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2024.0417 O.A 市立釧路総合病院 循環器内科 加藤喜哉氏~1 [close to you <dr.編>]

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今回は以前のstreet-Dに近い形で、まずはどうして医師の道を目指されたのか・・・そこからスタートです。
実は市立釧路総合病院に、今年2月に新しい機械が導入されました。道東初の心臓内カテーテル人工心臓(補助循環用ポンプカテーテル、経皮的補助人工心臓)の治療が始まったのです。名称をImpellaと言います。
まず、心臓は胸の左側にある臓器。24時間365日動き続け、私たちが生きる上で必要な臓器や筋肉への血液を集めて送り出すという働きをしています。
心臓に急性心筋梗塞や劇症型心筋炎、他に何らかの原因による重症の心不全が起こってしまうと、全身にうまく血液を巡らせることができなくなってしまう状態に。。。これを心原性ショックというそうです。この状態になると、心臓そのものを働かせるための血流も弱ってしまうので、ショックがショックを呼ぶような悪循環になるのです。「現在の医療が進んだ時代においても死亡率が高く危険な状態と言えるのです。」
心原性ショックに対処するには、心臓の働きを助ける薬物治療を行うそうですが、薬の反応が乏しいような重症な状態には、薬以外の治療として<補助循環装置>というものが必要になるとのこと。
今までは、市立釧路総合病院で使用していた補助循環装置は、大動脈の中で風船を膨らませたり、しぼませたりすることで、間接的に心臓から送り出される血液を増やすようにする<大動脈バルーンパンピング>というものと、全身の血液を回収して酸素を含ませた状態にして戻す<ECMO>があったそうです。
大動脈バルーンパンピングは導入が比較的簡単。ただ、心拍出量をあまり増やせず不十分な補助に留まってしまう欠点があったそう。また、ECMOは非常に高い救命効果があり、心臓が止まってしまうような重症状態でも、心臓と肺の代わりを担わせることで命を繋ぐことができるそうです。反面、脚から血液を送り出すという本来の心臓の働きとは逆に血が送られるものなので、心臓そのものには負担がかかるそうです。心臓の中の血流が淀み、血の塊ができてしまったり、肺は心臓が立ち上がっても自分の肺でうまく呼吸ができなくなる・・・というような問題点もあったそうです。
そこで、Impellaという2月に市立釧路総合病院で使用可能になったものは、新しい補助循環装置というもの。「まだ新しい装置で、限られた施設でしか使用することができません。」どういうことかと言うと・・・十分な数の心臓血管治療や心臓手術を行っていて、さらに補助循環に精通したスタッフが複数名在籍している等の条件があり、それらを満たすことが必要なので、導入のハードルは決して低いものではなさそうです。「道東圏内の多くの心臓病の患者さんを診せていただいていることから、これらの条件がクリアされ、道東初のこの装置を導入することができたのです。」

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