SSブログ

雪と氷〜春採湖編(境 智洋編) [fun science]

1.jpg2.jpg3.jpg
4.jpg5.jpg6.jpg7.jpg8.jpg9.jpg10.jpg
今は寒い冬。でもだからこそ出会える素敵なものに出会ってきました。近場の春採湖で・・・。
春採湖で御神渡り・・・ご存知でしたか?有名なところは屈斜路湖や阿寒湖などがありますが、実はここでも見ることができました。
一番最初の写真がそうなのですが、あまりわからないかしら?直線ではなくS字になっています。
対岸との距離が一番近いところに何と無く見えますか?
そして、これもびっくりアイスバブル。ただ、あまり綺麗な状態では残っていませんでした。
なぜなら、雪が降ったり、暖気がきてとけたり、さらに雪が降ったり・・・そんな気象条件なので、透明な氷という感じではなかったです。
そして、綺麗だったのが、湖の表面にうっすら積もった雪が風で飛ばされる感じ。綺麗な模様を作っていました。
そして、表面の氷がガタガタになっている模様も。そして、黒っぽい氷の下に球体のまるでマリモみたいな形の氷が見えたこと。
ぜひ、冬の綺麗な一期一会とも言える自然が創り出す造形に目をとめてみてはいかがでしょう。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/3MPr4NAisfn4kEW2IcytEU

コロナとクジラ??(笹森 琴絵編) [nature treasure]

① 笹森12月収録.JPG ② 笹森12月収録.jpg ③ 笹森12月収録 .jpg
ウオッチング船稼働率は、2019年から激減。国外でも国内でも。というのが現状です。人間活動にとっては停滞やダメージ続きですが、動物にとってはどうなのでしょう?
私たちはつい、自分たちの都合で物事の価値判断をしがちですが、再び増加した船に鯨類がどのような影響を受けているかいないかについては考えが及びずらいもの。
時には立ち位置や視点を変えてみることも、大切だと思うと笹森氏。人間活動はコロナによる行動規制後、再び稼働し、自粛への反動やストレス解消で以前より加速
しているようにも見えると。船舶の過剰な行き交いから一時的に解放されていた鯨類がこれに振り回されプレッシャーを受けている可能性があるのです。
例えば、2020年にジブラルタル海峡で起きたシャチによる観光船や調査船への攻撃。具体的には、1時間以上にわたりボートに体当たりし、舵を食いちぎりました。
船は航行不能になり、救助される事態に。衝突の間、シャチたちは大きな鳴き声をあげ、互いに意思疎通しているかのようにみえたそうです。
行動規制で漁業やホエールウォッチングなど船舶の通行量が減り、かつてないほど静かだった海に再び船舶が戻った事で、イラっとしたシャチが攻撃をしかけたのでは?
とは、現地でシャチを観察している研究者の見解だそうです。この事例から学ぶべき事は、人間活動が野生動物にどれだけストレスを与えているかを慎重に考慮すべきと
いうこと。さらに、それを踏まえて私たちは、可能な限りではなく、それ以上に彼らへの刺激を抑えるべきであるということ。
「シャチは狂暴で無感情で、愚鈍な生き物と思っている人がいたら大間違い。シャチは効率的に生存するために経験から学習する生き物という意味で知的な生き物だと、
20年以上彼らを実際にみてきた私は感じているます。彼らとのつきあいが長くなるほどわかってくるのは、観察する上で距離や時間の設定に配慮が必要ということです。」
シャチの群れは、大抵は子供を連れているので、素早く逃げる、潜ったまま長距離遊泳するなどの避難行動がとれない状況が多いそう。
それを補う手段として自分たちを取り巻く環境にはとても神経を使っているはずと。群れの絆が強い彼らは、子供が逃げ切れない、あるいは子供から目をそらさせたい場合などは、協力してアグレッシブに行動するそうです。その様にわかりやすいシャチたちより、実は深刻な状況におかれているかもしれないのは、そうではない種。
つまり、小型種・大型種を問わず、群れをつくらず単独行動で、人間活動の影響が及びやすいより岸に近いエリアを生活圏とする種。
そのような種はただストレスに耐える、最悪は大切な生活域を離れるしかなくなっているかもしれないと。ただ、鯨類観察者が存在しない海域ではどんな事が起きていても知りようも防ぎようもないのです。
「鯨類に対して行動に関する知識やモラルのある事業者や、私たちの協議会に登録している事業者は、あらゆる場合を想定したルールに則って船を動かしているので、
すでに実行しています。でも残念ながら、未だに明文化しているか否かに関わらず動物に配慮する行動基準を持っていない、或いはルールはありながら守っていない事業者はいるのです。さらには参加者もまた、自分が今、楽しければそれで良いという方がいることも事実。人間には壊した自然環境や生態系を元通りにすることも、あるいは
変えてしまった結果を良い方に向けることもできないのです。クジラを観察したいなら、せめて自分のやっている事が自然や動物の保護に結びつく様に還元しなくては。」
私たち人間が節度と責任ある行動をとること。自然や野生動物と接する者は誰もが、本来、これらや彼らを人間の思い通りにして良いわけではないことを繰り返し
肝に銘じなければならないとあらためて思うのです。
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/56bgo8UZI5RvQieRdzkGwe

Listen to the art. [close to you <art編>]

1.jpg2.jpg7.jpg
3.jpg4.jpg5.jpg<9.jpg10.jpg11.jpg
北海道立釧路芸術館の収蔵品の中から50点ほど・・・今回は「音」を切り口にした作品が集められています。
所蔵作品をどのような切り口でテーマをまとめて展示するのか?これは学芸員の腕の見せ所だといつも感じるのですが、
今回はコレクション作品の中から音が聞こえてくるような表現のものをセレクトされたそうです。
「美術作品というと「見る」ものという意識が強いと思うのですが、なかには、味覚が刺激されたり、触覚が刺激されたり、嗅覚が刺激されたり・・・というように、
そもそも美術作品は、人間の五感に広く訴えかけてくる作品が多いんです。当館のコレクションを見て見ると、「音」が聞こえてきそうな作品が多いと感じましたので、
本展を企画したのです。」そこで、井内氏が気になる作品をご紹介いただきました。
千住博<ウォーターフォール>・・・文句なしに、滝の水がほとばしる音が聞こえてきますね。
長倉洋海<北の島(グリーンランド) 堅信式を祝う食事会>・・・むしゃむしゃおいしそうに食べる音がきこえてきそうですね。
奈良原一高<ジャパネスク 禅>・・・ひたひたという足音がお寺に響く感じですね。
というように、一つ一つの作品から様々な音が聞こえたり、その場の雰囲気や匂いや空気感が感じられるものがたくさんあります。
枯れた草原に吹き付ける風の音、市場の喧騒と人々の声、落ちる滝のものすごい音と同時に聞こえるかすかな水の音、子供達の楽しそうなおしゃべり・・・
そこここに心に聞こえるサウンドを楽しみつつ作品をみると、また違った世界がそこに展開してくるから不思議です。
アートの中から感じるアートの中に拡がる音。たった一つの作品から拡がる果てしないストーリー、楽しんでみてはいかがでしょう。
(アートに耳をかたむけて 絵画と彫刻から聞こえる「音」は4/9まで北海道立釧路芸術館で開催中です。)

2023.0118 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏& 薬剤師 大屋太郎氏 [close to you <dr.編>]

cd0118 森田dr&大屋氏.jpg
今回はポリファーマシーについて。あまり聞きなれない言葉かもしれません。
薬がたくさん処方されている医療業界でポリファーマシーという言葉が出てきて問題提起されるそうです。ポリは複数のという意味で、ファーマシーは薬という事。
ポリファーマシー、厳密な定義がある訳ではないそうですが、単に薬が多いから・・という事だけではなく、薬が複数あることが原因で、有害な事、副作用等が起きている状態を指すことが多いそうです。年齢とともに病気は増えてしまう現状。ですからそれに応じて薬も当然増えてしまうのは仕方のないことなのかもしれません。
「ただ、一応薬の種類の目安として6種類以上だと有害事象が起きる可能性がぐんと上がる様で、一応の目安として、6種類というのはある様です。例えば、高血圧・
糖尿病・コレステロール・尿酸・心臓の薬等、生活習慣病の治療薬だけでも6種類を超える方は結構いらっしゃるですね。年齢とともに薬を分解したり、体の外に出す機能も低下しますので、この辺りは副作用の状況等を踏まえて・・・となると思います。」
それでは、どの様なケースが考えられるのでしょう?
1:シンプルに薬の副作用が出てしまっているケース:副作用が出て中止すべき場合と、場合によっては多少副作用が出ても継続した方が良い場合があるそうです。
患者さん側でどうこうするというのは難しいケース。
2:飲んでいないー効果が出ないー効果が出ないから増量となり、薬も数が増えるケース:受診の間隔がかなり空いていて、薬はぜったい足りなかったでしょうという方が
たまにいらっしゃるそうです。ある日突然やる気を出して、真面目に薬を飲み始めてしまったりすると効きすぎてしまって危ないというケースもあるそう。
3:痛み止めーむくみがでるー利尿剤ー尿酸値が上がるー抗尿酸薬という流れのケース:痛みの度合いや、それほど薬が増えるなら我慢するという方もいらっしゃるかも
しれません。さらに痛み止め処方に伴う胃薬も処方される・・・利尿剤作用で頻尿について相談してその薬も・・・という様に、薬のための薬が増えるケース。
4:検査結果等に基づいて処方される薬と患者さんの自覚症状に基づいて処方される薬があります。患者さんからの自覚症状に基づいて処方される薬を改善しているのに
継続となってしまうケース。
・・・という様に様々なケースが考えられるとのこと。いろいろな病院にかかっていてたくさんの薬が処方される。一つの病院で完結するのであれば、それもチェックは
できるかもしれませんが、複数の病院の薬を全て把握して管理するということはなかなか難しい現実。
なるべく医師も薬に関して、プラスではなく、マイナスの方向で考えていく必要もあるのではと森田氏。まず私たちは自分の薬をしっかり把握して、処方されたものを
きちっと服用する。わからないものは薬剤師の方に相談するということも必要なのかもしれません。

ストーリーからおう〜1月の鶴亀(中西 紗織編) [varied experts]

1.jpg 2.jpg 3.jpg
4.jpg今回は《鶴亀》。観世流の謡曲季節表では「正月」の能として取り上げられていて、大変おめでたい内容。
シテは皇帝。この皇帝は数々の戦に勝ち、とても強く、おそらく人徳も高く、国を治めることにもたけた皇帝なのでしょう。
人々が平和に豊かに幸せに暮らす世が続いているので、鶴と亀の神様のような存在が出てきて皇帝に長寿をさずけます。
豊かで平和な世がずっと続いていってほしいという願いはいつの世にも普遍的なもの、この能にもその様な思いが込められているのでしょう。現行の能では一番詞章の短い曲。謡だけ謡うなら一番短い曲ですが、能としてフルに演じると、
鶴と亀の《中ノ舞》と皇帝の《楽》という舞もあるので、それなりの長さの能となります。
能《鶴亀》・・・作者 不詳
登場人物・・・・・シテ:皇帝 ツレ:鶴、亀
         ワキ:大臣 ワキツレ:従臣 アイ:官人
場所・・・・・唐土
季節・・・・・正月(観世流謡曲季節表より)(曲柄 初番目)    
●作り物が運ばれる:一畳台の上に引たて立大宮。囃子方と地謡方が着座すると、後見が一畳台を舞台に運び込み、囃子方の前に置きます。そして、その上に引立大宮と
いう四本の細い柱の上に屋根のついたものを乗せます。舞台が一気に華やかになります。この後に登場する皇帝がここに座ります。
●狂言方口開:皇帝(シテ)が大臣と縦臣(ワキ、ワキツレ)を従えて登場:狂言方の官人が登場。狂言方の台詞で始まります。
皇帝に仕える官人は皇帝の御代をことほぎ、四季の節会の初めに帝は不老門にお出ましになり舞楽を奏され、鶴と亀も参内して舞い遊ぶ。今年もその時期となったので、
老若共に残らず出でて拝するようにとふれまわり、退場。その後直ぐシテの皇帝が登場。多くのシテは面をかけていますが、このシテは直面、面無しの役。頭には唐冠。
この皇帝は玄宗皇帝とわかっています。能のタイトルは《鶴亀》、喜多流では「月宮殿」といい、またこの能には「玄宗」という別名もあり、玄宗皇帝のことを言います。
その皇帝が最初に謡います。「それ青陽の春になれば 四季の節会の事始め」。「青陽」とは春のこと、特に初春、正月のことで、新年の晴れ晴れと清々しい気に満ちた
季節に「四季の節会の事始め」つまり、四季の行事の始まりとして正月の行事があるという訳です。
その様子は実に壮大で、皇帝が姿を現すと、多くの役人や大臣たちが「袖を連ねくびすを接いで」、前後左右隙間もないほどにびっしりと並んでいる。
その数は一億百人を越えるというのですから、すごい光景です。そういう場面から始まります。
●鶴と亀が登場:〈中ノ舞〉を相舞で舞う。ワキの大臣が、毎年この行事で行っている様に、鶴と亀に舞を舞わせて、その後、月宮殿で舞楽をなさいませと言います。
月宮殿とは、月の都にあるという伝説で知られる、天人たちが住む美しい宮殿のこと。その様な宮殿に例えて、皇帝の宮殿の一つをそう呼んでいます。
鶴と亀が〈中ノ舞〉という舞を「相舞」で舞います。「相舞」とは複数の演者が揃って同じ舞を舞うこと。
●皇帝の舞《楽》:鶴と亀の舞により皇帝もおおいに喜び、自ら《楽》という舞を舞います。皇帝の舞なので、厳粛に重々しく堂々と威厳をもちつつ、祝賀の雰囲気をもって舞います。シテが持っているのは、唐団扇、瓢箪型の中国風の団扇。手で持つ所も合せて70~80cm。紗という薄い織の布が枠に張ってあり美しい模様が描かれている。
●皇帝は月宮殿から長生殿へ還御:いよいよ最後の場面。これは仕舞《鶴亀》として演じられる部分。仕舞とは能の見どころをシテと地謡だけで演じる上演形式。
月宮殿で殿上人たちがまるで天人のように美しく舞います。美しい言葉がたくさん出てきてこの場面の華やかさを彩ります。
「山河草木国土豊かに千代萬代と舞ひ給へば」、神羅万象国土豊かにずっとこの良い時代が続いて栄えるようにと祝賀の場面が盛り上がり、皇帝は御輿に乗り長生殿、
長く生きるという名前のついた御殿、長生殿へと還御、帰っていきました。「還御なるこそめでたけれ」まことにめでたいという詞章で終わります。

2023.0113 O.A 「3年ぶりの釧路はやはり寒かった」 [varied stories]

鈴木雅章さん(翻訳者・ライター)

3年ぶりにやっと帰省できた鈴木氏、真夏のオーストラリアから真冬の釧路へようこそ!といった感じです。
釧路に到着した日は氷点下7度。この寒さを忘れていたそう(笑)。
雪や雪かき、凍った川に感激したのは、オーストラリア生まれの息子さん。雪の上にダイブしたり、凍った川に雪の塊を投げてみたり。
その純真な気持ち忘れているわ。。。と思った私。
「もう出歩いたので帰っても良いかも、少々疲れてきました」なんて。
実は3年ぶりということもあり、今回日本の滞在は6週間。すでに東京では昭和の街が残されているところに感動したとおっしゃっていました。
東武東上線の中板橋に民泊したそうで、その商店街が温かみがあって、彼の好きな雰囲気が残されていて良かったと。
釧路では雪や氷、そして青春の味、スパカツに舌鼓。なんと大盛りを注文したそうですが、カツの部分はほぼ息子さんに奪われてしまったと少し寂しそうな笑顔。
鶴居の実家では温泉を楽しまれているとおっしゃっていました。
さて、オーストラリアの年末年始についても伺ってみたのですが、やはり海外は新年のカウントダウンが多いみたいです。家族や親戚が集まるのはクリスマス。
彼も以前、シドニーのハーバーブリッジでのカウントダウンにいかれたそうで、ものすごい人が集まっていたそうです。
仕掛け花火には毎年テーマがあったり、船の上での打ち上げがあったり。
お話しを伺っていると、一度海外のカウントダウンも体験してみたいと思いますね。
今後は札幌で千歳空港の温泉を楽しんだり、大阪でたこ焼きを食べたり、広島は一度もいったことがないので、原爆ドームにも足を運んでみたいとおっしゃっていました。
何と言ってもこのあとの一大イベントは、東京での大相撲の観戦みたいです。「チケットが取れたので〜」と嬉しそうに教えてくださいました。
※写真は鈴木雅章氏からお借りしました。
10.jpg1.jpg 2.jpg 3.jpg 4.jpg5.jpg6.jpg7.jpg8.jpg9.jpg

2023.0112 O.A 邦楽 [chord 5]

・勝手にしやがれ / 沢田研二
・ミ・アモーレ / 中森明菜
・淋しい熱帯魚 / Wink
・魅せられて / ジュディ・オング
・また逢う日まで / 尾崎紀世彦
・喝采 / ちあきなおみ
~今回は邦楽一般。レコード大賞受賞曲 特集です。
セレクトは村田氏。今回の出演は、村田氏&midoriでお送りします。

ジンジャー(野村 香編) [fun science]

IMG_6352.jpgIMG_6353.jpg
冬になるとコマーシャルでもよく出てくるジンジャー、生姜。体を温めるというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
スパイスとしても古代から利用されてきたものです。食用としても医療用としても。それだけ身近な存在なのかもしれません。
主な成分はセスキテルペン炭化水素類。食用として用いる場合もありますが、今回は経費吸収のお話しです。
心には・・・生命力UP、決断力を活性化させたり、自ら行動する力を与えてくれたりと野村氏も大好きな香りとおっしゃっていました。
また、体には温め活力を与える。消化不良や腹部ガス、便秘や下痢などの消化器系に有用と。
皮膚には抗感染作用、傷やただれにも・・・。特に冬には活躍してくれるエッセンシャルオイルです。
ローズゼラニウムとの相性が抜群。特に女性にはフルボディではなく、集中的に一箇所、特に仙骨に・・・というのが良さそうです。
ただ、幼児や妊娠初期の方はくれぐれも注意をして使用して・・・とのことでした。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1yOJM8Oem7Mt4ZyxpaPzEz

タンチョウは高病原性鳥インフルエンザ感染から回復したが・・・(齊藤 慶輔編) [nature treasure]

IMG_6392.jpg IMG_6393.jpg
去年は高病原性鳥インフルエンザに感染した鳥たちが全世界的に多く、時期も早く、数も多かったというのは皆さんもご存知のことと思います。
そんな中、初めてタンチョウの感染が確認され、その治療を防護服を着ながら毎日一人で行なっていた慶輔獣医。
一昨年オジロワシも10羽中7羽を回復させた実績があり、タンチョウでも試みたのです。
確かにウイルスはいなくなったのですが、実は後遺症が残ってしまったそうです。慶輔獣医曰く、脳に問題があるのでは?とのこと。
今後はQOLも考えてどう対応していくのかを考えなくてはなりません。ただ、高病原性鳥インフルエンザのウイルスを排除できた事実は世界初。
今後、それが一つの力になっていくことは間違いのない事実だと思います。
さて、現在、クラウドファンディングを実施中です。 https://readyfor.jp/projects/IRBJ2
「傷付いた希少猛禽類の救命率向上のため、老朽化が著しい医療機器を更新するための費用(優先度の高い者から実施)、事故の後遺症などにより野生に帰れなくなった
猛禽類(終生飼育個体)を継続飼育するための一部費用、野生復帰させた個体の安否確認や重要な生息環境を把握するための情報収集に使用する衛星送信機の購入費に
充てさせていただきます。」
※写真は齋藤慶輔氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1qH3kt5HY3xtENupsbRb08

sunazawa bikky retrospective [close to you <art編>]

《神の舌》.JPG ビッキの椅子.JPG
砂澤ビッキという作家、名前は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。木彫作家として。
実は彼は独学でこの世界を切り拓いた方とのこと。スタートは絵画だったそうです。木彫に転向してからも絵は描き続けていたそうです。
会場には様々な形の木彫はもちろん、デッサン・スケッチ、書等々が280点。ビッキの全貌に迫る展覧会になっています。
お話しを伺った五十嵐聡美氏は、ここ4~5年、ビッキをずっと調査なさってきたそうです。年代ごとにイメージが違う作品を作り、よくわからないといった感じだった
そうですが、作品の変遷や、木とどう向き合ったのか?調べるほどに興味が湧き、魅了されたとおっしゃっていました。
彼は頭の中にすごいイメージがあり、どんどんそれが湧き出ている・・・
その溢れ出るエネルギーがあるからこそ、多面的な表現になっていることに納得がいったそうです。
ですから今回の展覧会は彼女の言葉を借りるのであれば、「機が熟すといった感じでしょうか。」と。
ビッキは様々な逸話を持つ作家。お酒が好きだったとか、人が好きだったとか、彼の元にはたくさんの人が集ったとか・・・。
集まっても一向に作品を作る気配がないので、この人は一体何をする人なのか?と思われたり。
ただ、彼は制作するのは真夜中。その姿はなかなか見せることがなかったのでしょう。
そして、彼は石でも金属でもなく、木にこだわったそうです。なぜならそれは生きているから。命あるものだから。木でなければならなかったのです。
「おすすめは・・・1971年からほぼ晩年まで作り続けた昆虫・魚・鳥・エビ・カニシリーズ。そこには独自の文様が施されています。
さらに、足が動いたり、首が動いたり、ビッキが楽しんで作っていたんだろうと想像させてくれる作品の数々。
そして、裸婦のデッサン。おそらく1枚の作品を15~20秒もかからずに描いたのだと思います。でもすごいんです。そこから女性の背中、脚の感じが伝わるんですよ。」
ものづくりに対する情熱、そしてその豪快さはいかほどだったのでしょう・・・。
五十嵐氏曰く、作品からは生きているビッキが見えてくるかもしれないし、そこにビッキのエネルギーやイメージを感じ取ることができるのでは?とのことでした。
昆蟲、節足蟲シリーズ.JPG 裸婦千體.JPG
※尚、写真は北海道立近代美術館 五十嵐聡美氏からお借りしました。
(砂澤ビッキ展は1/22まで札幌 北海道立近代美術館で開催中です。)