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日本で印象的だったところ(Chris Knoepfler編) [varied experts]

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17歳で初めて日本にいらした時に行った岐阜の伊吹山。自然がとても素晴らしく、夜に夜景を見てまた感動。また日本に戻りたいと思ったそうです。
それから、いろいろなところにいかれました。もちろんガイドブックに載っている有名どころの観光地、京都や大阪、鎌倉等々。
ただ、Chris氏はあまり人ごみが好きではないそうで、どちらかというと自然の中を散策するのがお好きとのこと。
だから道東が大好き。サイズ感も含めて。ドライブにもたくさん出かけるそうですが、目的を決めてというよりは、行った先で何かを発見する楽しさの方を
優先している感じです。「どうしてこんな素敵なところなのに、人がいないのかな?知らないのかな?」とも思うそうです。
そんな中、日本を感じるのは祭り。釧路での港まつりが最高に良かったと楽しそうに語ってくださいました。特に山車に感動。
札幌や東京の祭りは人が多すぎて・・・ちょっとという感じ。釧路の港まつりも釧路大漁どんぱくも霧フェスも大好きとおっしゃっていました。
自然が大好きで、何かを発見する喜びを見つけるそんな時間は確かに素敵ですよね。
彼の出身地のミネソタは海も山もないとのことで、なおさらそう感じるのかもしれません。
今回はお母様がミネソタからいらしていて、釧路周辺の海岸線の美しさを堪能されたそうです。そしてスープカレーも大変気に入ったご様子だったそうです。

2023.0127 O.A 「まだ日本だよ〜」 [varied stories]

上村知弘さん(フォトグラファー&ガイド)
http://www.tntnaturecon.com/

実は収録時はまだ日本滞在中、放送時にはカナダ、ユーコンに戻られていることでしょう。
今回のお話しはthe 南国!やはり通常は寒い国で暮らしていると太陽さんさんの暖かい土地に憧れる気持ち、よ〜くわかりますよね。
関西方面が多かったみたいですが、お話しは奄美のこと。以前から一度は行ってみたいと思っていたそうです。
奄美は鹿児島県本土と沖縄本島のほぼ中間に位置しているので、沖縄と似ているところや本州と似ているところ等々色々あったそうです。
ガジュマル並木を散策しながらガジュマルの木をたくさん見たり、カヤックに乗ってマングローブの森に行ったり、釣りをしたり、ビーチでのんびりしたり。
不思議なのは川を下るといっても海と繋がっているので、通常海にいる魚が川でも見ることができると。さらにカワセミにもあったそうです。
野生のイノシシもいるそうで、森の中にはマングースを捕まえるための罠もあったそうです。
山がたくさんあって、山道をぐねぐね曲がって奥に行くと森だらけ。人は海岸線沿いに住んでいるそうです。
「奄美は1953年にアメリカから返還され、歴史的にも沖縄とは少々違うのですが、自然や文化等、本土と沖縄の中間のような感じがしました。」と上村氏。
彼が泊まったのは伝泊と言われるところ。伝泊とは、「伝統的・伝説的な建築と集落文化」を次の時代に伝えるための宿泊施設とのこと。
奄美の風土に根ざす伝統建築を再生した宿で、集落が紡いできた物語にふれる滞在体験を提供しているそうです。
「白い砂と青い海、夏や秋だったらもう少し雰囲気が違うのかな・・・でも、リフレッシュできる時間でした。」
※写真は上村知弘氏からお借りしました。
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2023.0126 O.A アイドル [chord 5]

・めだかの兄弟/ わらべ
・時をかける少女 / 原田知世
・禁区 / 中森明菜
・秘密の花園 / 松田聖子
・エスカレーション / 河合奈保子
・そんなヒロシに騙されて / 高田みづえ
~今回は邦楽アイドル編。40年前 1983年アイドルHIT特集です。
セレクトは齋藤氏。出演 齋藤氏&midoriでお送りします。

みんなで考えよう海洋ゴミ問題 〜1(黒田 寛編) [fun science]

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3.jpg今回は「海ごみ」「海洋ごみ」の問題について。
最近、テレビ等でもこの問題がクローズアップされ、例えば、人間が海に捨てた漁網に絡まって死んだ
ウミガメや、大量のプラスチックを誤食して死んだ海鳥の映像などをご覧になり、多くの「海洋ごみ」が海にあるという事実をご存じの方も多いと思います。
ただ、釧路のように一見するときれいな海の近くで暮らしていると、身近に感じられない方も多いと思います。
一方、実際には「海洋ごみ」問題が着実に身近なところまで迫ってきているという事と、それぞれが知らず知らずの間に「海洋ごみ」を増やしている可能性がある事を知り、どうすればよいかを考える機会になればと・・・。
「海洋ごみ」は、海水の中を漂っているゴミ、海底に沈んだゴミ、砂浜等の海岸に漂着したゴミなどがあります。
さらに、「海洋ごみ」の種類、大きさ、素材は、様々。例えば、世界の海で年間、約800万トン
(例えるとジャンボジェット機 5万機分の重量)の「海洋ごみ」が海に流出しているそう。
これはとんでもない量で、WWFのHP等によると、このまま「海洋ごみ」の放出が続けば、2050年までにゴミの重量が魚の重量を上回ることが予想されているそうです。
日本の海岸に漂着したゴミ、日本中でどれほどの重量があるかイメージできるでしょうか?
平成26年度に環境省がまとめた調査報告書では、日本の海岸には31万トン〜58万トンの「海洋ごみ」が漂着していたと推算されています。
漂着ゴミの種類、重量TOP10では、おおよそ3割が木材(1位)、9位(靴)と10位(ガラス製食品容器)を除くと、2位以下はプラスチック製品で占められているそう。
また、漂着ゴミの個数TOP10では、3位の木材を除くと、1~10位までがプラスチック製品で占められていると。ちなみに個数TOP10の1位はボトルのキャップ・ふた。
このプラスチックゴミが「海洋ごみ」の問題をより複雑に難しくさせていると黒田氏。プラスチックは、戦後急速に普及し、身の回りにも溢れています。
例えば、平成28年度に環境省が海岸線に漂着したペットボトルの国別内訳を報告、道東の根室では、72%は日本語の印字があり、その他、ロシア語、韓国語、中国語の
印字されたものが根室まで流れてきていることがわかっているそう。
さらに、東南アジアの国々は「海洋プラスチックごみ」を発生する大きなソース、いわゆる汚染源になっていると考えられているとおっしゃっていました。
また、「海洋プラスチックごみ」のほとんどは、海で投棄されたゴミではなく、陸から川を通じて海に流出したゴミであると考えられています。
ですから、アジアの国々の陸から川に出るゴミを止めないことには「海洋ごみ」問題は解決しないのです。
また、使い捨てプラスチックの使用を全世界から全廃すれば全てがhappyになり、解決できる問題でもないのです。
というのも、綺麗な水道水がない飲料水を得られない人たちにとっては、ペットボトルの水は命をつなぐために不可欠であり、単純に、プラスチックを全廃すれば
良いわけではないという、非常に難しい問題です。
プラスチック自体は、体に有害ではないものもあります。非常に利便性の高い良い素材であることも間違いありません。
一方で、プラスチックに添加されている化合物、例えば、プラスチックの劣化を防ぐために混ぜられている素材、着色を防止するための素材、プラスチックの帯電を
防止する素材、このような化合物の中には人体に有害な成分が含まれています。
さらに、プラスチックは石油から作られたものなので、油分を吸着しやすい特徴があり、ゴミとして海を漂う間に、例えば、PCBという残留性有機汚染物質
(POPsと呼ばれる有害物質)が、プラスチックに吸着・濃縮されることもあるそうです。
無害あるいは有害なプラスチックゴミが海の中で、どんどん小さなプラスチックに砕かれて、もはや回収できないレベルの大きさになることで海を汚染し、
新たな生物、人類の脅威になるかもしれないという可能性が危惧されています。
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1Ga632jHa08s87ALec6Nwy

キタサンショウウオに関わる気になる記事(照井 滋晴編) [nature treasure]

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IMG_6517.jpg話題にしたい記事は2つ。一つは12月22日の毎日新聞のインターネット記事について。 もう一つは12月23日の釧路新聞の記事。
毎日新聞のネット記事について。タイトルは「切り売りされた湿原 守ったのに…今度はソーラーパネルの海?」というものです。
その内容は、外環状道路の北側の土地に巨大な太陽光発電施設の建設が計画されているというもの。 大規模な太陽光発電所の
建設計画があると記事で書かれているエリアは「市街化調整区域」とされているエリアです。
釧路市では無秩序な市街化を防止して、計画的な市街化を図るため、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分。
「市街化区域」というのは、すでに市街地を形成している区域とおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域で、
建てられる建築物の種類が建築基準法により決まっています。 対して「市街化調整区域」は、釧路湿原を守っていくという観点からも市街化を抑制すべき区域であり、原則として建築物等は建築できません。
では、なぜ大規模な太陽光発電施設が建設される事になるのでしょう。 記事には釧路市立博物館の学芸員のコメントも載っていたそう。
太陽光発電施設は「建築基準法上は『建築物』の対象ではなく、書類の不備がない限り、申請があれば受けざるを得ません」とのこと。
「法律上は確かにそうなのだと思いますが、人工構造物が建設され、湿原やその隣接地が開発されてしまうのは変わりませんので、
個人的には市が何も手を打たないのは問題があるのではないかと感じてしまいます。 」
記事の中では、景観の問題についても言及しており、本当に記事に書かれている市街化調整区域が太陽光発電施設の海になるので
あれば、湿原展望台や北斗遺跡の展望地からの景観が悪化してしまうのではないかと。
観光客が多く訪れる施設からの景観が悪化することは、観光面では大きなダメージになるはず。本来であればその様な観点からも人工構造物が建てられる範囲や面積などについて、市が制限できるのはないかと思い、少し調べてみたと照井氏。
釧路市には「釧路市景観条例」というものがあり「観光の振興や交流の促進を図るうえで良好な景観を形成する必要がある区域」を特に良好な景観づくりを進める必要
がある重要区域として指定して、景観づくりに取り組むことができるというようなことが書いてあったそうです。ただ、重要区域には市内のどこも指定されていないのが
現状で、「景観形成推進地域」というものには空港周辺しか指定されていなかったと。現状ではこの条例では景観を守ることができない状態と言えそうです。
記事に書かれている市街化調整区域のあたりにキタサンショウウオが生息しているかどうかについては過去の記録がないためわからないそう。
ただ、遠くない場所ではキタサンショウウオの生息が確認され、周辺は彼らの生息に適した土地であると釧路市が作っている生息適地マップにも載っています。
キタサンショウウオと太陽光発電施設建設の問題については、毎日新聞が出た翌日の12月23日の釧路新聞の記事でも書かれていたそうです。
釧路市が開催した釧路市文化財保護審議会の場で、専門家から太陽光発電施設が乱立する状況を何とかしないと天然記念物であるキタサンショウウオは守れないと発言が
あり、釧路市としても喫緊の課題として取組むといったという様なことが書かれていたそうです。
キタサンショウウオは市の天然記念物なので影響を及ぼす行為を行う場合、事前に現状変更申請が必要。でも、市文化財保護条例は罰則がないので、守らなくても痛くも
かゆくもない上に、書類がしっかりと提出されていれば、開発行為の許可を出さざるをえない状態なので、早くどうにかしないといけない状況なのです。
「実は昨年末に、キタサンショウウオの生息地付近を見回っていたのですが、その時キタサンショウウオの生息地の植物がすべて伐採され、
荒れ地となってしまっている場所を確認しました。 周囲の状況やこれまでの経験からすると、おそらく太陽光発電施設の建設のために業者が伐採したのだと考えています。
その場所以外でも、良い湿地が残っていると思っていた場所で植生が伐採され、太陽光発電施設の建設用の資材が沢山置かれている場所もありました。同じく年末に、
太陽光発電施設の建設のために土地を売って下さいというチラシが手元に・・。実際に使い道のない湿原を持っている方は、地球にやさしい再生可能エネルギーになるならと思い、売ってしまうかも?と思いながらチラシを見ていたのですが・・・。そんなチラシや、ある日当然キタサンショウウオの生息地がなくなる様を見ていると、
毎日新聞の記事に書かれている『太陽光発電所の海になってしまう』という言葉は、フィクションではないと今、感じています。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2a8zaorsxe7mbMBhfgQoWy

30 years of exhibitions 〜a look back at the special exhibition [close to you <art編>]

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2022年は美術館にとって2つの節目となることがあるそうです。まずは、生涯学習センターまなぼっと幣舞が開館30周年。
まなぼっとができた当初は美術館ではなくアートギャラリーという名前でした。そのオープニングが「久本春雄と同時代の画家」
また、釧路ゆかりの作家を個展形式で紹介する「Art spirit くしろの造形」の1回目が2002年。という事で、その際に出品された作品を中心に展覧会を構成したと沼前氏。
「気になるものは、やはりオープン記念の「久本春雄と同時代の画家」。久本が東京にいた頃の作品を中心に彼と同時代の画家たちの作品を集めた展覧会。
地域ゆかりの作家を全国的な文脈に当てはめて紹介した展覧会という事ができると思います。もちろん僕は生まれる前・・タイムスリップできたら行ってみたいです。」
この展覧会は釧路ゆかりの作家をあらためて見つめるチャンスにもなりそうです。「地域の美術史の研究と情報発信は地域の美術館がまずは取り組むべき点だと思って
います。ですからこれからも地道に続けていきたいです。また、地域の美術史の掘り起こしだけではなく、より大きな文脈、例えば同時代の日本の中の北海道という
地域の中に、さらに一地域の釧路のように考えていく必要もあるかと考えています。」
今回の展覧会では地域ゆかりの作家を見つめることはもちろん、美術館の活動やこれまでの歩みを関心を向けてもらいたいと工夫した点が実はあるそうです。
たとえば、章解説やコラム。これが意外と難しかったとおっしゃっていました。なぜなら、解説やコラムの文章量が多くなりすぎると展示のストーリーの主張が
強くなりすぎてしまうから。ですから、作品はもちろんゆっくり鑑賞していただき、その背景やストーリーにも少し興味を持っていただけたら嬉しいと・・・。
沼前氏が作品の中で気になるものは、久本春雄「蝦夷の浜」。緻密なハマナスの描写が見どころと。
さらに小野寺玄の「炭化練上連山図花生」。こちらは土のグラデーションが見事な作品。じっくりと土の感じを感じて欲しいです。
作家数は10人、作品数は41点。大作が多くそのダイナミックな会場にまずは足を踏み入れてみてください。当時の展覧会のポスターやチラシも同時に紹介されています。
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(展覧会の30年〜企画展を振り返る〜は2/5まで釧路市立美術館で開催中です。)

2023.0125 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏& 士別市立病院 院長 長島仁氏 [close to you <dr.編>]

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今回は士別市立病院の院長 長島仁氏とzoomを繋いで、お話しを伺いました。森田氏とのお付き合いはまだ1年未満。
ただ、実は長島氏とともに士別市立病院で頑張っていらした先生が森田氏の学生時代の親友だったという事で、それから急激に仲が深まったそうです。
現在は、ともに院長という立場で様々な意見交換や相談等を頻繁に行なっているとのこと。
長島氏は北海道とは縁もゆかりもなく、今から27年前に移住なさいました。とにかく北海道が好きという事で、いらっしゃったのです。理屈抜きで北海道が好き。
今までにもたくさんの場所を巡ったそう。ただ、その愛する北海道が地方を中心に医療界において、大変なことになっていると。
札幌にいらした長島氏はその後八雲に単身赴任。その後士別に着任。「函館に住んだこともありますが、札幌は特別と感じます。北海道の田舎には何もない。
そして田舎には医療の十分な状況がやってくるとは思えないのです。人口減少が進み、でもその広さの為適切な医療状況にはならないと思います。
長い間、北海道の田舎で過ごしていますが、札幌の様な都会と田舎の人々の命の平等は保てていないと感じます。
田舎では札幌なら普通に治療される疾患で人々がなくなっていく。本当に愛する北海道の医療がまさに窮地に立たされていると感じるのです。」
北海道に住む人たちが観光で生きるだけではなく、住民から愛され続ける為には地方における病院等のインフラをきちんと整備していかねばならないとおっしゃいます。
士別市は人口が18,000人ほど。長島氏が着任してからも減り続けているそうです。田舎には病院がない街もあります。そこでは公立病院が一手に引き受ける事になります。
ただ、田舎にはない弱点も都会にはあると。それぞれに質の違う問題があるとおっしゃっていました。
釧路と士別でそれぞれ同じ問題があっても解決策は同じとはいきません。
森田氏も地域性の違いが多々あり、参考事例等様々な事例をお聞きして、釧路には何が一番適切なのかを考えなければ・・・とおっしゃっていました。
お話しを伺っていて、やはり医療の世界も地域連携が今まで以上に必要になっているのだと感じました。「若い先生には、どうせ苦労するなら地域住民から、いろいろな
ことを求められる田舎の方が大変だけどやりがいはあるんだよって、いつも伝えたいと思っています。医者としての嬉しさはとても大きなものを感じることがあるのも
事実なので。そこに光みたいなものを感じると伝えたいのですが、なかなか現実的には難しいです。」
医者と患者という立場ではなく、人間対人間という付き合いをなさっているという現実がお話しから伝わってきました。

ディープ・トゥによる深海調査(満澤 巨彦編) [varied experts]

写真1:ディープ・トゥ調査イメージ図.jpg 写真2:ディープ・トゥカメラ.jpg 写真3:ディープ・トゥソナー.jpg
写真4:ウインチとケーブル.jpg英語でDeepは深い、つまり深海、Towは綱で引く、船で曳航するという意味。日本語で言うと深海曳航ということ。
有人潜水船、無人探査機は深海調査システムとしては花形と言えますが、実は、このディープ・トゥは深海調査では
開拓者的な調査システムで先遣隊長の役割を担ってきたそうです。
このディープ・トゥは、曳航体と呼んでいる軽自動車ぐらいの大きさのフレームに観測装置を組み込み、船からケーブルを使って深海まで降ろし、この曳航体を船でゆっくりと曳航するという方法で調査を行いうそうです。
太さ2cm位の丈夫な曳航用のケーブルを介して、観測装置に電力を送り、観測装置で得られたデータを船上に伝送。
ディープ・トゥカメラは海底の映像を撮るために海底上2~5m位の高度で、人がゆっくり歩くぐらいの速度で曳航。
またディープ・トゥソナーは海底の地形、底質を音波を使って把握するために海底から100~200m位の高度を人が早足で
歩く位の速度で曳航。装置として搭載されているサイドスキャンソナーと呼ばれるソナーは、曳航体から下向きに扇状に音波をだすことで、(曳航高度や音波の周波数に寄りますが)数kmの幅で海底面をスキャンし地形等の情報を得ることが
できます。航空写真を音波で取るようなイメージですが、得られるのは音波の反射による濃淡の画像なので、写真とは見え方がだいぶ異なるそう。
ディープ・トゥは無人探査機のように自分で移動するための推進器はついていないので、海底に引っかかった時などは、船の操船とウインチの操作により、離脱を
試みなければならないと。そのような時の船の操船やウインチ操作によって明暗がわかれるので、的確に状況を判断をするための現場経験は非常に重要とのことです。
潜水調査船や無人探査機に比べると船からケーブルで吊り下げて引っ張る、つまり曳航するだけなので、比較的にシンプルでコストがかからない、
また、少人数で調査ができるというメリットがあるそうです。ただ、ピンポイントで海底に着底して作業はできないというデメリットが・・・。
ディープ・トゥは先遣隊長的な役割という事から潜水調査船や無人探査機で調査するための事前調査に多く使われています。
そのため最初にガラパゴス沖で熱水を発見したり、日本でも沖縄トラフ・伊豆・小笠原海域での活発な熱水活動をディープ・トゥカメラを使って発見しているそうです。
実はこのディープ・トゥ、最初は、低レベル放射性廃棄物を海洋処分した後、深海でモニタリングするための技術として米国スクリプス研究所の協力を得て導入したもの。
「幸い低レベル放射性廃棄物の海洋処分は行われることなく国際条約で禁止となりましたが、この深海モニタリングの実証のため、北西太平洋の水深約6200mの海底に
コンクリートを詰めたドラム缶を落とし、ディープ・トゥソナーでドラム缶のエコーを確認し、そこにカメラを降ろして目視で確認するという探査技術の開発・実証を
行ってきました。私がJAMSTECに入所した年に最後のドラム缶の探査実験が行われ、わけもわからずドラム缶探しを行った記憶があります。私の場合、有人潜水船や無人探査機の調査を経験していますが、このディープ・トゥによる調査に係わる乗船がもっとも多く、本格的に深海調査が始まった80年代後半から90年代にかけてJAMSTECが実施した日本周辺のほとんどのディープ・トゥ調査に係わってきました。南西諸島、伊豆・小笠原、南鳥島沖、日本海、南海トラフ、日本海溝、北海道近海では1993年に
奥尻島沖で発生した北海道南西沖地震直後の奥尻島沖の海底、2003年の十勝沖地震の後の釧路沖の海底など、日本周辺の深海底を見てきました。」
ディープ・トゥはおそらく有人潜水調査船より広範囲の調査を行っていて、深探査にかなり貢献してきたシステムと言えると満澤氏。つまり、先遣隊長として深海調査の
裾野を広げるという役割を担っていて、すそ野が広い分、頂上は高くなり、その高みを目指すのが有人潜水調査船や無人探査機と言えるかもしれません。
「地味な調査手法でディープな内容だったかと思いますが、深海調査の基盤的な役割を担ってきたシステムとして紹介させていただきました。」
※尚、写真は JAMSTEC 満澤巨彦氏からお借りしました。
・写真上(左)はディープ・トゥ調査イメージ図(満澤氏手書き)
・写真上(真ん中)はディープ・トゥカメラ〜海底からの高さ(距離)を目視で確認するため前方に3mのチェーンがぶら下がっている。
・写真上(右)はディープ・トゥソナー〜横向きについている黒い装置がサイドスキャンソナーの送受波器(音波を出して海底からの反射波を受信する装置)
・写真下はウインチとケーブル 右側の灰色の重機がケーブルが巻かれたウインチ
参考URL:  https://www.jamstec.go.jp/j/about/equipment/ships/deeptow.html

2023.0120 O.A 「道東でアイスバブルハンティング」 [varied stories]

逸見光寿さん(写真家)
https://coju.info/

アイスバブルは道東の最大の魅力のひとつ。国内でアイスバブルを見ることができるのは、ほとんどが道東なのだそう。(群馬県の赤城大沼でも見られるそうですが。)
アイスバブルが見られるのは、結氷した湖で、かつ雪が積もっていない事が条件。海外では、カナダのアブラハム湖が有名とのことですが、今回は道東のご紹介。
1:オンネトー
恐らく最も早く(12月上旬)アイスバブルが見られる場所として有名。 オンネトーへ行く道道は、野中温泉から先は12月の第1金曜日(今シーズンは2日)に冬期閉鎖になります。ということは、アイスバブルを撮影したければ、片道約2kmを歩くしかないそうです。そのオンネトーの特徴は、湖面がエメラルドグリーンなこと。綺麗です。
2:茨散沼
別海町にある、ほとんど知られていない撮影スポット。今年は素晴らしいコンディションで撮影ができたと逸見氏。多層的なバブルはあまり見られないそうですが、
氷に閉じ込められた枯葉など、ここならではの被写体もあり、また、近くの兼金沼でもバブルを見ることができるとのこと。
3:春採湖
街中で見られる、貴重なアイスバブル。理屈はわからないのですが、バブルがあるところは湖面がクリアになっています。湖上に上がるのは、自己責任で。
釣り人も誰もいない湖。
4:糠平湖
札幌から最も近いアイスバブルの撮影スポットなので大勢の方が撮影に来るそう。今年は1月7日に湖上への立入が解禁になったのですが、前日の晩に雪が降ってしまい、
雪原に。。。前日にロケハンで湖畔から状況を確認していたので、当たりを付けて上手く掘り当てられたと逸見氏。ワカサギ釣りの人が多いので、夜明け前でも駐車場の
確保が大変とのことです。
5:その他(参考)
(1)阿寒湖
結氷した夜に降雪して、ほとんどバブルは見られなかったそう。でも、誰かが掘ったバブルを見るのも手か・・・と。
(2)長節湖
根室の知られざるアイスバブル撮影スポット。撮影前日までかなり良いコンディションだったそうですが、降雪してアウト。
※写真は逸見光寿氏からお借りしました。
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2023.0119 O.A 洋楽 [chord 5]

・Don't You Worry 'Bout A Thing / INCOGNITO
・Still A Friend Of Mine / INCOGNITO
・Givin' It Up / Shirley INCOGNITO
・A Shade Of Blue / INCOGNITO
・Jump To My Love / TINCOGNITO
~今回の洋楽編、INCOGNITO 特集です。
セレクトはToshi氏。今回の出演は、Toshi氏&midoriでお送りします。