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ニホンザリガニに関する記事(照井 滋晴編) [nature treasure]

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ニホンザリガニに関する記事のこと。 「ニホンザリガニ売買禁止 特定第二種動植物指定 釧路地域にも生息」というタイトルです。
内容は記事のタイトルそのままで、ニホンザリガニの売買が法的に禁止されたというもの。 この記事は、照井氏が釧路新聞の記者にお願いして取材してもらったそうです。
近年はインターネットを介して野生生物の売買が盛んに行われています。本当にいろいろな生き物が売買されていて、環境省の出している絶滅の危機に瀕した生き物の
リストであるレッドリストに選定されているような生き物も多数確認されているそう。 話題に挙がったニホンザリガニもレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に選定されている種。
日本の中でも北海道や東北地方の一部にしか生息しないという事もあり、全国的に人気の種となりインターネット上で販売されているのをよく見かける様になっていたと。
そんな現状を何とかしたいと思い、数年前から知人の研究者と一緒にインターネットを介した取引の一事例としてインターネットオークションにおけるニホンザリガニの2010年1月〜2021年12月までの12年間の販売記録を収集・整理し、販売実態の把握及び保全に向けた課題の整理に取り組んでいたそうです。
その結果、12年間で12,000個体を超えるニホンザリガニがネットオークションで取引されていて、その90%以上が野外から採集された野生個体であることが判明。
さらに、北海道で採集された個体がほとんどだということもわかったのです。 もちろん釧路を含む北海道東部から出品されているものもあったそうです。
また、野生個体を扱う市場は年々拡大していることも明らかになり、色彩変異のあるニホンザリガニは通常の体色の個体と比べて高値が付き取引されていたのです。
1個体あたりの価格は、通常個体で1個体あたり1000円位。中には、昨年ヤフオクで取引されたニホンザリガニの中で最も高かった取引は1個体で約70万円というものも。
それは、色彩変異で体色が真っ白になった個体。ですからニホンザリガニを野外で捕獲して売ろうという人も年々増加する傾向が確認されていたとおっしゃっていました。
ニホンザリガニは、開発や外来生物との競争等の影響で生息環境が減少・喪失し、既に絶滅の危険性が増大している野生動物であるにも関わらず野生個体が多数販売
されている現実。 そのまま販売目的のむやみな乱獲が続いた場合、個体群単位の絶滅や生息環境の破壊も生じる可能性があり、既にその様な理由で激減してしまった生息地もあったかもしれません。更に、飼育放棄による放流により遺伝的攪乱や在来種との競争、寄生虫・ウィルスの媒介などの悪影響が生じる可能性も考えられ、環境省では2023年1月11日から種の保存法に基づく「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定。「特定第二種」というカテゴリーでは、販売・頒布を目的とした個体等の捕獲等、
譲渡し等、陳列・広告が原則禁止。指定種の売買をした場合、個人では5年以下の懲役や500万円以下の罰金、法人では1億円以下の罰金が科されることになりました。
ちなみに、この特定第二種には、釧路湿原に生息するキタサンショウウオや道内の河川に生息するカワシンジュガイ類なども2021年に指定されています。
販売目的の捕獲を禁止したことで、これらの種類の生き物たちのむやみな乱獲の危険性はなくなりましたが、それで万事解決というわけではありません。
「そもそも特定第二種に指定されるということは、たくさん販売されているという事の前に、絶滅の危険性があるくらい数が減っているという事。
絶滅を回避するためには、野外の生息環境を守っていのが一番大事なことなのです。 一つ課題が解決しても、太陽光発電所の問題のように、まだまだ解決しなければ
ならない課題がたくさんあるのが現状です。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/4uLNcv5tyPDcSyXbGySyKl

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