SSブログ

温泉を科学する(尾山 洋一編) [nature treasure]

IMG_2766.jpgIMG_2767.jpgIMG_2768.jpgIMG_2769.jpgIMG_2770.jpg
私たちの生活と関係の深い湧き水と言えば温泉。今回はその温泉を科学する!
温泉の定義は地中から湧き出る温水や鉱水、水蒸気などで、水温が25℃以上のものか、
水中に溶けている特定の物質(19種類ある)のいずれかの濃度が規定値に達しているものと温泉法で決められています。
温泉の効能は、日本温泉協会が科学的根拠を紹介していて、最も分かりやすいのが温熱効果。体温上昇効果(体がすぐに温まる)や保温効果(なかなか冷めない)。
温泉は水道水と比べて炭酸イオンや塩化物イオンなど溶けている物質の濃度が高いので、
これらの物質が肌の表面に浸透することで、熱の吸収が早くなると言われているそうです。その他の効能としては、薬理作用があります。
では、温泉はどのようにしてできるのでしょう?温泉の起源となる水は大きく2つあり、一つは雨水、もう一つは海水とのこと。
まず雨水ですが、雨水が山に降ると、一部は地中深くに浸透して山の下にあるマグマや火山ガスに温められます。地中の深くで水が暖められたり、圧力がかかったり、
火山ガスが溶け込んだりすると、周辺の地質からイオンを溶かし出しやすくなり、最終的に暖かくて溶けている物質の濃度の高い水ができあがるのです。
この様な温泉は「火山性温泉」と呼ばれているそうです。日本は世界有数の火山地帯なので、火山性温泉が多いそう。
一方、海水が温泉になるケースはいくつかあり、一つは大昔に大陸や島ができる際に、地中深くに海水が閉じ込められたもの。
もう一つは、現在の海水が陸側に浸透したもの。海水は冷たいけど、一般的に地中を100m掘ると温度は2~3度上昇するので、例えば15℃程度の海水であれば、
500m位深い場所に潜れば25℃になるので「温泉」と定義されるそうです。もう一つは、海底のプレートが陸側に引きずり込まれる際に、
水も一緒に引きずりこまれてマントルに温められる。これが地上に出たもの。
海水を起源とする温泉は火山地帯以外でも見られ、この様な温泉を「非火山性温泉」と呼ぶそうです。「温泉は、水が地中を旅する事でできあがるんです。
ということは、温泉の成分を調べることで、地中がどの様な環境にあるのかを知ることができるのです。面白いでしょう・・・。」
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。

Facebook コメント