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2021.0623 O.A 北海道がんセンター 血液内科 高橋文彦氏 [close to you <dr.編>]

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釧路を離れて7年。現在は、北海道がんセンターで血液の病気の診療をなさっています。悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、白血病といった血液ガンの診療がメイン。
この20年位で従来の抗がん剤とは異なる分子標的治療薬、抗体薬、CAR-T療法といった免疫療法等の新薬が多数登場し、治療成績が向上している分野があるそう。
ただ、全ての患者さんに行えるのではなく、またそれらの治療を行っても治療が難しい症例は沢山あるそうです。最近はコロナ禍での影響で、検診に限らず、医療機関の受診を控える事が起きていると。「病院では基本的に紹介患者さんの診療にあたっていますが、その紹介数が明らかに減少しています。これは初療を行う開業医やクリニックへの受診が減少している証だと思いますね。だからといってコロナ禍で、ガンの発症率が大幅に変化するのは考えにくく、そう考えるとこれまでよりも進行した状態で受診されるケースが増えてしまうし、実際にその様なケースが増えているんですよ。」ですから自分の行動について、リスクとベネフィットを考えてもらいたいとおっしゃっていました。医療機関を受診することによる新型コロナウイルスに感染するリスクと、受診を控えるリスクを考え、適切な判断をする事が大事。その為にはきちんとした情報を収集し、自身で考えなくてはならないということです。どうしても私たちは自分に都合の良い情報を耳に入れがち・・なのかもしれません。
「早くコロナ禍が収束して、みんなで集まりたいですね。現状はワクチン接種が滞りなく進んでくれることを切に望んでいます。」
そんな先生、現在は家で音楽をじっくりと聴く時間が増えたそうです。最近の曲から昔よく聴いていた曲まで、気の向くままに聴くのが心地よいと・・。
医師になって24年。だいぶ変化はあったそうです。「医療に関していえば、病気は医師が治すなんてことはとてもおこがましく、許される状況下でできることをした上で、病気が治るか治らないかということなのかな、と考えるようになりました。人事を尽くして天命を待つといった感じでしょうか。」
最後に今思う医師の理想像を伺いました。病気は医療者側が治す、治さないではなくて、結果として治るか治らないかというものだと思っていると。
患者になった方のこれから先の人生をどう送ってもらうかの手助けをするのが仕事。究極的には患者さんと対等であることが理想ですと教えてくださいました。
※なお、写真は高橋文彦氏からお借りしました。

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