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耳で楽しむstory〜船弁慶(中西 紗織編) [varied experts]

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源義経と武蔵坊弁慶が登場し、前ジテは静御前、後ジテは平知盛の怨霊。前ジテの静御前は義経の恋人ですが、後ジテは平知盛、義経たちにとってはかたき役。前半後半でシテのキャラクターがガラッと変わり見どころも上演機会も多く、学校教育の場で教材として取り上げられることも少なくない演目です。
《船弁慶》
 登場人物:前ジテ〜静御前 後ジテ〜平知盛の怨霊 子方〜源義経 ワキ〜武蔵坊弁慶 ワキツレ〜義経の従者(三人)アイ〜船頭
 場所:摂津国 大物浦(兵庫県尼崎市大物町)
 季節:11月 曲柄:五番目
最初に弁慶が語る。主君の判官殿つまり義経が、ある人の言われない告げ口により、兄の頼朝と不仲となってしまったのだと。義経は頼朝への礼を重んじ一旦都を出て、摂津の国尼崎大物浦へ向かっている、というところから物語が始まる。
●(弁慶、従者たち) 頃は文治の初めつ方 頼朝義経不会の由既に落居し力なく (子方)判官都を遠近の道せば狭くならぬその前に西国の方へと志し (弁慶、従者たち)まだ夜深くも雲居の月 出づるも惜しき都の名残 一年平家追討の都出には引きかへて ただ十余人すごすごとさも疎からぬ友舟の 上り下るや雲水の身は定めなき習ひかな
義経、弁慶の一行は尼崎大物浦、現在の兵庫県尼崎市大物町の辺りに到着。義経の恋人、静も同行していたが、弁慶はこの先の困難を考え、義経に静を都へ帰すのがよいのではないかと進言。義経は弁慶に任せると。弁慶は静に都へ帰るようにと義経が仰せだと伝えるが静はそれを信じない。この後自分がどうするかは直接我が君にお返事しますと言い義経の元にやってきた静に、義経は都へ帰るよう告げる。静は悲しみにくれ、本当に我が君のお言葉だったのですね、ごめんなさいと弁慶に謝罪。そして、前場の一番の見せどころ、静と義経の別れの場面。静は白拍子の衣装を着け烏帽子を頭にかぶり、義経たちの旅の門出を祝う舞を舞う。ついに舞い終わると・・
●(地謡)舟子ども 纜をとくとくとはや纜をとくとくと 勧め申せば判官も 旅の宿りを出で給へば (前ジテ)静は泣く泣く烏帽子直垂脱ぎ捨てて 涙にむせぶ御なか別れ 見る目も哀れなりけり見る目も哀れなりけり
前場の最後、前ジテの静が橋掛りを通って揚幕へ退場する後ろ姿が悲しく美しく印象的。後場では狂言方の船頭が船を舞台に運び込んでくる。観客は立派な御座船に義経一行が乗船した姿を頭の中に思い描く。最初は穏やかだった海が荒れ始め・・ここは船頭役のアイ狂言の腕の見せ所。巧みに船を操り、小鼓と大鼓が荒れ狂う海の様子を音楽で盛り上げると、平家一門の亡霊たちが波間に浮かびあがる。中でも、平家の総大将平知盛の怨霊が長刀を持ち、義経たちめがけて襲い掛かってくる。
●【謡】(後ジテ)そもそもこれは桓武天皇九代の後胤平知盛幽霊なり あら珍しやいかに義経 思ひも寄らぬ浦波の (地謡)声をしるべに出船の 声をしるべに出船の (シテ)知盛が沈みしその有様に(地謡)また義経をも海に沈めんと
船は揺れに揺れ、亡霊たちが優勢となるが、義経の一声で形勢逆転!
●(子方)その時義経少しも騒がず (地謡)その時義経少しも騒がず 打物抜き持ち現の人に向ふが如く言葉を交はし戦ひ給へば 弁慶押し隔て打物業にて叶ふまじと数珠さらさらと押し揉んで●(地謡)弁慶舟子に力を合はせお船を漕ぎ退け汀に寄すれば なほ怨霊は慕ひ来るを 追つ払い祈り退け また引く汐にゆられ流れ また引く汐にゆられ流れて跡白波とぞなりにける

2024.0510 O.A 「北太平洋シーサイドラインの魅力」 [varied stories]

逸見光寿さん(写真家)
https://coju.info/

1:北シーサイドラインとは・・・
十勝 広尾町から根室 納沙布岬まで続く全長321kmにおよぶ海岸線を走る道路の総称。中でも釧路町〜根室市はこのルートのハイライト。
断崖絶壁や岬、海岸線や湖沼が次々現れ、スコットランド等のヨーロッパのような風景が広がる。
2:釧路町内の見どころ
釧路町内は適度なワインディングロードになっていて運転が楽しいと逸見氏。
断崖絶壁が続き、奇岩も多い。キトウシ野営場は6月〜10月期間限定でopen。キャンプ上級者に人気とか。
3:厚岸町内の見どころ
子野日公園は桜の名所、タンポポも一面に咲く。愛冠岬や原生花園あやめヶ原は見事な絶景。
お供え山展望台は、厚岸が一望できる穴場スポット。
4:浜中町内の見どころ
北太平洋シーサイドラインの最も見どころの多いエリア。涙岬に行ったら、立岩もしっかり見てほしい。霧多布湿原や岬は年間を通して素晴らしい場所。
浜中町から根室にかけて幌戸沼や恵茶人沼等、絶景が続く。
5:根室市内の見どころ
本土最東端の納沙布岬では最近、ラッコがコンスタントに見ることができる。根室市内のハイライトは落石。海岸も岬も素晴らしい。
海岸はこの時期、夕日の位置がよく、海霧も楽しむこともできる。フレシマは野鳥の観察スポット。長節湖は北欧のような風景が楽しめる。
※写真は逸見光寿氏からお借りしました。
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