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良寛の・・・(武束 祥子編) [varied experts]

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2022年4月から金曜日5週目は「かってにアート」と題しまして、作品の鑑賞の仕方の一つとして、もしくはこんな見方もあったのね・・・と思っていただけるような
美術に興味を持っていただける方が1人でも増えてくれたら良いなという思いを込めて、お送りしています。今回は良寛。
書家として有名なあの方です。「”天上大風”の文字をじっくり見て、これが代表作っていうことに疑問を感じたんですよ。どうして?って。」と武束氏。
陶芸家で美食家としても著名な北大路魯山人が敬愛した良寛。さらに夏目漱石も良寛ファンだったとか。
なぜそこまで良寛の文字が人を魅了するのでしょう?
・かな文字の優美な曲線をよく勉強している
・文字のにじみや、文章のズレや揺れも楽しみの一つ
・なよなよした弱さの中にも芯の強さがある
・子供のような純真な文字は書こうと思ってもかけない・・・等の分析があるそうです。
どう見ても今風の言い方をすると「ヘタウマ」に見えてしまう文字。この天上大風は凧に書かれた文字だそう。さらに彼は字が下手になる練習をされたとか。
なぜなら、人に頼まれて文字を書くことが多々ある中で、下手な文字を書いてもらった相手が文字を見ると吹き出してしまう。
その場は笑顔に溢れ、親近感を感じてもらえるから。
「もしかすると良寛さんは元祖ヘタウマ精神を実践した方だったのでは?と思うのです。凄みのある字、人から感心される文字を書くよりも、文字を通して
コミュニケーションを促す。彼の書は心の緊張を解きほぐす何か、力が抜けてリラックスできるものだったのではないかと感じるようになりました。
ただ、他の素晴らしい書がたくさんあるにも関わらず、代表作という意味がわからないんです。」もしかするともっと他の分析があるのかもしれませんが・・・。

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