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ヒグマのこと(坂本 和之編) [varied experts]

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北海道新聞報道部長のお話し。今回はヒグマ問題。4月10日、厚岸町の山林で山菜採りをしていた釧路市内の男性がヒグマに襲われ亡くなった事故がありました。
この男性はギョウジャニンニクを採りに行っていたそうですがクマ避けのために鈴やラジオを持っていたそうですが、それでも襲われてしまいました。
基本的にはクマは臆病な動物なので、そこに人間がいるとわかるとクマの方が逃げるもの。
なぜ今回はクマは逃げずに人間を襲ったのか?事故の現場はもともとヒグマが多く生息していて、地元では「クマの通り道」と呼ばれていたそうです。
後でわかったそうですが、近くにはクマの巣とみられる穴があり、子グマの死骸が残っていたそう。つまり襲ってきたのは母グマで、死んだ子グマを守ろうとして人間を襲ったのでは?と専門家は見ているとのこと。その場合、鈴やラジオ等ではクマ避けの効果はなかなか期待できないこともあるそうです。
ギョウジャニンニクに限らず山菜採りをする方たちは、見つけると夢中になるので、近くにクマがいてもなかなか気づかないということも。
道内でクマに襲われて人が亡くなった事故は2017年10月に白糠町でキノコ採りをしていた男性が襲われて以来。
道の自然環境課によると1989年から2021年1月までクマに襲われて人が被害を受けた事故は43件。そのうち4割にあたる17件が春の4~5月に発生しているそうです。
問題は、クマの側が「人間は怖い」という意識を持たなくなってきている場合。
クマが市街地に出てゴミをあさったり、人間が餌を与えたりすると、クマが人間に執着を持ってしまう。怖い存在ではなくなるということ。
キャンプに行ってゴミを散らかしてきたり、狩猟で撃った動物の死体を処理しなかったりすると、人間のそばに行くと食べ物があると思ってしまうのです。
これは決してクマが悪い訳ではないですよね。人間側がしっかりと対応していないからこういうことが起きてしまうのです。
ヒグマに限らず全ての野生生物と共生・共存できるように、私たち人間が細心の注意を払って行かなくてはならない問題だと思います。

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