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30 years of exhibitions 〜a look back at the special exhibition [close to you <art編>]

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2022年は美術館にとって2つの節目となることがあるそうです。まずは、生涯学習センターまなぼっと幣舞が開館30周年。
まなぼっとができた当初は美術館ではなくアートギャラリーという名前でした。そのオープニングが「久本春雄と同時代の画家」
また、釧路ゆかりの作家を個展形式で紹介する「Art spirit くしろの造形」の1回目が2002年。という事で、その際に出品された作品を中心に展覧会を構成したと沼前氏。
「気になるものは、やはりオープン記念の「久本春雄と同時代の画家」。久本が東京にいた頃の作品を中心に彼と同時代の画家たちの作品を集めた展覧会。
地域ゆかりの作家を全国的な文脈に当てはめて紹介した展覧会という事ができると思います。もちろん僕は生まれる前・・タイムスリップできたら行ってみたいです。」
この展覧会は釧路ゆかりの作家をあらためて見つめるチャンスにもなりそうです。「地域の美術史の研究と情報発信は地域の美術館がまずは取り組むべき点だと思って
います。ですからこれからも地道に続けていきたいです。また、地域の美術史の掘り起こしだけではなく、より大きな文脈、例えば同時代の日本の中の北海道という
地域の中に、さらに一地域の釧路のように考えていく必要もあるかと考えています。」
今回の展覧会では地域ゆかりの作家を見つめることはもちろん、美術館の活動やこれまでの歩みを関心を向けてもらいたいと工夫した点が実はあるそうです。
たとえば、章解説やコラム。これが意外と難しかったとおっしゃっていました。なぜなら、解説やコラムの文章量が多くなりすぎると展示のストーリーの主張が
強くなりすぎてしまうから。ですから、作品はもちろんゆっくり鑑賞していただき、その背景やストーリーにも少し興味を持っていただけたら嬉しいと・・・。
沼前氏が作品の中で気になるものは、久本春雄「蝦夷の浜」。緻密なハマナスの描写が見どころと。
さらに小野寺玄の「炭化練上連山図花生」。こちらは土のグラデーションが見事な作品。じっくりと土の感じを感じて欲しいです。
作家数は10人、作品数は41点。大作が多くそのダイナミックな会場にまずは足を踏み入れてみてください。当時の展覧会のポスターやチラシも同時に紹介されています。
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(展覧会の30年〜企画展を振り返る〜は2/5まで釧路市立美術館で開催中です。)

2023.0125 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏& 士別市立病院 院長 長島仁氏 [close to you <dr.編>]

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今回は士別市立病院の院長 長島仁氏とzoomを繋いで、お話しを伺いました。森田氏とのお付き合いはまだ1年未満。
ただ、実は長島氏とともに士別市立病院で頑張っていらした先生が森田氏の学生時代の親友だったという事で、それから急激に仲が深まったそうです。
現在は、ともに院長という立場で様々な意見交換や相談等を頻繁に行なっているとのこと。
長島氏は北海道とは縁もゆかりもなく、今から27年前に移住なさいました。とにかく北海道が好きという事で、いらっしゃったのです。理屈抜きで北海道が好き。
今までにもたくさんの場所を巡ったそう。ただ、その愛する北海道が地方を中心に医療界において、大変なことになっていると。
札幌にいらした長島氏はその後八雲に単身赴任。その後士別に着任。「函館に住んだこともありますが、札幌は特別と感じます。北海道の田舎には何もない。
そして田舎には医療の十分な状況がやってくるとは思えないのです。人口減少が進み、でもその広さの為適切な医療状況にはならないと思います。
長い間、北海道の田舎で過ごしていますが、札幌の様な都会と田舎の人々の命の平等は保てていないと感じます。
田舎では札幌なら普通に治療される疾患で人々がなくなっていく。本当に愛する北海道の医療がまさに窮地に立たされていると感じるのです。」
北海道に住む人たちが観光で生きるだけではなく、住民から愛され続ける為には地方における病院等のインフラをきちんと整備していかねばならないとおっしゃいます。
士別市は人口が18,000人ほど。長島氏が着任してからも減り続けているそうです。田舎には病院がない街もあります。そこでは公立病院が一手に引き受ける事になります。
ただ、田舎にはない弱点も都会にはあると。それぞれに質の違う問題があるとおっしゃっていました。
釧路と士別でそれぞれ同じ問題があっても解決策は同じとはいきません。
森田氏も地域性の違いが多々あり、参考事例等様々な事例をお聞きして、釧路には何が一番適切なのかを考えなければ・・・とおっしゃっていました。
お話しを伺っていて、やはり医療の世界も地域連携が今まで以上に必要になっているのだと感じました。「若い先生には、どうせ苦労するなら地域住民から、いろいろな
ことを求められる田舎の方が大変だけどやりがいはあるんだよって、いつも伝えたいと思っています。医者としての嬉しさはとても大きなものを感じることがあるのも
事実なので。そこに光みたいなものを感じると伝えたいのですが、なかなか現実的には難しいです。」
医者と患者という立場ではなく、人間対人間という付き合いをなさっているという現実がお話しから伝わってきました。