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塩水くさびって?!(満澤 巨彦編) [varied experts]

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今回は学生時代に調査研究なさった塩水くさびというものについて。これって一体何?というお話しから。
簡単にいうと「くさび」とはドアのストッパーもくさびの一種。塩水くさびはしおみずの楔のこと。
海水は塩水なので、淡水の河川水よりも密度が高いわけです。つまり、川の水より海水の方が重いので、河川の河口付近で、河川水より密度の高い海水(塩水)が、
河川水の下側に上流に向かって楔の様に侵入する現象のことをいうのです。
北海道では石狩川や天塩川で見ることができるそう。この川では河口から20km以上上流まで川底に海水が侵入すると。
昭和の頃、石狩平野で農業用水を石狩川の川底から取水して塩害が発生したことから調査が進んだそうです。
塩水くさびができる条件は、河川の勾配が緩やかで、海面よりも河底が低いこと。さらに、潮汐(潮の干満)が影響するそう。
干満の差が小さいほど安定した塩水くさびが形成され、干満の差が大きいと海水と河川水が混ざってしまい、綺麗な塩水くさびは形成されないのです。
とうことで、太平洋側では干満の差が日本海側に比べ激しいので、なかなか形成されることは難しいのかもしれません。
「今回塩水くさびのことを振り返って思ったのですが、普段身近に見ている川についても、水があることで川の中は見えないので、
川底に海水があるなんて調べてみないとわかりません。
見えないものを見るという点では、宇宙よりずっと近くにある海の中、特に深海の調査と通じる部分があったんだなと思いました。」
※尚、写真は満澤巨彦氏からお借りしました。

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