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地球環境と太陽(中山 雅茂編) [fun science]

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「地球環境と太陽について考えてみようと思ったきっかけは、この夏の暑さ。そういえば、太陽の黒点が少ない状態が続くと、地球は寒くなる、、、というようなことを以前聞いたことがあると思い・・・。」
まず、太陽の表面には黒点があります。この黒点の数ですが、数年おきに増えたり減ったりすることが観測結果からわかっています。この黒点の数が増えたり減ったりする周期ですが、おおよそ11年。望遠鏡を使って太陽黒点の観測が始まったのは、17世紀(1601~1700)の初めで、イギリスの天文学者 エドワード・ウォルター・モーンダー(Edward Walter Maunder)が、自分の観測結果などからこの太陽黒点の11年周期を発表(1904年)しました。さらに、天文台に残されていた観測資料から1645年~1715年の間の約70年間、黒点が少なく太陽活動が低くなった時代があることを論文で発表(1894・1922年)したそうです。当時、この論文は注目されなかったそうですが、1970年代に注目され、このような黒点の少ない時代を「マウンダー極小期」と呼ぶようになったのです。その後、1800年~1824年頃にも黒点の数が減る時期があり「ダルトン極小期」と呼ばれているそう。そして、研究が進み、樹木の年輪中の宇宙線生成核種(宇宙線が地球大気中に進入したときに生成する核種)を調べることで、1416年~1534年の約120年(シュペーラー極小期)にも同じような現象があったと考えられていると中山氏。
この様に、目に見える形として太陽黒点に注目した観測をきっかけに、太陽の活動に周期があることがわかっているそうです。太陽には11年の周期と、〇〇極小期のように、もっと長期の周期があると研究者はとらえていると・・・。
ちょうど、ヨーロッパで氷河が拡大したことが特徴一つの小氷期とマウンダー極小期やダルトン極小期が同じ時期で、太陽の活動が地球の気候に影響を与えていると考える研究があるそう。マウンダー極小期の時には、ロンドンのテムズ川が凍った記録も残っていて、ヨーロッパがとても寒い時期だったことが想像されます。
一方で、太陽の11年周期と地球の気候変動の関係性については、地球の大気がもつ複雑な仕組みに対して、まだまだ世界中で研究が行われているという段階。

まだまだ未解明な領域のようです。
「太陽の周期をもとにすると、最近の話と言っていいと思いますが、2020年に、<地球が氷期突入では>と考えるレポートが出されたりしています。2019年の太陽黒点の観測結果から、この年は黒点が発生しない期間が長かったことで、もしかすると、極小期の始まりでは、と考える方もいたようです。その後の継続的な観測によって、太陽活動周期として、2019年終わりから新しい周期に入ったと報告されています。」
2022年の太陽活動のレポートでは、2022年の1年間で黒点がなかった日は1日のみ。太陽の活動度が上がってきていて、現在は活動ピークに向かっているそうです。

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