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今おすすめしたいこの1冊(笹森 琴絵編) [nature treasure]

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エリック・ホイト氏が書かれた「プランクトニア」今春発刊され、日本語版も。邦題は「プランクトンの世界」地球の生態系を支える海中の奇妙な宝石たちの写真と解説です。エリック氏は1950年生まれ。科学者。海洋生物学者。クジラやイルカの調査研究、海洋生物の保護に尽力してきた方。自己紹介では、Whale researcher, ocean lover, runner, father, author。笹森氏にとっては1997年に室蘭のフォーラムにお越しいただいて以来ずっと親友であり、師であり、お兄さんの様な存在と。
彼は、母校のマサチューセッツ工科大学で教鞭を執り、その後アメリカ国立科学財団の博士研究員。
IUCN SSC / WCPA海洋哺乳類保護地域タスクフォース共同議長。環境教育とホエールウォッチングの高品質化のために長年尽力されてきた方だそう。また、IUCNの海洋保護の強化チームで、海域を保護する重要な仕事もなさっているそうです。著書も今までに20冊以上。供から大人まで楽しめる、バラエティーに富んだラインナップで、豊かな好奇心と確かな知識・科学的データに基づく内容を、生き物に対する理解と愛情に満ちたわかりやすい言葉で伝え、世界中に読者がいるのです。「今回のプランクトンの世界は、見て楽しい、読んでうなる、多彩な内容がこれでもかと詰め込まれています。シンプルだったり複雑だったり、多種多彩な疑問やニーズに応える内容だと私は感じました。」 例えば・・・昼は深海で、夜は浮上して一日を過ごす、謎に満ちたその生態や、ベールに包まれていた他の種との複雑な相関関係など、知的好奇心を満たしてくれる知識が満載。また、気候変動や人間活動がプランクトンをはじめとする海の生き物全般に与える影響に焦点を当て、彼らが直面する問題についてインパクトある解説が施されている。さらに、世界で活躍するカメラマンたちが体をはって撮影した目を見張るような写真がページをめくるたびに次々に現れ、海が作った芸術作品のような動植物プランクトンの姿を海に潜らずして楽しめるという贅沢感が味わえる。・・・等々。実はこの本は、アメリカのジャーナリスト&著者協会(ニューヨーク)から、2023年若い大人と子供のための優れたノンフィクションブック部門で最高賞を授与され、<科学、歴史、写真がこのビジュアル的な見事な本で、豊富な教育体験を提供するために科学、歴史、写真をたっぷりと組み合わせたもの>と高く評価されているそうです。
ここでエリック氏がプランクンを愛し紹介したいと考える5つの理由を・・・。
1)私たち自身も海から出てきて、プランクトンと共通の祖先を持っていること。
2)植物プランクトン(植物プランクトン)は、私たちが呼吸する酸素の最大50%を生成している、つまりプランクトンは人類の生存に関与していること。
3) クジラ、魚類、海洋無脊椎動物の助けを借りて、プランクトンは炭素を固定して安全に貯蔵し、大気中から遠ざけて地球温暖化の影響を軽減している。つまりプランクトンは、地球温暖化との闘いにおける私たちの最大の味方であること。
4)プランクトンがいなければ、シロナガスクジラの餌も、ザトウクジラが歌う歌も、海に魚も、全ては存在しえないこと。
5)プランクトンは楽しくて、色とりどりの光が点滅し、奇妙なヒレや触手があり、不思議で美しいが、とても小さいので気づかないこと。
最後に・・・彼からのメッセージをここでご紹介させていただきます。
「プランクトンは進化の驚異を繊細で複雑なディテールで表現しています。高解像度のマクロレンズを装着した夜の海のダイバーによって、ようやく彼らの姿が明らかにされるようになりました。海のプランクトンは、すべての生命の生存に欠かせません。 この非常に小さく、気づくのが難しく、奇妙に美しい生き物についてもっと知りたい方は、エリック・ホイトの「プランクトンの世界」をご覧ください。」この季節、夜長にプランクトンの素晴らしい世界に引き込まれてみませんか?
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※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。エリック氏の写真はご本人からの提供です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/70pBVL19TFcxUnmaKQiFBc

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