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能のQ&A~02(中西 紗織編) [varied experts]

能安宅.JPG 能謡本.jpg
子方源義経(能船弁慶).jpg 後見(能三井寺).jpg
今回は能にまつわるQ&Aの第2弾をお送りします。
・能の声って独特。どうやって出すの?
〜腹式呼吸で腹筋や横隔膜を使い声を出す。体全体に響かせた、どっしりとした安定感のある声。
能の発声は、体の重心は下の方、おへその少し下辺りの丹田というところにあると言われている。
「下につく声」「息を下につけて出す声」という言い方で表される。
・能はなぜあの様な歩き方をするの?
〜摺り足と呼ばれるもの。能のシテは多くの場合、オモテをかけて演じる。できる限り上半身を動かさずに演じる。よって摺り足。
歩行芸術とも言われる能の美しい身体表現を可能にしている方法。
・子供が大人の役を演じるのはなぜ?
〜能では子役のことを子方と呼ぶ。主に3つの理由がある。
1)シテ中心主義。2)できるだけ人間のリアルな関係や感情を出さないため。3)子方が登場する能がつくられた時に子方の名手がいたから。
そして少年を愛でるという考え方があったから。儚い存在を表現するために役柄上は大人であっても子供が演じるということもある。
声変わり前の少年、または女の子が子方を演じることも。子方の一声で場面の空気がガラッと変わるという効果もある。
・後見って何をする人なの?
〜本舞台に向かい左端の囃子方の後ろ、鏡板の前に二人座っているのが後見。シテの装束を直したり、シテの持ち物をかえたり、道具の出し入れを手伝ったりする。
さらに重要な役割は、万一シテが舞台上で倒れた時等の緊急事態に代役をつとめること。決して能の舞台は中断することがない。

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