び、口にできるまで10分くらい?気持ち的には30分くらい待っている感じ。そこで3~4種の味を試すことができるのですが、皆さんお店の方とお話しをしながらなので、一人が終了するまで結構時間がかかるんですよ。もう〜疲れちゃった。」と。飲むぞ〜と意気込んで出かけたそうですが、意気消沈して帰路についたみたいです。
日本酒人気は海外ではどうやら高まっているみたいですね。鈴木氏が調べてくれたのですが、財務省の貿易統計によると、2022年の日本の対オーストラリア清酒輸出額は9億3,203万円と前年比28%増加。日本から輸出される清酒が一番多いのが1位は中国で、2位はアメリカだそうです。オーストラリアは8位とか。。。
日本酒業界にとっては益々世界進出をする時代になったのかな?とも思います。それに伴って日本酒にあう日本料理ももっと注目されると良いですね。
※写真は鈴木雅章氏からお借りしました。
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2023.1019 O.A 邦楽(TVドラマ、アニメソング特集) [chord 5]

・柔道一直線(柔道) / 柔道一直線テーマ
・行け!タイガーマスク(プロレス) / タイガーマスクテーマ
・サインはV!(バレーボール) / サインはV!主題歌
・アタックNo.1(バレーボール) / アタックNo.1主題歌
・あしたのジョー(ボクシング) / あしたのジョーテーマ
・エースをねらえ!(テニス) / エースをねらえ!テーマ
~今回は70年代中心スポーツアニメ・ドラマソング特集です。
曲のセレクトはもちろん斎藤氏。出演は斎藤氏とmidoriでお送りします。