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2022.0105 O.A 杉元内科医院 院長 杉元重治氏 [close to you <dr.編>]

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今回は生活習慣病にまつわる色々です。まずは脂肪肝について。検診などで言われることが多いのですが、これは一体どういう状態の事なのでしょう。
肝臓は色々機能があり、タンパクを合成したり、栄養を貯めたり、解毒したり。その中の貯めるということの中に糖(グリコーゲン)や脂肪分、アミノ酸という
3大要素があり、その脂肪が過剰に肝臓の細胞に取り込まれ、ぎゅうぎゅうになっているのが脂肪肝。
摂取するカロリーと消費するカロリーとのバランスの問題、食べるものの中に脂肪分だけではなく甘いもの等の糖質が吸収され貯められるときに脂肪に変換され貯まっていく事もあるそう。女性はホルモンのバランス等の問題でも貯まりやすいそうです。インアウト、入れる方と出す方のバランスを逆にしてあげると良いと。
他には高血圧。もちろん体質、年齢、ホルモンバランス等の問題がありますが、大多数は年齢とともに上がってくるそう。
そんな中で塩分摂取、これは切ってもきれない関係にあるとおっしゃっていました。
そして脂質異常。中性脂肪の多い食事、油っぽい食事をとることが多い方に多かったり、運動不足でそれが使われずに血管の中に残ってしまう。
それがさらに蓄積されると肝臓皮下脂肪、内臓脂肪に蓄積するというのが脂質異常症。コレステロールの値が高いというのは、特に悪玉コレステロール(LDL)の値が高いと、体の中の血管に沈着して動脈硬化につながるので、悪玉と言われているのです。LDLの数値が高い状態が続くとそうなってしまうので、それを高くしない様に食事療法や運動療法を行うのですが、それだけで足りない方は薬に頼らざるを得ないのです。薬物療法というのは一つの手段としてはあるのですが、全てではないと。
そんな中、メタボリック症候群の根幹、割とメインにくる高血糖状態、糖尿病に画期的な薬が出たそうで、治療戦略が変わってきているとおっしゃっていました。
まず、SGLT2阻害薬。簡単にいうと、尿に糖を捨ててしまう。糖尿病の治療はほとんど膵臓から出るインスリンというホルモンを強く出させるとか、そのききを良くするという方法がずっとなされてきました。この薬は糖を再吸収する機構を止めてしまう、再吸収しないで捨ててしまうという薬。
これは糖尿病の治療薬でありながら、最近は心不全にも適応が通り、また脂肪肝にも効果があると言われているそう。
メタボリック症候群の全体にきく薬ではないかと期待されていると。さらに、GLP-1作動薬。今までは注射しかなかったそうですが、それが飲み薬として登場。
これは簡単にいうと、体の中の消化管とかで糖を吸収したりする機構があるのですが、そこのホルモンをブロックしたり、調整したり。極端にいうと食欲が少し落ちる。糖を摂取しようという行動は抑えることができるので摂取カロリーが減るので糖尿病に効くだろうと言われているそうです。
糖尿病治療だけではなく、メタボリック症候群全体にも効果がありそうということで今後治療戦略が変わってくるのかもしれません。

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