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やっとキタサンショウウオを守れる?(照井 滋晴編) [nature treasure]

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「キタサンショウウオなど規制開始 販売目的の捕獲に罰則」とタイトルで新聞に掲載された記事。
これは、2022年1月24日「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(通称、種の保存法)という法律の一部改正に伴い
「特定第2種国内希少野生生物種」というカテゴリーにキタサンショウウオが指定されたというものでした。
このカテゴリーは、指定された動植物を販売目的での捕獲、売買、譲渡などをすることを法律で禁止するというものです。
ちなみに「特定第2種」という言葉が付かない国内希少野生動植物種の場合は、販売目的かどうかは関係なく、捕獲も禁止されているそうです。
今回、キタサンショウウオは「特定第2種」のカテゴリーに入ったため、販売目的の捕獲が禁止されました。
ただ、 釧路市や標茶町では、天然記念物に指定されているため、もともと許可なく捕獲することはできなかったのです。
しかし、天然記念物指定の元となる条例には罰則規定がなかったので、最悪捕獲して売ろうという人がいても、罰則がない分あまり効果をなしていない感じだったと。
そのため、キタサンショウウオの保全活動をする地方自治体も研究者も、生息地を具体的に明らかにすることができていなかったそう。
生息地を明かさないでいるとどの様な事がおこるのか?天然記念物がいるという情報がない場合、いないものとして、生息地が開発されてしまうことがあるのです。
最近、湿原のいたるところに太陽光発電所が建設されていますが、その建設地の中にはキタサンショウウオの生息地も多数ありました。
今回、キタサンショウウオが「特定第2種」に指定されたことで、生息地を明かす事で生じる可能性のある販売目的の乱獲という事態を
罰則(5年以下の懲役、または500万円以下の罰金)のある法律で防ぐことができるようになったのです。
そのため、生息地をある程度オープンにしながら保全対策を講じることができるようになったとも言えます。
そもそもサンショウウオ、販売して売れるのでしょうか?日本国内には40種を超えるサンショウウオが生息していて、その多くが絶滅危惧種に選定されています。
ただ、捕獲する事が法的に問題のない種はほぼすべて販売ルートにのってしまうそう。 サンショウウオという生き物は実は人気があるのです。
北海道に広く分布するエゾサンショウウオも販売されており、北海道の色々な場所で捕獲された卵や幼生、成体が販売され日本全国に送られていっているそうです。
最近では、サンショウウオ以外でも多くの野生生物が捕獲され、販売されており、その市場はどんどん大きくなってきているように感じると照井氏。
その様な状況だからこそ、キタサンショウウオが指定された「特定第2種」というカテゴリーが必要になるということなのです。
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。

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