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Listen to the art. [close to you <art編>]

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北海道立釧路芸術館の収蔵品の中から50点ほど・・・今回は「音」を切り口にした作品が集められています。
所蔵作品をどのような切り口でテーマをまとめて展示するのか?これは学芸員の腕の見せ所だといつも感じるのですが、
今回はコレクション作品の中から音が聞こえてくるような表現のものをセレクトされたそうです。
「美術作品というと「見る」ものという意識が強いと思うのですが、なかには、味覚が刺激されたり、触覚が刺激されたり、嗅覚が刺激されたり・・・というように、
そもそも美術作品は、人間の五感に広く訴えかけてくる作品が多いんです。当館のコレクションを見て見ると、「音」が聞こえてきそうな作品が多いと感じましたので、
本展を企画したのです。」そこで、井内氏が気になる作品をご紹介いただきました。
千住博<ウォーターフォール>・・・文句なしに、滝の水がほとばしる音が聞こえてきますね。
長倉洋海<北の島(グリーンランド) 堅信式を祝う食事会>・・・むしゃむしゃおいしそうに食べる音がきこえてきそうですね。
奈良原一高<ジャパネスク 禅>・・・ひたひたという足音がお寺に響く感じですね。
というように、一つ一つの作品から様々な音が聞こえたり、その場の雰囲気や匂いや空気感が感じられるものがたくさんあります。
枯れた草原に吹き付ける風の音、市場の喧騒と人々の声、落ちる滝のものすごい音と同時に聞こえるかすかな水の音、子供達の楽しそうなおしゃべり・・・
そこここに心に聞こえるサウンドを楽しみつつ作品をみると、また違った世界がそこに展開してくるから不思議です。
アートの中から感じるアートの中に拡がる音。たった一つの作品から拡がる果てしないストーリー、楽しんでみてはいかがでしょう。
(アートに耳をかたむけて 絵画と彫刻から聞こえる「音」は4/9まで北海道立釧路芸術館で開催中です。)

2023.0118 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏& 薬剤師 大屋太郎氏 [close to you <dr.編>]

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今回はポリファーマシーについて。あまり聞きなれない言葉かもしれません。
薬がたくさん処方されている医療業界でポリファーマシーという言葉が出てきて問題提起されるそうです。ポリは複数のという意味で、ファーマシーは薬という事。
ポリファーマシー、厳密な定義がある訳ではないそうですが、単に薬が多いから・・という事だけではなく、薬が複数あることが原因で、有害な事、副作用等が起きている状態を指すことが多いそうです。年齢とともに病気は増えてしまう現状。ですからそれに応じて薬も当然増えてしまうのは仕方のないことなのかもしれません。
「ただ、一応薬の種類の目安として6種類以上だと有害事象が起きる可能性がぐんと上がる様で、一応の目安として、6種類というのはある様です。例えば、高血圧・
糖尿病・コレステロール・尿酸・心臓の薬等、生活習慣病の治療薬だけでも6種類を超える方は結構いらっしゃるですね。年齢とともに薬を分解したり、体の外に出す機能も低下しますので、この辺りは副作用の状況等を踏まえて・・・となると思います。」
それでは、どの様なケースが考えられるのでしょう?
1:シンプルに薬の副作用が出てしまっているケース:副作用が出て中止すべき場合と、場合によっては多少副作用が出ても継続した方が良い場合があるそうです。
患者さん側でどうこうするというのは難しいケース。
2:飲んでいないー効果が出ないー効果が出ないから増量となり、薬も数が増えるケース:受診の間隔がかなり空いていて、薬はぜったい足りなかったでしょうという方が
たまにいらっしゃるそうです。ある日突然やる気を出して、真面目に薬を飲み始めてしまったりすると効きすぎてしまって危ないというケースもあるそう。
3:痛み止めーむくみがでるー利尿剤ー尿酸値が上がるー抗尿酸薬という流れのケース:痛みの度合いや、それほど薬が増えるなら我慢するという方もいらっしゃるかも
しれません。さらに痛み止め処方に伴う胃薬も処方される・・・利尿剤作用で頻尿について相談してその薬も・・・という様に、薬のための薬が増えるケース。
4:検査結果等に基づいて処方される薬と患者さんの自覚症状に基づいて処方される薬があります。患者さんからの自覚症状に基づいて処方される薬を改善しているのに
継続となってしまうケース。
・・・という様に様々なケースが考えられるとのこと。いろいろな病院にかかっていてたくさんの薬が処方される。一つの病院で完結するのであれば、それもチェックは
できるかもしれませんが、複数の病院の薬を全て把握して管理するということはなかなか難しい現実。
なるべく医師も薬に関して、プラスではなく、マイナスの方向で考えていく必要もあるのではと森田氏。まず私たちは自分の薬をしっかり把握して、処方されたものを
きちっと服用する。わからないものは薬剤師の方に相談するということも必要なのかもしれません。