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2022.0420 O.A 市立釧路総合病院 泌尿器科 森田研氏&医療技術部 検査科 北川史彬氏~2~ [close to you <dr.編>]

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前回に続き、臨床検査技師の仕事について。今回は細胞検査士の業務について教えていただきました。
細胞検査士になるには、年に1度行われる細胞検査士試験に合格すること。その受験資格は、臨床検査技師として主として細胞診検査の実務に1年以上従事しているか、
細胞検査士養成所あるいは養成コースのある大学を卒業、または卒業見込みである人。さらに資格取得後も5年おきに資格更新を行う必要があるそうです。
さて、細胞診検査とは、ガンの早期発見や早期診断を目的に、患者さんから採取された細胞を顕微鏡で観察し、ガン、あるいはガンになりうる細胞を発見して報告。
例えば、細胞診検査で一番多いのは子宮頸がんのスクリーニング検査。子宮頸がんの発生リスクであるヒトパピローマウイルスに感染している細胞が出現していないか?
あるいはすでにガンになっていないのか?をスライドガラスに塗抹された細胞を染色し、塗られた全ての視野を観察するそうです。
ほかには喀痰・尿・胸水や腹水等の体腔液や内視鏡化で採取された検体等、生体から採取されるものであれば、どんなものでも検体になり、検査の対象になると・・・。
提出された検体は、その後、顕微鏡で見る為に標本を作製。検体の種類により処理の方法は様々。
全ての検体はまずスライドガラス上にのせられて固定という作業を行います。
次に十分に固定されたスライドガラスを染色という作業を行い、細胞に色をつけていきます。
この様に作製された標本では細胞や核の構造がわかり、細胞が正常な形態なのか、あるいは異常な形態なのかを調べることができるようになるそうです。
そこでもし異常が見つかった場合、細胞検査士認定を持った病理専門の医師と他の細胞検査士と共にディスカッションが行われ、陽性であることを確定。
そして依頼のあった医師へ報告。また、陽性の見落としをなくすために陰性の標本も、もう1人の細胞検査士に見てもらい、ダブルチェックも行なっているそうです。
また、細胞検査士は現場に出向く機会もあるそう。顕微鏡や染色道具をもち、標本を作製して顕微鏡で判定をすることがあるそうです。
例えば、一番出向く機会が多いのは、肺の気管支鏡検査の時と教えてくださいました。肺がん等が疑われる場合、気管支鏡を挿入して細胞を採取するそう。
内視鏡下で本当に目的とする腫瘍に到達しているのかを目で確認することが難しいことが多くあるそうです。
現場で、気管支内をブラシでこすり、スライドガラスに細胞を塗り、染色を行い、顕微鏡で観察。
そこに目的とする異常な細胞が出現していれば、細胞をつまみ、採取することが可能になるということなのです。

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