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地磁気のずれ(中山 雅茂編) [fun science]

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前回オーロラのお話しで出た地磁気。今回はその地磁気について。この言葉を聞いて何を思い浮かべますか?「方位磁針」という方が多いのでしょうか?
磁石の性質を利用して方位を調べる歴史を紐解くと、紀元前500~200年頃の中国にさかのぼるそう。そは、丸型のケースの中で磁力を帯びた針がクルクル回るものではなく、ラーメンを食べる時に使うレンゲのような形をした物と、四角い銅製の板のセット。正方形の銅板の中央に丸い円があり、それを囲む様に文字(子丑寅・・)が等間隔で書かれています。スプーンを銅板の上で回すとクルクルクルっと回転して、回転が止まった時に示す方向が南というように、使っていたそうです。このスプーンの形をしたものを司南(しなん)、現代の表現だと指南となるわけです。最初は、北ではなく、南を示す道具だったというのは驚きです。実際に正確な南をさしていたのでしょうか?「スプーンの様な形で、結構な大きさですから、難しいでしょうね。」と中山氏。
唐の時代の最後の頃、9世紀後半から終わり頃の文献に「磁石の針は軽くまっすぐで、その指し示す方向は正しくなければならないが、やや偏っている・・・」という記載があるとのこと。この「偏っている」という部分ですが、これは「偏角」のことを示していると思われるそう。8〜9世紀頃の中国ではすでに地球の磁力を利用して示される方位磁針の北は、地理的な北とは少しずれるという「偏角」のことを発見していたということですね。ヨーロッパで偏角が知られる様になったのは15世紀頃と言われているそうですから。「まさに地球観測ですよね。」その偏角って?地図上の北(真北)と方位磁針の北(磁北)のわずかなずれ。日本では磁北が真北より西側をさします。釧路で方位磁針を使うと、真北より約8度位西側を指し、沖縄の那覇では5度位、稚内では10位のずれになります。
この偏角ですが、変化していて、伊能忠敬が日本列島の精密な地図を作製した200年前は、ほぼ偏角は0度だったそうです。
地球の地磁気ですが、地球の中心の核の中で発生していると考えられているそう。地球の中心で核と呼ばれる所も、内核と呼ぶ中心部分は固体で、その周りの外核と呼ぶ部分は液体でできていると考えられています。外核がどろどろと流れ、それにより電流が発生し、電流が発生することで磁場も生まれると考えられています。ただ、電磁石を作った時の様な電線ではないので、複雑な流体の流れにより生まれる電流と磁場とが互いに影響を及ぼし合い、現在でも研究が行われている世界との事でした。
※なお、写真は中山雅茂氏にお借りしました。

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