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マリモと生育地の精密調査~2(尾山 洋一編) [nature treasure]

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「今、分かっているだけでも、水温の変化(温暖化)がマリモの生育にとって良くないのではないかと言えるのだから、当然、他の要因は無いのか?といった疑問が出てきます。そこで、マリモに影響を与えるあらゆる環境要因を詳しく調べて、現状を把握しないと効果的な対策が打てないということになったのです。」
あらゆる環境要因と言うのは、例えば、光環境だとか、水質だとか、湖底の泥の状態等々。
光はマリモが光合成で生長するのに必要、水質も生長に必要。湖底の泥は、砂地だとマリモが動くことで擦れて綺麗な表面になり、泥っぽいと動きにくくなったり、場合によっては埋まってしまう。
という事で、今後の調査の大きなポイントは、マリモ生育地の水温や水質、湖底の底質などの地図を作って、どの辺が冷たいのか、温かいのか、泥っぽいのか、砂っぽいのか、濁っているのか、あるいは水草はどのあたりが多いのか、などを一目で分かるようにすることと尾山氏。そうすることで、マリモが壊れやすいのはどういった環境なのかというのが分かってくると思われます。
さらに、もう一つの大きなポイントは調査対象となる場所を増やすこと。マリモ生育地は阿寒湖北部のチュウルイ湾とキネタンベ湾の2ヶ所。これまではチュウルイ湾だけを詳しく調べてきたのです。なぜなら、チュウルイ湾の方が大きなマリモが多いから。ところが、最近になってキネタンペ湾でも20センチを超えるような大きなマリモが出現してきたそうです。
「実は・・・面白いのは、マリモの暮らす環境は2つの湾で全然違うのです。例えば、チュウルイ湾のマリモは、水深1.5mから2.5mくらいの場所で、湖底は砂泥、水草のいない場所に生育しています。一方で、キネタンペ湾のマリモは、チュウルイよりも浅い水深1mから1.5mの場所にいて、特徴的なのは、ヨシの中に密集していること。見た感じは窮屈で動きにくそうなので、マリモの生長に回転が必要なのか不思議に思ってしまうのです・・・。」
という事で、今回の精密調査では、チュウルイ湾とキネタンベ湾を同時に調査するそうです。楽しみですね。今までわからなかったマリモの色々が少しずつ解明できると、今後の保護につながっていくはずですから。。。
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1srnKtaw3HtmyYQjQsBD23

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