SSブログ

厚岸臨海実験所とはどんなところ?(伊佐田 智規編) [fun science]

5_北大FSC厚岸_愛冠岬.jpeg2_北大FSC厚岸_看板.jpg3_北大FSC厚岸_宿泊棟_桟橋.jpg4_北大FSC厚岸_みさご丸.jpg6_北大FSC厚岸_愛冠自然史博物館1.jpg8_北大FSC厚岸_愛冠自然史博物館3.jpg
厚岸臨海実験所は1931年、北海道帝国大学の理学部附属施設として厚岸町に創設されました。厚岸のカキ(当時から蝦夷の三絶の一つとして人気)が減少、絶滅の危機にあり、その原因究明が理学部に要望されていたこともあり、設立されたそうです。
本館と博物館(愛冠自然史博物館)と宿泊棟があり、中でも本館は建築物としても、とても価値があるそうです。外観や中の一部は当時からそのままの状態です。日本建築学会およびDOCOMOMO Japan(国際組織DOCOMOMOの日本支部)から「日本におけるモダン・ムーブメンの建築」に選定され、登録番号102。「ちなみに101は甲子園大運動場(阪神甲子園球場)、105に日本電波塔(東京タワー)なんですよ。」
博物館は主に北海道東部に生息する陸上・海洋生物を中心におよそ2,000点を展示。5月〜10月まで無料で公開しているそう。また、1990年代までは水族館があり、現在は、海洋生物の飼育水槽として利用しているそうです。
また、船が3艇もあるそうで、みさご丸(全長15m、およそ10トン。30名)うみあいさ(船外機80馬力×2、定員11名
)えとぴりか(船外機40馬力、定員5名
)どれも鳥の名前がついています。調査に応じて乗る船が違うそうです。
その厚岸臨海実験所の特徴は、何と言っても寒流の親潮系水の影響を最も受ける場所のため、寒流域の生物を研究するには日本で最も適した環境であるということ。
そして、国内2位の湿地面積を誇る別寒辺牛湿原があり、その別寒辺牛湿原を流れる別寒辺牛川、厚岸湖、厚岸湾、太平洋と繋がる一連の水系は、人間活動の影響をあまり受けない原生の生態系が残されている為、そこに生息する寒流域の特徴的な生物、森と海との繋がり等に関するさまざまな研究・教育が行われているということ。

ここではもちろん一般的な講義も行われますが、実習(演習)がメイン。学内の実習や、全国公開臨海実習という他大学の学生が参加できる実習、釧路教育大学の臨海実習、標茶にある京都大学フィールド科学教育研究センターと合同で、北大・京大合同演習、海外から教員や留学生を招いて行う国際フィールド実習などがあるそうです。「特に夏休みの8〜9月は、ほぼ毎週実習。研究利用も含めて国内外から多くの人が、入れ替わり立ち替わり訪れる場所なんですよ。」
※写真は伊佐田智規氏にお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/3XyfQbCehz0KQIHpEgZMxp

Facebook コメント