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地震による地面のずれの観測(中山 雅茂編) [fun science]

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2月6日にトルコ南部で大きな地震がありました。最初に、マグニチュード7.8の地震があり、約9時間後に約100km離れた場所でマグニチュード7.5の地震と続き、
大きな被害を受けました。(マグニチュード:地震自体のエネルギーの大きさ、震度:それぞれの観測地点ごとで得られる揺れの大きさ。)
このような大きな地震が発生した場合、地殻変動といいますが、地球の表面の層、地殻が急激に動くことがあります。
今回のトルコ南部での大地震でも、速報値として、日本の国土地理院が「最大で2mを超える変動が見られる」と発表しています。
どの様に計測しているか・・・日本の地球観測衛星「だいち2号」という衛星に搭載された合成開口レーダーというセンサーで得られたデータを解析しているそう。
人工衛星から地球の表面に向けて電波を発射し、地球の表面にあたって人工衛星に向かって帰ってくる電波を観測することで、対象物の性質や距離を測定するレーダー技術を応用した方法。地震が起きる前の地球表面の状態を観測したデータと、地震が起きた後のデータを比較することによって、どの位地震が起きた地域の地面が動いたかを
知ることができるという事なのです。参考:https://www.gsi.go.jp/cais/topic20230206_Turkey.html
国土地理院では今回の分析結果をWEBでも公開しています。
その画像を見るとすでに把握されている活断層に沿って、プラス・マイナス2mずれていることがわかると中山氏。
トルコでの地震ですが、マスコミの報道を見ていると「震源付近 地表4mずれ」という言い方がされています。
「衛星データによる分析画像を詳しく見ると断層を挟んで、北側では西に2m、南側ではそれとは逆の方向に2mずれていることから、あわせて4mという表現になっているのだと思うんですよ。」『それぞれ2m』という表現よりも、『最大4m』という表現のほうがインパクトがあるのかもしれません。
今回、地震が発生した地域では、100mくらいの断層が東西方向(地図に書くと横線)に断層が走っています。
その線の上のエリア・北側では西の方向に2mくらい地殻が動いていて、その線の下のエリア・南側では東の方向に2mくらい動いたという分析結果なのです。
ですから、この断層の境界面では合わせて4mという表現になっているのではと・・・と中山氏。
「どこに視点を置くかという事なのでしょう。科学的な分析結果をどのように表現しているかという視点で見ると、他にも新しい発見があるかもしれませんね。」

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