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カムチャツカのこと(笹森 琴絵編) [nature treasure]

①アトラソフ(阿頼度)島 アライド山  笹森.jpg②アンティフェロフ島 志林規シリンキ島のトドの群れ 笹森.jpg
③ルースカヤフィヨルドのシャチ 笹森.jpg ロシア北東部にあるカムチャツカは、ユーラシア大陸北東部から北海道の方向へ南西に突き出た半島。
北太平洋とオホーツク海とベーリング海に挟まれた北方四島から北の北千島諸島より北部の紡錘形の半島。
亜寒帯気候からツンドラ気候。オホーツク海側である西側は流氷がべたっと張り付き常に凍った状態。
一方、東側の太平洋は、流氷が比較的少なく、温暖な海です。
日本列島と同様、環太平洋火山帯に属し,約30の活火山を含む約300の火山が存在します。
ですから、日本人の大好きな温泉もたくさん。
未開発の自然が多く、半島北部は永久凍土に覆われています。
「とにかく世界遺産登録されている火山群の織り成す景色は、できすぎと思えるほどの美しさです。
陸の豊かな動物相や植物相は北方四島やかつての北海道と通じるものがあり、
カムチャツカ川等、多くの河川を介して陸の栄養がもたらされるオホーツク海もやはり圧倒的な豊かさ。
実際に、主要産業は漁業・水産加工業ということからもわかりますよね。」
自然や動物に興味がある人たちが世界中から訪れるそうで、中でも日本人が大変多いそう。
アラスカやカムチャツカというと星野道夫さんを思い出す方が多いと思ういますが、彼がなくなったことでも、日本人にとっては特別な土地です。
カムチャツカ半島東部沿岸にあるアバチャ湾は、シャチを初めとする鯨類の宝庫。
笹森氏の古い友人で、世界のウォッチング活動に通じるカナダ出身のエリック・ホイト氏が立ち上げたチームがアバチャ湾の鯨類情報を随時発信しているそうです。
全身ほぼ真っ白のオスシャチ、アイスバーグ(氷山の意味)を2010年に発見し世界に発信したのもこのチームなのです。
北海道と北方四島、カムチャツカの海は連続性のある位置関係。彼らとの情報交換でシャチや回遊性の鯨類の動向・温暖化等がもたらす動向変化も見えてくるそうです。
笹森氏は、某船会社が2014年と2015年に組んだカムチャツカへの船ツアーに同行し、船内でカムチャツカの自然や動物のレクチャー、
鯨を探しては乗船者に情報提供やガイドをしたそうです。北千島列島沿いに北上し、カムチャツカのアバチャ湾へ。
そこは、万年雪を頂く山々、入り組んだフィヨルドを背景にみる鯨たちの勇壮さがより際立っていたとおっしゃっていました。
いずれも6月、7月の航海で、船体しか見えないほどの濃霧に泣かされたそうですが、それでもシャチやミンク、ツチ、ザトウ、マッコウ、カマ、イシ、ネズミ、
トドやエトピ、ラッコ、ケイマフリ・・・次から次へと現れて、結果としては期待以上の種と頭数を観察できたと。
乗船者をみていて思ったのは「みんな鯨を見たいんだな」ということ。
「ピンポンパンポ~ン。只今左前方にシャチがでています」等と船内放送すると、乗船者がわ~っとデッキにあふれ出て、シャチを見ようとあちこち大移動。
船長が「これだけの人が一斉に片側によると、さすがにこの船でも傾くな」と笑うほどの熱狂ぶりだったそうです。
昨年秋に北海道東部太平洋側沿岸に大打撃をもたらした赤潮には、低水温に耐性の強いプランクトンが含まれていましたが、これは前年にカムチャツカ沿岸で大発生し、
海生生物を死滅させたプランクトンと同じ種とされています。「親潮でつながる北海道東部から太平洋沿岸の海洋生態系を語るには、北千島からカムチャツカに至る海も
併せて観察することが欠かせないのです。特に親潮が洗っていく釧路沿岸では・・・。」と笹森氏。確かに海は世界に一つ、世界中繋がっているのです。
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/0LDsRuAqvEThRJu5udUucP

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