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海氷実験タンクが屋上から(中山 雅茂編) [fun science]

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海氷実験タンクについて。2019年3月の放送で北海道教育大学釧路校の屋上に設置した初代・海氷実験タンクをご紹介。5年ぶりに大学にお邪魔しました。
でも今回は、地上です。昨年の夏に屋上にあった海氷実験タンクを地上に移設・新設なさったと。
屋外で冬に、プールに海水を入れて凍らせる実験を釧路で始めたのは2015年2月。毎年、中山氏の研究仲間と一緒に大工仕事、DIYで少しずつ作りました。まずは外壁を作り、翌年には簡易的な屋根を作り、5年前に、ほぼこの実験タンクが完成。陸上の屋外で、氷の厚さを48.5cmまで成長させることに成功し、翌年も54cmまで成長させた氷のデータを取ることができたそうです。
その後、海氷タンクの屋根の部分に冷却器が入っているのですが、その冷却器の故障や新型コロナで研究仲間が釧路に来られないなど大変な時期があったのです。ですが、研究の世界は止まることはなく、2022年10月に国際的な学術雑誌に各国で行われている海氷実験をまとめた論文が紹介されました。
世界中で室内や屋外で、海水を凍らせて実験していることがあらためて分かったと中山氏。論文を書かれて方は、海水を入れる容器の写真も紹介され、著者として一番最初の方は、Benjamin Hallさんという方。所属はケープタウン大学化学工学部???ケープタウン。南アフリカです。アフリカ大陸のほぼ南端にある大学で南緯34度。こんなに暖かいところの大学で海氷の研究を?と思ったそうですが、同じ緯度で北緯34度ってどのあたり?と思い調べてみると、和歌山とか山口県あたり。「ちょうど今、私が山口大学の先生も含めて海氷の研究を行っているので、そんなに珍しいことではないかもと思いました。」ケープタウン大学には、Marine and Antarctic Research Centre for Innovation and Sustainability、イノベーションと持続可能性のための海洋南極研究センターという部署があり、海氷の研究も行われていることを初めて知ったとおっしゃっていました。
「この論文を拝見して、ここ、釧路で行っている実験タンクの研究も結構いいことやってるのかも・・・と思い、昨年の5月から論文としてまとめることを行ってきました。3度ほど書き直しするなど、論文として受理されるまで時間がかかりましたが、この1月に受理されたんです。」嬉しそうに語っていただきました。
※参考論文:http://dx.doi.org/10.1017/jog.2022.115
“Review of the design considerations for the laboratory growth of sea ice”
・収録後日、中山氏からメールが届きました。<海氷タンク>の論文が受理され、公開されたとのこと。次のリンクをぜひクリックしてご覧くださいね。
https://doi.org/10.1017/jog.2024.6

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