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アフリカと日本は気象がつながっている!(中山 雅茂編) [fun science]

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偏西風が気になって仕方がない中山氏。この偏西風は中緯度地域で吹く西寄りの風ですが、ぐるっと一周頭にハチマキをする様に地球の中緯度地域を一周しています。
実は三重大学の立花美裕先生の研究グループが今年の5月に発表した論文のご紹介です。
アフリカのサヘル地域というところがあります。その地域で大雨が降ると日本は猛暑になるという関係を明らかにしたのです。
サヘル地域は北側がサハラ砂漠、南側は熱帯雨林、そこに挟まれた地域で雨季と乾季がはっきりしているサバナ気候。
これまでヨーロッパの研究者が中心になり、サヘル地域の雨の増減について、その原因を解明する研究がなされていたそうです。
日本の異常気象に関してはエルニーニョ現象などとの関係を調べる研究や熱帯の海洋との関係を調べる研究が盛んに行われています。
その様な中で日本から遠く離れた熱帯陸上の雨雲と日本の異常気象が関係していることを発見したということ。
簡単に教えていただいたのですが、サヘル地域の雨期に発生する雲が偏西風に影響を与え、その影響が日本まで伝搬してくるというものなのです。
サヘル地域では6~9月に雨季になり大量の雨が降ります。サヘル地域という広い地域の上空を雲が覆うわけです。
この広域で発生する雲がアフリカ北部上空の高気圧を強め、さらにこの高気圧がヨーロッパ上空に吹く偏西風を蛇行させ、
その蛇行がヨーロッパからの偏西風の流れの下流となる東アジアや日本まで続き、蛇行に伴い日本上空の高気圧を強め
日本の天候に影響を及ぼすということがわかったのです。
ですからサヘル地域で雨雲が発達すればするほど日本上空の高気圧が張り出し、猛暑になりやすいと結論づけているそうです。
過去39年分の観測値の分析と数値シミュレーションによって明らかにしたとのこと。どこに切り口を持っていくか・・・。その重要性を教えていただいた感じがします。
※なお、写真は中山雅茂氏にお借りした資料です。

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