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キタサンショウウオに関わる気になる記事(照井 滋晴編) [nature treasure]

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IMG_6517.jpg話題にしたい記事は2つ。一つは12月22日の毎日新聞のインターネット記事について。 もう一つは12月23日の釧路新聞の記事。
毎日新聞のネット記事について。タイトルは「切り売りされた湿原 守ったのに…今度はソーラーパネルの海?」というものです。
その内容は、外環状道路の北側の土地に巨大な太陽光発電施設の建設が計画されているというもの。 大規模な太陽光発電所の
建設計画があると記事で書かれているエリアは「市街化調整区域」とされているエリアです。
釧路市では無秩序な市街化を防止して、計画的な市街化を図るため、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分。
「市街化区域」というのは、すでに市街地を形成している区域とおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域で、
建てられる建築物の種類が建築基準法により決まっています。 対して「市街化調整区域」は、釧路湿原を守っていくという観点からも市街化を抑制すべき区域であり、原則として建築物等は建築できません。
では、なぜ大規模な太陽光発電施設が建設される事になるのでしょう。 記事には釧路市立博物館の学芸員のコメントも載っていたそう。
太陽光発電施設は「建築基準法上は『建築物』の対象ではなく、書類の不備がない限り、申請があれば受けざるを得ません」とのこと。
「法律上は確かにそうなのだと思いますが、人工構造物が建設され、湿原やその隣接地が開発されてしまうのは変わりませんので、
個人的には市が何も手を打たないのは問題があるのではないかと感じてしまいます。 」
記事の中では、景観の問題についても言及しており、本当に記事に書かれている市街化調整区域が太陽光発電施設の海になるので
あれば、湿原展望台や北斗遺跡の展望地からの景観が悪化してしまうのではないかと。
観光客が多く訪れる施設からの景観が悪化することは、観光面では大きなダメージになるはず。本来であればその様な観点からも人工構造物が建てられる範囲や面積などについて、市が制限できるのはないかと思い、少し調べてみたと照井氏。
釧路市には「釧路市景観条例」というものがあり「観光の振興や交流の促進を図るうえで良好な景観を形成する必要がある区域」を特に良好な景観づくりを進める必要
がある重要区域として指定して、景観づくりに取り組むことができるというようなことが書いてあったそうです。ただ、重要区域には市内のどこも指定されていないのが
現状で、「景観形成推進地域」というものには空港周辺しか指定されていなかったと。現状ではこの条例では景観を守ることができない状態と言えそうです。
記事に書かれている市街化調整区域のあたりにキタサンショウウオが生息しているかどうかについては過去の記録がないためわからないそう。
ただ、遠くない場所ではキタサンショウウオの生息が確認され、周辺は彼らの生息に適した土地であると釧路市が作っている生息適地マップにも載っています。
キタサンショウウオと太陽光発電施設建設の問題については、毎日新聞が出た翌日の12月23日の釧路新聞の記事でも書かれていたそうです。
釧路市が開催した釧路市文化財保護審議会の場で、専門家から太陽光発電施設が乱立する状況を何とかしないと天然記念物であるキタサンショウウオは守れないと発言が
あり、釧路市としても喫緊の課題として取組むといったという様なことが書かれていたそうです。
キタサンショウウオは市の天然記念物なので影響を及ぼす行為を行う場合、事前に現状変更申請が必要。でも、市文化財保護条例は罰則がないので、守らなくても痛くも
かゆくもない上に、書類がしっかりと提出されていれば、開発行為の許可を出さざるをえない状態なので、早くどうにかしないといけない状況なのです。
「実は昨年末に、キタサンショウウオの生息地付近を見回っていたのですが、その時キタサンショウウオの生息地の植物がすべて伐採され、
荒れ地となってしまっている場所を確認しました。 周囲の状況やこれまでの経験からすると、おそらく太陽光発電施設の建設のために業者が伐採したのだと考えています。
その場所以外でも、良い湿地が残っていると思っていた場所で植生が伐採され、太陽光発電施設の建設用の資材が沢山置かれている場所もありました。同じく年末に、
太陽光発電施設の建設のために土地を売って下さいというチラシが手元に・・。実際に使い道のない湿原を持っている方は、地球にやさしい再生可能エネルギーになるならと思い、売ってしまうかも?と思いながらチラシを見ていたのですが・・・。そんなチラシや、ある日当然キタサンショウウオの生息地がなくなる様を見ていると、
毎日新聞の記事に書かれている『太陽光発電所の海になってしまう』という言葉は、フィクションではないと今、感じています。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2a8zaorsxe7mbMBhfgQoWy

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