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sunazawa bikky retrospective [close to you <art編>]

《神の舌》.JPG ビッキの椅子.JPG
砂澤ビッキという作家、名前は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。木彫作家として。
実は彼は独学でこの世界を切り拓いた方とのこと。スタートは絵画だったそうです。木彫に転向してからも絵は描き続けていたそうです。
会場には様々な形の木彫はもちろん、デッサン・スケッチ、書等々が280点。ビッキの全貌に迫る展覧会になっています。
お話しを伺った五十嵐聡美氏は、ここ4~5年、ビッキをずっと調査なさってきたそうです。年代ごとにイメージが違う作品を作り、よくわからないといった感じだった
そうですが、作品の変遷や、木とどう向き合ったのか?調べるほどに興味が湧き、魅了されたとおっしゃっていました。
彼は頭の中にすごいイメージがあり、どんどんそれが湧き出ている・・・
その溢れ出るエネルギーがあるからこそ、多面的な表現になっていることに納得がいったそうです。
ですから今回の展覧会は彼女の言葉を借りるのであれば、「機が熟すといった感じでしょうか。」と。
ビッキは様々な逸話を持つ作家。お酒が好きだったとか、人が好きだったとか、彼の元にはたくさんの人が集ったとか・・・。
集まっても一向に作品を作る気配がないので、この人は一体何をする人なのか?と思われたり。
ただ、彼は制作するのは真夜中。その姿はなかなか見せることがなかったのでしょう。
そして、彼は石でも金属でもなく、木にこだわったそうです。なぜならそれは生きているから。命あるものだから。木でなければならなかったのです。
「おすすめは・・・1971年からほぼ晩年まで作り続けた昆虫・魚・鳥・エビ・カニシリーズ。そこには独自の文様が施されています。
さらに、足が動いたり、首が動いたり、ビッキが楽しんで作っていたんだろうと想像させてくれる作品の数々。
そして、裸婦のデッサン。おそらく1枚の作品を15~20秒もかからずに描いたのだと思います。でもすごいんです。そこから女性の背中、脚の感じが伝わるんですよ。」
ものづくりに対する情熱、そしてその豪快さはいかほどだったのでしょう・・・。
五十嵐氏曰く、作品からは生きているビッキが見えてくるかもしれないし、そこにビッキのエネルギーやイメージを感じ取ることができるのでは?とのことでした。
昆蟲、節足蟲シリーズ.JPG 裸婦千體.JPG
※尚、写真は北海道立近代美術館 五十嵐聡美氏からお借りしました。
(砂澤ビッキ展は1/22まで札幌 北海道立近代美術館で開催中です。)

2023.0111 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏 [close to you <dr.編>]

cd23.0111森田dr.jpg
今回は腎臓リハビリについてのお話しです。CKD(慢性腎臓病)の予防・治療には多職種で多方面からの取り組みが必要で、何か一つのことをすればそれでOKという
問題ではないことがわかってきたそうです。「塩分を少なめに」だけでは上手くいかない場合も多いのが現実です。
ですから、医師が説明・治療するだけでなく看護師・保健師・理学療法士・管理栄養士が一致協力してCKD対策を行い、健康と医療の推進を行う目的で「腎臓リハビリ」が準備されたそうです。そしてその詳細が決まり、リハビリの詳細が設定されたとのこと。
●CKDの悪化リスク:高血圧・糖尿病・メタボ肥満・尿酸・コレステロール・喫煙・感染症・膠原病・便秘・泌尿器の病気は予防できる項目です。
それに対して、対処が難しい条件として、加齢・男性・遺伝があります。
●CKD腎臓リハビリの実践:予防できる対策を普段から心がけるために、保健指導・栄養ケア・薬剤毒性の防止(薬剤師)・生活指導にリハビリを加えることが
2022年からできるようになったのです。
●まず下半身のバランステスト・歩行テスト・椅子立ち上がりテストで評価。
それに基づいて歩行速度・運動耐用評価(心肺・握力・筋力)を検討し、適切なリハビリをとにかく継続(6ヶ月目標)する。
●看護師が行う腎臓リハビリアセスメント:保存期と透析導入後、フットケアをこれも継続して行う。
下肢は第二の心臓。負荷を強すぎないように注意して、とにかく継続して、歩くことが大変重要。
10年くらい前までは、腎臓病の患者さんは運動をしてはいけないと言われていたそうです。ところが、ここ数年で腎臓病の患者さんで運動をしたところ良い成績が出るようになり、積極的に運動をしていきましょうという流れになってきているそうです。
腎臓リハビリは、運動・食事・精神的などの包括的なサポートをするプログラムのこと。それにより、腎臓病の患者さんの生命予後やQOLなどを改善させるというのが
目的になるのです。現在、提供している医療機関はまだ少ないそうですが、今後注目されている腎臓の治療と言えるかもしれません。