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キタサンショウウオの危機!(照井 滋晴編) [nature treasure]

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キタサンショウウオの生息地に調査にいき、愕然とする出来事が・・・。調査地付近の別の生息地の一部が更地になっていたそうです。
その周辺の水域はキタサンショウウオの繁殖水域だったのです。近年は似た様な事例が多く、数年前にも今回の側で同じ様な事ががあったそうです。
その時にもキタサンショウウオの生息地の一部にいきなり盛り土ができ繁殖水域に土砂が流れ込みました。理由は太陽光発電所の建設。
近年は湿原のあちこちで太陽光発電施設の建設が進んでいるので、今回の件もおそらくそうだったのでは?と照井氏。この太陽光発電施設の建設が急増したのは
2011年頃から。東日本大震災があり、福島原子力発電所の事故がありました。これを受け、再生可能エネルギー特別措置法が制定され、
翌年の7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度が本格的に導入され、これを契機に全国的に太陽光発電事業が拡大。現在、釧路湿原を擁する4市町村(釧路市・釧路町・標茶町・鶴居村)においても、稼働中もしくは稼働予定の太陽光発電施設が761箇所。そのうち31箇所がメガソーラーと呼ばれる大規模太陽光発電施設なのです。
太陽光発電自体はこれからの日本には必要なものだと思います。ただ、導入する場所によっては、土地の改変や環境の変化が野生生物や景観に与える影響もあるという事を忘れてはならないのです。太陽光発電所の運用に必要な粉塵抑制剤や防錆剤、融雪剤、除草剤等々が生物多様性に影響を与える可能性や施設の建設に伴う野生生物の生息地の喪失や分断化、外来種侵入の促進等が懸念されます。キタサンショウウオは釧路市の天然記念物なので保護されているはず、でも不思議な事に突然生息地がなくなって
しまうという現実。それ自体の知名度がないことはもちろんですが、まだまだキタサンショウウオがどこにいるのかわかっていないという現状があるそうです。
生息地であるという情報がない場合、そこには天然記念物なんて生息していないものとして工事が進められてしまっていたのです。
「今後どの様にしてキタサンショウウオの生息地を守っていけばいいのか日々悩んでいます。 できることなら、現在確認されているキタサンショウウオ生息地の全てを買い取ってしまいたいと思いますが、現実問題としてそれは難しい・・。 でも、本当に早く対処しなければいけない問題で、今後生息地の保全の為、寄付を募る様な活動をする事になるかもしれません。 太陽光発電所建設の問題はキタサンショウウオに限った話ではなく湿原に生息する全ての生き物にとっても脅威ですし、湿原の景観を損ねる問題なので、今後観光にも影響してくるかもしれません。 太陽光発電自体は、とても有用なものだと思いますが、環境を守る為に環境を破壊するという今の状態は
地域の一人一人が考えていかないといけない問題なのかなと思います。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。

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