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父島二見港での珍事件(満澤 巨彦編) [varied experts]

写真1:しらせr.jpg 写真2:しらせ外板r.jpg
写真3:父島に上陸後撮影したなつしま.jpg写真4:「かいよう」の連絡船.jpg
80年代は有人潜水船<しんかい2000>や曳航式の深海探査システム ディープトゥで本州の約100km南、小笠原諸島海域で海底熱水活動を見つける等を目的に、地形や地質調査を精力的に行っていた満澤氏。小笠原海域での調査では、台風が南の方で発生するとこの海域には大きなうねりが南から入ってくるため、天気はそれほど悪くなくても調査ができなくなることがあるそう。そこで東京湾まで逃げることも何回かあったと満澤氏。<しんかい2000>支援母船の<なつしま>は船の速度が遅く10ノット程度、普通の自転車で少し早めに走る位。<なつしま>では小笠原父島の二見港によく避泊したそうです。岸壁に着岸はせず港内にアンカーを打って避泊。
「この時は、チョッサーの提案で急遽、操練、いわゆる船の避難訓練をやることになりました。火災が発生したことを想定して訓練、最後に救命艇による避難ということで、搭載していた救命艇2隻にそれぞれ10名位分乗して実際に海に降ろして動かすことまでしました。1隻はエンジン付き、1隻はエンジンがついていないので、手漕ぎの救命艇。私は漕ぐのは嫌だったので、エンジン付きの方に乗船。手漕ぎの救命艇は「なつしま」から離れないようにすぐ近くを周っていましたが、エンジン付きの方は快適で港内を遊覧していたのですが、母船からかなり離れたところで急にエンジンが止まってしまいました。この救命艇はチョッサーが艇長、チョッサーがエンジンの修理を試みたのですが、修復することはできませんでした。この間、<なつしま>の周りにいたもう一方の救命艇はすでに<なつしま>に収揚され、修理を断念したチョッサーの判断で船に備えられていたオールを使って戻ることになりました。チョッサーはもと商船大のカッター部だったので、経験無い者に漕ぎ方の指導をしつつ、交代して漕ぎました。私もオールをまかされて漕いだのですが、初めてのことですぐに疲れて力がはいらなくなったことを覚えています。」
翌日も避泊。少し曇っていたそうですが穏やかだったので、父島上陸のための連絡便をだすことに・・。父島には海底で溶岩が噴き出す時に形成される『枕状溶岩』と呼ばれる溶岩のきれいな露頭があるので、それを見に行く事と買物が目的で上陸組に入れてもらったそうです。朝1番の連絡便に乗船。作業艇は、甲板長、ボースンと操機長、ナンバンで操縦し、チョッサーも上陸組で乗船し10名ほど乗っていたそうです。「父島への初めての上陸ということでワクワク感がありましたが、なんと、母船と桟橋の丁度中間付近で急にエンジンが止まってしまい動かなくなってしまいました。昨日は救命艇で、この時は作業艇。距離にすると<なつしま>から7〜800mぐらいだったかと思います。機関部のナンバンが作業艇のエンジンを直そうとして頑張ったのですがなかなか復旧しませんでした。記憶では、緊急用のオールで濃いで戻ろうとしたのですが、本来は複数本あるべきオールがなかったか、確か1本しかなく、さすがに1本では無理となったような気がします。」
前日の操練の時もそうでしたが、<なつしま>の甲板上にたくさんの人が出てこちらを見ている様子を、同じく避泊していた巡視船<うらが>でも見ていたようで、<うらが>から作業艇が降ろされ、その作業艇が近づいてきて「訓練ですかー」と声をかけてくれたそうです。すかさずチョッサーが「本船エンジンが故障して自航できないので、母船まで曳航してもらえませんか」と返事。<うらが>の作業艇も期待通りの回答だったようで、すぐに母船まで曳航してくれたとおっしゃっていました。
「曳航されている間に、チョッサーが、『三本線着ていなくて良かった』という事と、『この後、事情聴取をうけることになるかもしれない』と心配していました。三本線というのはチョッサーの制服の肩についている金線の数で、制服を着ていなくて良かったということです。無事に、母船まで曳航され、その後事情聴取うけるのかと心配していましたが、そのようなことはありませんでした。」
〜後日談〜
当時、<しんかい2000>の運航のトップになる司令は、海上保安庁出身、この時の<うらが>の作業艇の操縦者が<しんかい2000>司令のもと部下だったそう。当時の<なつしま>乗船者には苦い思い出として記憶に残っているそうです。ただ、外洋でこのような問題が起きると珍事件ではすまない事もあるので、日頃の点検や操練は重要だと再認識する良い機会にもなったのです。<なつしま>は2016年に引退、民間に引き取られしばらくは民間の調査船として活躍、2年ほど前に解体。
※尚、写真は JAMSTEC 満澤巨彦氏からお借りしました。
・写真上(左):「しらせ」横浜港での一般公開2024/4/14撮影
・写真上(右):「しらせ」航海後の外板 2024/04/14撮影・・・海氷に接する部分の塗装がはがれ部分的にステンレスクラッド鋼がパッチ状に。
        灰色は下塗りの塗装、まだらになっている部分がステンレスクラッド鋼。なお、安全上の制約から警備の自衛官の方が撮影。
・写真下(左):父島二見港内の「なつしま」1987/6撮影
・写真下(右):海洋調査船「かいよう」の連絡船、エンジン付きの「なつしま」の救命艇もこんな感じ。1987/4撮影

2024.0517 O.A「台風シーズンそろそろ・・・」 [varied stories]

那良伊功さん(南の美ら花 ホテルミヤヒラ 取締役統括部長)
https://www.miyahira.co.jp/company/

今回は久々の登場です。やっと火事の後始末等々落ち着いた感じだそうです。3~4ヶ月で50%が復活したとおっしゃっていました。「皆さんのおかげですよ。本当に。電気がとおり、タオルを清掃するところが復活したり・・・短期間でだいぶ稼動するようになったんです。」
今年は何んとなく雨が多い感じと那良伊氏。「まるで梅雨みたいな感じですよ。だからそろそろ台風シーズンも近いのかな?」と。
その台風、1号とか2号とか3号とか最初の頃は大したことはないとか。それが5号とかになると島に影響が出ることが多いそうです。
その対策は天気予報を見ながら、足のはやさ・風速を等を見ながら、色々と決めるそう。島に入っている進路により対策は違うみたい。
「石垣島の右から入ってくる、いわゆる沖縄本島から宮古島を抜けて入ってくるような台風だとか、台湾のところから上がってくるのだとか、入り方で対策の仕方が違うんですよ。我々的な感じですけどね。」
一番危険なのは、フィリピンの方から上がってきて、台湾から進行方向右に向けて石垣島に向かってくる、台風の目から右の方に入ってくるのが危険なのだとおっしゃっていました。そのような時は風が非常に強く風速60mとか70mとか。「風速70mは結構我々でもキツイですね。簡単に車が吹き飛ぶというか・・・買って5日目くらいの新車がくの字型に曲がったことがあります。」台風が来るとヤドカリのように家にこもってやり過ごすそう。この台風、2泊3日くらいが多いそうです。24時間から48時間滞在して、荒らすによいだけ荒らして帰っていく感じとおっしゃっていました。
「以前、与那国島で風速計が壊れたこともありましたよ。あの時は多分、風速が80m位吹いていたはず・・。あの風すごかったんで。」ただ、経験すると、それが生かされて対策はより適切にできるようになるとも。知識と対策は台風以外にも必要なことだと思いました。

2024.0516 O.A 河口編  [chord 5]

・新宿の女 / 藤圭子
・女のブルース / 藤圭子
・圭子の夢は夜ひらく / 藤圭子
・柳ヶ瀬ブルース / 藤圭子
・メモリーグラス / 藤圭子
・マイウェイス / 藤圭子
~今回は河口氏セレクト、今回は藤圭子 特集です。
???が私の頭の中でグルグルしています。ご存知、宇多田ヒカルの母の楽曲から。
出演は河口氏&midoriです。

この奇岩絶壁は素晴らしすぎる! [fun science]

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前回同様、汐が引いた時に出会える素敵な場所です。
これだけのタフォニが見ることができるところはあまりこの辺りではないかもしれません。
タフォニとは、一般に、岩体内部より析出した塩類が、その結晶圧によって岩石表層部を破壊することによって形成されると考えられていて、ゆえに海水の飛沫を定常的に受ける海岸付近ではタフォニが発生しやすい・・・とのこと。
様々な条件が整っているので、ここまで素晴らしい蜂の巣状風化を見ることができるのでしょう。そこを住居?にしているのがウと思われる鳥たち。
ですからここの下にいる時はフン攻撃に気をつけなければなりません。
この場所以外にも奥に進むと、霧の中から奇岩がたくさん顔を出します。まるで目のようにあいた穴やガウディの彫刻のようなオフジェ。
見ていると時間の経つのを忘れてしまいます。そうそう・・・ここでは貝化石(シジミや牡蠣等)も見ることができます。
ただ、ここもあまりのんびりしていると汐が満ちてきて帰ることができなくなるので、要注意です。
とにかく自然の作り出す造形美がたっぷりと色々な形で楽しむことができる場所がすぐそこにあるのです。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1J9pVz8HcuOFYpw2TuccXy

カマイルカの季節到来!(笹森 琴絵編) [nature treasure]

笹森① カマのジャンプ饗宴.png笹森② カマ赤ちゃんジャンプ.png笹森③船と競争.png 
温暖な海が好きな彼らは、冬は南方で過ごし、北海道には初夏に北上してきて秋まで滞在するのがカマイルカ。背びれが草刈りカマの刃に似ているので、その名がついたそうです。体長は2~2.3mほど。体色は白と黒と濃淡のある灰色で構成され、まるでおかっぱ頭のような模様や口紅を塗ったようなクチバシで、身体の横に太いシマ模様が入っているそう。
「カマはジャンプが得意で、私も4mくらい飛んでるんじゃない!?と驚くようなシーンを何度もみていますし、船の周りを取り巻いて船尾や船首にできる波にのったり、海面をはじけるように飛びながら泳いだりと、見ているこちらまで心が弾むような、元気なイルカたちです。イルカはそれぞれに魅力的ですが、実は私が一番好きなイルカはカマです。」と笹森氏。
カマイルカは初夏に来遊しますが、例えば噴火湾で過ごすグループはこの海を夏の餌場、そして大人のメスとオスは子作りの場、前の夏に妊娠したメスは出産と子育ての場として利用しているそうです。毎年6月には、赤ちゃん連れのメスとあちこちで遭えるようになると・・。「噴火湾にやって来る彼らにとってこの海は、餌場で故郷。かけがえのない海です。そして、釧路の海を15年観察した限り、やはり同じように利用しているように感じます。」春夏秋はエサとなる生物が安定して豊富で、夏は子育てに適した海況で、南北の移動に適している。イルカも哺乳類、母子が離れるまでには少なくとも一年間はかかるようなので、これらの条件はとても重要。
彼らを長いこと見ている笹森氏、いつまで<私の町はイルカの故郷>と言えるのか、不安になることも。ブリやフグ、シーラなど、なぜ今ここにこの魚!?と驚いてしまうような、時期や来遊域ハズレの魚の存在や来遊が北海道各地で話題になっているのは皆さんもご存知の通りです。漁業関係者、釣り人、海を舞台に活動している笹森氏も、思わず驚くことも・・・。
この現象の背景を探ると、多くの場合、<温暖化>にたどりついてしまいます。温暖化のため、海も私たちの知るかつての姿から変容し続けているようです。例えば、今年初めから立て続いている、日本海側のイワシの大量漂着。水温が下がらないので居座っていた群れが、ある時急激に下がった水温にダメージを与えられ、あのような事態になったとも言われています。怖いことに、このような海では、海底に降り積もったイワシの死骸を食べることで餌が足りてしまう甘エビが、カゴに入らず漁にも大打撃が出ています。また、水温変動が小さな生物に影響したら、海の食物連鎖の頂点にいる鯨類にも、もちろん影響が。
餌がいなければ餌場として成立しないわけですから、他の海域に餌を求めて移動してしまうでしょう。なかなか食料にありつけなければ、空腹のままさ迷うことになります。「人間の都合でいえば、私たちの食卓、経済、そして観光にも巡り巡って悪い影響が出るようになるでしょう。いや、もう出ていると言っても過言でないでしょう。いつも通りの春が来て、夏が来る、それが常識といえる時代はもう過去のものとなりつつあると思います。
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2KeFD4IjTQxfiSrIq962TD

Where collections meet~2 [close to you <art編>]

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前回の続き、今回は展覧会の後半のコーナーのご紹介。
4のコーナーは画室、室内。画家のアトリエを描いた作品ですが、どうやらそれは写生ではなさそうです。
ありがちなアトリエ、どこかで見たことがあると思いがちですが、頭の中で推敲され、様々な画材を使い描かれた作品のようです。
続いて5のコーナーは色彩への関心。色鮮やかな作品と対照的な暗いトーンの作品が並びます。
ただその暗いトーンの作品もその右横では明るい色に表情を変える・・・その2つの作品の間にはおそらく作家を変える出来事があったのだと想像してしまいます。
そして、抽象アンフォルメル。神田日勝はとにかく様々な作風を試した方なのだと思います。ペインティングナイフは変わらずなのかもしれませんが、
描き方、色の使い方等その変遷がとても印象的です。
縦長の大きな作品、目の前で見ると人間のモチーフが目につくのですが、写真に撮って見ると牛の方が存在感を放ちます。とても不思議です。
そして、ラストは小品が並びます。テーマは風景。道東に住む私たちにとっては、どこかで見たことのある風景が並びます。
ところがこれは写生ではないそうです。風景を自分の中に入れまるで牛のように、反芻し、咀嚼して、日照の手を通じて描かれた風景なのだそう。
あらためて作品の目の前に立つと、今までとは違った風景がそこに見えてくる・・気がするのは私だけでしょうか。
(コレクションが出会う道東(場所)は6/16まで釧路市立美術館で開催中です。)

2024.0515 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏 & 旭川医大 循環器・腎臓内科学分野 中川直樹氏 [close to you <dr.編>]

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今回はzoomでの参加をいただいたのが、旭川医科大学で内科学講座 循環器・腎臓内科学分野 准教授であり、腎臓内科 科長であり、透析センター長をなさっている中川直樹氏です。今までもCKDについてのお話しはこのコーナーでも伺っていますが、今回あらためて伺ってみました。
まず、慢性腎臓病(CKD)は、20歳以上の8人に1人が罹患する、新たな国民病と言われているという事。ただ、初期にはほとんど自覚症状がないため、自分では気づきにくい病気なのです。「検査値などでご自身の腎機能について知っていただき、早期受診につなげていただければ幸いです。」と中川氏。
そもそも腎臓とは・・・腰のあたりに左右にひとつずつある、そら豆のような形をした、にぎりこぶしくらいの大きさの臓器。血液をろ過して、身体に必要なものを再吸収し、不要な老廃物を尿として排出する働きをしています。腎臓にはこのほかにも、赤血球を作るホルモンや血圧を調整するホルモンを作る、ビタミンの働きを助けるなどの作用があるそうです。
さて、CKDに関して・・・その定義は
・尿異常や血液で腎障害の存在が明らか─特にたんぱく尿の存在が重要─
・糸球体濾過量(GFR)60 mL/分/1.73 m2
上記いずれか、又は両方が3ヶ月以上持続する。
GFR値(糸球体濾過量)はろ過の働きを示す数値で、血液検査をすれば簡単に推算でき、GFR値が低いほど、腎臓の働きが低下していることを示しているのです。
CKDの重要性に関して・・・
・透析を必要とする末期腎不全患者が顕著に増加し、医療経済を圧迫している。
・CKD が末期腎不全への進行リスクであるばかりでなく、心血管障害の発症リスクでもある。
・CKD の有病率が予想以上に高く、今後も増加することが危惧される。
・早期発見によって CKDの進展予防、治療が可能である。
ですから、大事なのは、CKDは進展を予防することができ、治療が可能であるということなのです。
続いて、紅麹についてのお話しです。紅麹、紅こうじ、ベニコウジと色々表現されますが、それはすべて同じものだそうです。
小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントをめぐる日本腎臓学会の調査で、これまでに報告された大半の患者で腎臓の機能障害の一種、「ファンコニー症候群」がみられたことが分かりました。日本腎臓学会が医師を対象に行った調査の結果、「紅麹コレステヘルプ」などを摂取した方からの健康被害が報告されたということです。このうち大半の患者で腎臓の「尿細管」の機能に障害が起き、体に必要な成分を再吸収できなくなる「ファンコニー症候群」がみられたということです。また、治療方法は4分の3ほどの患者がサプリの服用の中止のみで症状が改善したということです。4分の1ほどがステロイド治療を受け、透析を行った方もいらしたそうです。
以下、日本腎臓学会 南学正臣 理事長のコメントから・・・
「基本的に薬の中止である程度改善する傾向にある。必要以上に怖がる必要はないと思う。おかしいと思ったら、あるいは体の調子がおかしくなくても、飲んでいて不安だという方は速やかに病院を受診して腎機能の検査をしていただくのがいい。」
だいぶ落ち着いた感のある紅麹問題ですが、自分の口に入れるものはしっかりと成分等を確認して、正しい知識を身につけないと・・・と思った私でした。

耳で楽しむstory〜船弁慶(中西 紗織編) [varied experts]

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源義経と武蔵坊弁慶が登場し、前ジテは静御前、後ジテは平知盛の怨霊。前ジテの静御前は義経の恋人ですが、後ジテは平知盛、義経たちにとってはかたき役。前半後半でシテのキャラクターがガラッと変わり見どころも上演機会も多く、学校教育の場で教材として取り上げられることも少なくない演目です。
《船弁慶》
 登場人物:前ジテ〜静御前 後ジテ〜平知盛の怨霊 子方〜源義経 ワキ〜武蔵坊弁慶 ワキツレ〜義経の従者(三人)アイ〜船頭
 場所:摂津国 大物浦(兵庫県尼崎市大物町)
 季節:11月 曲柄:五番目
最初に弁慶が語る。主君の判官殿つまり義経が、ある人の言われない告げ口により、兄の頼朝と不仲となってしまったのだと。義経は頼朝への礼を重んじ一旦都を出て、摂津の国尼崎大物浦へ向かっている、というところから物語が始まる。
●(弁慶、従者たち) 頃は文治の初めつ方 頼朝義経不会の由既に落居し力なく (子方)判官都を遠近の道せば狭くならぬその前に西国の方へと志し (弁慶、従者たち)まだ夜深くも雲居の月 出づるも惜しき都の名残 一年平家追討の都出には引きかへて ただ十余人すごすごとさも疎からぬ友舟の 上り下るや雲水の身は定めなき習ひかな
義経、弁慶の一行は尼崎大物浦、現在の兵庫県尼崎市大物町の辺りに到着。義経の恋人、静も同行していたが、弁慶はこの先の困難を考え、義経に静を都へ帰すのがよいのではないかと進言。義経は弁慶に任せると。弁慶は静に都へ帰るようにと義経が仰せだと伝えるが静はそれを信じない。この後自分がどうするかは直接我が君にお返事しますと言い義経の元にやってきた静に、義経は都へ帰るよう告げる。静は悲しみにくれ、本当に我が君のお言葉だったのですね、ごめんなさいと弁慶に謝罪。そして、前場の一番の見せどころ、静と義経の別れの場面。静は白拍子の衣装を着け烏帽子を頭にかぶり、義経たちの旅の門出を祝う舞を舞う。ついに舞い終わると・・
●(地謡)舟子ども 纜をとくとくとはや纜をとくとくと 勧め申せば判官も 旅の宿りを出で給へば (前ジテ)静は泣く泣く烏帽子直垂脱ぎ捨てて 涙にむせぶ御なか別れ 見る目も哀れなりけり見る目も哀れなりけり
前場の最後、前ジテの静が橋掛りを通って揚幕へ退場する後ろ姿が悲しく美しく印象的。後場では狂言方の船頭が船を舞台に運び込んでくる。観客は立派な御座船に義経一行が乗船した姿を頭の中に思い描く。最初は穏やかだった海が荒れ始め・・ここは船頭役のアイ狂言の腕の見せ所。巧みに船を操り、小鼓と大鼓が荒れ狂う海の様子を音楽で盛り上げると、平家一門の亡霊たちが波間に浮かびあがる。中でも、平家の総大将平知盛の怨霊が長刀を持ち、義経たちめがけて襲い掛かってくる。
●【謡】(後ジテ)そもそもこれは桓武天皇九代の後胤平知盛幽霊なり あら珍しやいかに義経 思ひも寄らぬ浦波の (地謡)声をしるべに出船の 声をしるべに出船の (シテ)知盛が沈みしその有様に(地謡)また義経をも海に沈めんと
船は揺れに揺れ、亡霊たちが優勢となるが、義経の一声で形勢逆転!
●(子方)その時義経少しも騒がず (地謡)その時義経少しも騒がず 打物抜き持ち現の人に向ふが如く言葉を交はし戦ひ給へば 弁慶押し隔て打物業にて叶ふまじと数珠さらさらと押し揉んで●(地謡)弁慶舟子に力を合はせお船を漕ぎ退け汀に寄すれば なほ怨霊は慕ひ来るを 追つ払い祈り退け また引く汐にゆられ流れ また引く汐にゆられ流れて跡白波とぞなりにける

2024.0510 O.A 「北太平洋シーサイドラインの魅力」 [varied stories]

逸見光寿さん(写真家)
https://coju.info/

1:北シーサイドラインとは・・・
十勝 広尾町から根室 納沙布岬まで続く全長321kmにおよぶ海岸線を走る道路の総称。中でも釧路町〜根室市はこのルートのハイライト。
断崖絶壁や岬、海岸線や湖沼が次々現れ、スコットランド等のヨーロッパのような風景が広がる。
2:釧路町内の見どころ
釧路町内は適度なワインディングロードになっていて運転が楽しいと逸見氏。
断崖絶壁が続き、奇岩も多い。キトウシ野営場は6月〜10月期間限定でopen。キャンプ上級者に人気とか。
3:厚岸町内の見どころ
子野日公園は桜の名所、タンポポも一面に咲く。愛冠岬や原生花園あやめヶ原は見事な絶景。
お供え山展望台は、厚岸が一望できる穴場スポット。
4:浜中町内の見どころ
北太平洋シーサイドラインの最も見どころの多いエリア。涙岬に行ったら、立岩もしっかり見てほしい。霧多布湿原や岬は年間を通して素晴らしい場所。
浜中町から根室にかけて幌戸沼や恵茶人沼等、絶景が続く。
5:根室市内の見どころ
本土最東端の納沙布岬では最近、ラッコがコンスタントに見ることができる。根室市内のハイライトは落石。海岸も岬も素晴らしい。
海岸はこの時期、夕日の位置がよく、海霧も楽しむこともできる。フレシマは野鳥の観察スポット。長節湖は北欧のような風景が楽しめる。
※写真は逸見光寿氏からお借りしました。
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2024.0509 O.A 斎藤編 [chord 5]

・渚のアデリーヌ / Richard Clayderman
・愛しのクリスティーヌ / Richard Clayderman
・愛のオルゴール / Richard Clayderman
・星のセレナーデ / Richard Clayderman
・ドランの微笑 / Richard Clayderman
・レディ・ダイ / Richard Clayderman
~今回は斎藤氏セレクトの楽曲です。イージーリスニング、リチャードクレイダーマン特集です。
出演は斎藤氏&midoriです。


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