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海外の食べ物・・・(黒田 理編) [varied experts]

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海外の食べ物、まずは豆の話から。エジプト・カイロでは豆はとても大切な食べ物。色々な料理に使われます。一般的には茶色っぽい豆の煮物のこと。少しだけ塩辛い味。
「豆というとまずこの煮豆がうかびます。これをアエーシと呼ぶパンに挟んで食べます。ピタパンというのでしょうか、あのパンに似ています。直径20cmくらいの丸形。
ぺったりと薄く、あまりふくらんだ感じはありません。袋のように中が空洞になっていて、ここにフールや野菜を入れてサンドイッチのようにして食べます。」
サンドイッチの中身でもうひとつ典型的なのが、ターメーヤという食べ物。日本のコロッケに似ているそう。豆、空豆をつぶしたものを油で揚げてあり、大きさはゴルフボール位。これをつぶして、やはりアエーシにはさんで食べるそうです。
豆の煮物、フールをはさむパン、アエーシは「生きる」という意味があるとのこと。とても直接的で、でもそれだけ大事な主食であることを意味しているような気が・・と黒田氏。この「生きる」のに不可欠なアエーシを庶民も安い値段で買えるように政府もお金を出して補助しているそう。
そのおかげで国民の大多数を占める貧困層の人は、最近の新聞によると、アエーシ20枚を7円程度で買えるとか。しかし、最近は原料の小麦がロシアによるウクライナ侵攻で値上がりしている為、この価格を維持するのも大変な様。エジプトは小麦の国内消費の7割近くを輸入に頼り、うち8割がウクライナ産とロシア産が占めているそう。
続いてケバブ。羊肉の串焼き等の肉料理は結構、どの地域でも同じようにあるそうです。呼び名は違っても、色々な国で似た料理があります。日本でケバブというと、肉の塊を回転させながらそぎ落とすドネルケバブがよく知られていますが、他にもバリエーションが多くあるそう。串焼きみたいなものがエジプトでは一般的。
その仲間の挽肉を使ったコフタというハンバーグの様な料理も色々な所でみられ、イラクではこれをケバブと言ったりするとの事。
でも、基本的にはそれぞれの国、あるいはその中の地域で料理は違ってきます。中東地域で高級料理と言われているのはレバノンだと言われているそう。レバノン料理は、よく美食の国という言われ方をするそう。でも、どこの料理もそれぞれに私はおいしかったと黒田氏。
「やはり思い出深いのは家庭に招かれて食べたマンサフ。ガザといういつも戦火にさらされている地域に行った時も、仲良くなった人が自宅でマンサフを食べさせてくれました。細かい味や料理の中身は忘れても、彼らとの楽しかったひとときはいつまでも心に残っています。
一方で、敵対するイスラエルの人の取材もしますが、イスラエルの人にもしばしば自宅に呼ばれて夕食をごちそうになった事があります。料理の中身までは忘れて
しまいましたが、その家の奥さんが若い頃、バックパッカーとして札幌まで来たことがあるという話をしてくれ、大変盛り上がりました。料理のメニューは違っても、
親しくなると自宅に招き、親切にしてくれるのはどこの国でも一緒のような気がします。私はパレスチナとイスラエル、文字通り血で血を洗う争いをして敵対する双方の
家庭で親切にされているので、どうして両方が憎しみあわなければいけないのかとやりきれない思いになります。」

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