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地層がずれる〜入境学(汐見層)編(境 智洋編) [fun science]

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高台から海岸を眺めてみる・・・なんだかわかりますか?
そう、地層のズレがよくわかるのです。さらにそのズレは海岸線まで続いています。
転がった岩もきっと影響なのでしょう。
今回は潮が結構満ちていて、波も高かったので、いつも行く場所までは到達できませんでした。
また違う風景が広がるのですが・・・
目の前に現れた汐見層。模様というか、岩の感じが幾何学的に見えます。
ここにはたくさんの貝化石が入っているのがわかります。小さな小さな貝ですが、巻貝や二枚貝等様々。
今から4000万年以上前の貝ですよ・・それが目の前に現れているなんて、なんとも不思議な気分です。
釧路地方では一番古いと思われる汐見層。今から4000万年以上前には海だった岩が、目の前でみることができるのです。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1BhQyCX6KoA898RIzpjibt

サンショウ(野村 香編) [fun science]

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今回はサンショウ。実ではなく、その皮を水蒸気で蒸留。
主成分はβフェランドレン、シトラール、リモネン・・・モノテルペン炭化水素です。
香りはスパイスとして利用するあの香りとは違いました。柑橘系のスッキリした感じ。シャキッとする感じがしました。
気になる有用性ですが、食欲増進、消化促進、そして、脂肪代謝促進作用が・・・。
気持ち的には、スッキリしない時や気分が落ち込んでいる時に。ただし落ち込みすぎていない時。
この寒暖差がある、寒くなる季節には嬉しい香りのようです。
例えば、寒暖差アレルギーとか咳が出るとか・・・。ラヴィンサラとブレンドしたオイルケアを部分的に使うことで楽になることもありそうです。
「それにしてもこんなマニアックなエッセンシャルオイルを作るって大変だと思いませんか?あの小さな山椒の皮ですよ・・・だから希少なんですよ。
それだけにギュッとエッセンスが詰まっている・・・japanese pepper」
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/6y37EV4AfVDESiKdYUOHNQ

太陽の黒点はなぜ黒い?(中山 雅茂編) [fun science]

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「黒点というのは、太陽の表面に黒い斑点のように現れる現象のことですよね。その斑点の数が長い周期で増えたり減ったりするということを前回お話ししました。するといろいろな疑問がわいてきたので、もう少しこの黒点のことについて調べてみることにしました。」と中山氏。
太陽の表面温度が約6000度といわれますが、それよりも温度が低いので黒く見えるので、黒点と言います。約4500~4000度くらいだそうです。6000度の部分が黄色く見える部分で、それよりも1500~2000度くらい温度が低いから黒く見えるということなのです。どうして温度が低いと黒く見えるようになるのでしょうか?黒く見えていますが、4500度という温度なので、明るいはず・・・。中山氏が調べてみると、黒点だけ空に置いたら、満月より明るく輝くはずとあったそうです。黒く見えるのは、周りが明るすぎるせい・・・説明されていたそうです。ということは、本当に黒いわけではなくて、結果的に黒く見えている、ということのようです。さらにもやもやし、白黒はっきりさせたくなったそう。
人間の目は、視細胞という細胞が受ける刺激の強さによって明暗とともに色を認識しています。正確には、明暗だけです。色は脳によって認識される情報なので、視細胞としては、光の強度、明るさの違いを刺激の大きさに応じた信号として脳に伝えているといった方がいいでしょうか。さらに視細胞は、明るい環境で働く錐体と、暗い環境で働く杆体・桿体と呼ばれるものに分けられます。明るい環境から暗い環境に突然入った場合、一瞬、周りがほとんど見えないと思っても、少しずつ見えてるくるような経験したことありませんか? これは、錐体から桿体へセンサーが一瞬で切り替わればよいのですが、視細胞は少し時間が必要ということ。このように、光の強さ・エネルギーの強度に応じてセンサーが使い分けられるので、太陽を観察する場合も黒点をもっと詳しく見たいと思ったら黒点だけを見る方法を考えれば良いということなのです。黒点の周りの明るい部分を一緒に見ていると、そこのエネルギーが強いので、エネルギーが弱くなっている黒点の部分が詳しく見えないというわけです。人間の場合、まぶしいと瞳孔のまわりの虹彩が伸び縮みして、瞳孔を小さくすることで光の量を少なくしてくれます。視神経にとってちょうど適量な光の強さ・エネルギーの強さになると、その強弱を認識できるわけです。でも、その認識できる強弱にも幅があります。ですから、視神経が広がっている網膜に、スクリーンのように映像が打つし出されますが、全体として明るい映像が映し出されると暗い部分の詳しい情報が得られなくなってしまうということ。
「太陽を観察する場合も同じですが、新しいセンサーが開発されれば、見え方も変わりますね。最近では、ハワイのマウイ島に設置された口径4mの太陽望遠鏡がとらえた太陽黒点の画像が話題になりました。ここで黒点のベールが少し剥がされた感じがします。「ダニエル・K・イノウエ太陽望遠鏡」興味のある方はぜひチェックしてくださいね。」
IMAGES FROM THE INOUYE SOLAR TELESCOPE https://nso.edu/gallery/gallery-images-from-the-inouye

サンマ不漁要因の仮説:サンマ、負の連鎖に陥る(黒田 寛編) [fun science]

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今年4月に黒田氏の所属する水産研究・教育機構から「サンマの不漁要因解明に関する」調査・研究の進捗という資料が公表されました。今回はその内容をご紹介。
まず、サンマの漁獲量は2010年に突然減少。その要因の一つとして、サンマの分布が2010年に突然、東に移動したこと。サンマ棒受け網漁が開始される6-7月のサンマの分布を調査すると、日本近海~東経165°に分布するサンマが2010年に突然消えたのです。2009年まではたくさんいたにも関わらず。この原因は未だわかっていないそう。6-7月の日本近海~東経165°に分布する1歳のサンマは、その後、成長して西側に回遊し、かつては8-9月の道東沖で漁獲されていたため、2010年の8-9月に行われる道東沖のサンマ漁にまず影響が現れたと。
次にサンマの餌について。サンマは動物プランクトンを食べるのですが、実は、サンマの食べる動物プランクトンは日本近海、特に、釧路沖などの親潮域にはたくさん生息。厳密にはかつてはたくさんいたそう。一方、日本から離れた東の海域には餌となる動物プランクトンが少ないという特徴があるそうです。
ですから、2010年以降の6-7月の日本近海に分布するサンマが消えた事でサンマは悪い餌環境で生活することに・・・。それに加え、2010年以降、サンマの餌となる動物プランクトンがサンマの生息する海域で減少する傾向があり、最近年のサンマは「泣きっ面に蜂」状態の餌不足。さらにこの餌不足で、サンマの成長が低下。
問題はこれだけでは終わりません。サンマの成長が遅れるとサンマの西側への(日本近海への)回遊が遅れます。回遊が遅れるということは日本周辺でのサンマの漁期が遅れるということを意味していると。ですから、最近年の8-9月は、サンマが回遊を始める前の公海に漁船を走らせてサンマを捕りに行く(サンマを迎えに行く)という状況。しかも西側へ回遊する前のサンマは痩せています。そもそもサンマが西側へ回遊するのは産卵することが目的なので、西側へ回遊する前に、サンマは餌をたくさん食べて太って産卵への準備を整えている段階。このような成長と回遊の遅れのために、最近年では10月くらいになり、やっと日本周辺にサンマが回遊してきます。しかし、魚群の中心は日本周辺の公海に近づいてくる程度で道東や三陸沿岸にはほとんど回遊しません。
道東沿岸に分布するマイワシの存在や、2010年代以降の夏秋に弱まり続けている親潮に原因があると考えられていると黒田氏。調査結果としてマイワシとサンマは同じ場所にはほとんど分布しません。サンマがマイワシを避けている、あるいは、マイワシがサンマがかつていた水温帯を占拠しているという事実。そして、秋の道東沿岸にはマイワシがたくさんいて、サンマはそれを避ける=沖を南下すると考えられているとおっしゃっていました。
道東や三陸沿岸を避けて南下するもう一つの理由としては、本来、親潮が運ぶ冷たい水を追いかけるようにサンマが南下回遊してくるはず。ただ、親潮が弱いので親潮が運ぶ冷たい水も道東から三陸沿岸に南下・分布しづらい状況で、最近年のサンマは暖かい水を避けるように、沖の公海を南下せざるを得ない状況が続いているそう。
さらに問題は続きます。サンマは冬の日本南岸沖の黒潮域で卵を産みたいのですが、サンマが秋に道東のはるか沖の公海を南下すると、冬の日本南岸沖の黒潮域にたどり着きにくい状況が・・。すると、日本から東に離れた黒潮域で卵を産まざるを得ないことになります。
さらに生まれた卵は、黒潮続流と呼ばれる東向きの強い流れで東へ東へ流される。その結果、日本南岸沖の黒潮域で産まれた卵以上に東に東に流されてしまう事に。「日本のはるか東の海域は日本近海に比べてサンマの餌条件が良くありません。これが成長の悪化につながり、成長が悪いと西側への回遊が遅れてしまい、親潮も弱いので日本沿岸に沿って南下できず沖を南下。卵を産むのは日本南岸沖の黒潮ではなく東の黒潮続流で、東に流れすぎたサンマは餌条件の悪い日本のはるか東で暮らすことになり・・・という繰り返し。このような負の連鎖が続いているというのが、現在、サンマの研究者が考えるサンマ不漁要因の仮説になるのです。」
いずれにしても、どこかのタイミングで、現在の負のスパイラルを抜け出す必要があるので、その時までサンマを乱獲しないことが必要。かつて、1969年に日本のサンマ漁獲量が一気に落ち込み、その5年後に急激なV字回復をみせたという事例も。今は、サンマ資源が枯渇しないように、大切に利用する(消費者は大切に食べる)ということが必要な状況ですとおっしゃっていました。「気候変動がサンマ資源に影響していることは間違いありませんが、気候変動が水産資源や漁業に与える影響は複合的で複雑、かつ、負の連鎖的に生じるという特徴があり、このような教訓を地球はサンマを通じて私たちに教えてくれているのかもしれません。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1ezfKDTfS1AFzqTHSSsn0r

定点調査〜宿徳内(地層の美)編(境 智洋編) [fun science]

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何度見ても美しい。角度とその色。
全て砂岩。どうしてこんなに変化が出るのでしょう。
砂岩の上に流れた水の跡も美しい。
綺麗なシマシマ模様に境氏はいつも感動なさっています。
東側にあったノジュールは全く見当たらず、地層自体も違います。
ここには牡蠣をメインとした貝が地層の中に見えたり、石炭らしきものも顔を出しています。
昆布森方面ほどダイナミックではないのですが、奇岩絶壁が楽しめます。
大きな岩がゴロゴロしていて、海岸線には亀の甲羅の様な岩が・・・。
そして見上げるとガウディ彫刻の様な岩が・・・。
変化に富んだ砂岩の魅力にとりつかれてしまいそうな場所です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2wY8tvNWJzeSP3aQ0FCAQk

ニオイコブシ(タムシバ)(野村 香編) [fun science]

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今回はニオイコブシ。通称タムシバ。
主成分はシトラール、リモネン、1,8-シネオール。使うのは枝葉。落葉樹なので、シーズンによっては、含有成分の比率が変わります。
名前の由来は。果実が集合果で、握りこぶしのように見えるから。。。
ワークショップ等ではハンドソープなどを作ったりもするそう。
気になる有用性ですが、心には気分を高揚させ、同時に沈静化する作用が。最近は体は元気で動くことができるのになんだか変と感じる方が多いとか。
ですから心がダウン状態で、交感神経がアップしている方に良いとか。
また弾力回復やターンオーバーの促進や毛穴の引き締め・・・にも。さらに、カラダには鼻炎や抗菌等にも。。。まるでお聞きしていると万能な感じがします。
香りは柑橘系に木の柔らかい・・そのような感じが私にはしました。懐かしいというか、どこかで嗅いだことがある香り。
「陽の上がっている時にはニオイコブシって思っているんですよ。朝一とか。会議の前とか。仕事の合間にシュッとすると良いかな?
一番簡単なのは、ティッシュにつけて胸ポケットに入れておく。シュッとする時はボトルに精製水を入れてそこに5滴ほど。」とのことでした。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1qJeG2zvCiLfDU3DDyzUSk

地球環境と太陽(中山 雅茂編) [fun science]

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「地球環境と太陽について考えてみようと思ったきっかけは、この夏の暑さ。そういえば、太陽の黒点が少ない状態が続くと、地球は寒くなる、、、というようなことを以前聞いたことがあると思い・・・。」
まず、太陽の表面には黒点があります。この黒点の数ですが、数年おきに増えたり減ったりすることが観測結果からわかっています。この黒点の数が増えたり減ったりする周期ですが、おおよそ11年。望遠鏡を使って太陽黒点の観測が始まったのは、17世紀(1601~1700)の初めで、イギリスの天文学者 エドワード・ウォルター・モーンダー(Edward Walter Maunder)が、自分の観測結果などからこの太陽黒点の11年周期を発表(1904年)しました。さらに、天文台に残されていた観測資料から1645年~1715年の間の約70年間、黒点が少なく太陽活動が低くなった時代があることを論文で発表(1894・1922年)したそうです。当時、この論文は注目されなかったそうですが、1970年代に注目され、このような黒点の少ない時代を「マウンダー極小期」と呼ぶようになったのです。その後、1800年~1824年頃にも黒点の数が減る時期があり「ダルトン極小期」と呼ばれているそう。そして、研究が進み、樹木の年輪中の宇宙線生成核種(宇宙線が地球大気中に進入したときに生成する核種)を調べることで、1416年~1534年の約120年(シュペーラー極小期)にも同じような現象があったと考えられていると中山氏。
この様に、目に見える形として太陽黒点に注目した観測をきっかけに、太陽の活動に周期があることがわかっているそうです。太陽には11年の周期と、〇〇極小期のように、もっと長期の周期があると研究者はとらえていると・・・。
ちょうど、ヨーロッパで氷河が拡大したことが特徴一つの小氷期とマウンダー極小期やダルトン極小期が同じ時期で、太陽の活動が地球の気候に影響を与えていると考える研究があるそう。マウンダー極小期の時には、ロンドンのテムズ川が凍った記録も残っていて、ヨーロッパがとても寒い時期だったことが想像されます。
一方で、太陽の11年周期と地球の気候変動の関係性については、地球の大気がもつ複雑な仕組みに対して、まだまだ世界中で研究が行われているという段階。

まだまだ未解明な領域のようです。
「太陽の周期をもとにすると、最近の話と言っていいと思いますが、2020年に、<地球が氷期突入では>と考えるレポートが出されたりしています。2019年の太陽黒点の観測結果から、この年は黒点が発生しない期間が長かったことで、もしかすると、極小期の始まりでは、と考える方もいたようです。その後の継続的な観測によって、太陽活動周期として、2019年終わりから新しい周期に入ったと報告されています。」
2022年の太陽活動のレポートでは、2022年の1年間で黒点がなかった日は1日のみ。太陽の活動度が上がってきていて、現在は活動ピークに向かっているそうです。

2023年のサンマ棒受け網漁の見通し(黒田 寛編) [fun science]

fs0928mr,kuroda.jpgサンマの季節が始まりました。サンマの棒受け網漁が始まるのが8月10日から。今年は花咲港で1キロ 14万越え、札幌や東京の市場では1キロ20万円越えというニュースも耳にします。1キロ20万円とすると1匹あたりは2万5000円くらい、もはやサンマは大衆魚ではなく超高級魚。というのもサンマの日本周辺海域への来遊量が2010年代から減り続け、今はサンマ来遊資源が底の状態にある事、しかも太った大きなサンマがかなり少なく、さらに、特に8-9月にサンマを捕る場合、日本から非常に離れた公海に行かなければサンマが捕れないというサンマ漁業にとって厳しい現状があります。漁場が遠いと油代もかかり、その油代も高騰。小型船で沖に行くのは危険も伴い、また、漁場が遠いと港に戻るまでに数日以上かかる事もあり、鮮度の保持も難しいにもかかわらず、高値の大型サンマが少ないという複合的な問題があるとおっしゃっていました。
水産庁が7月28日にプレスした「2023年度サンマ長期漁海況予報」について。
この資料は、2023年8月~12月のサンマ棒受け網漁がどうなりそうか?という見通しを、科学的に説明した資料。マスコミや水産業者さんにはよく知られた存在だそうですが、一般の方にはほとんど知られていません。この資料には三つの見込みが記されています。
1:来遊量、昨年と同程度に低水準(昨年と同じくらいサンマがとれない)という見込み。
2:1歳のサンマのサイズについては昨年を上回る(昨年よりも少し大きいサンマがとれる)という見込み。
3:魚群は公海を中心に来遊する、ということなので、道東や三陸近海へはあまり来遊しない、漁場は日本から離れた沖になるという見込。
なぜ、このような見込みが立てられるのか?毎年6~7月(サンマ棒受け網漁が始まる1-2か月前)に日本近海~西経165°の太平洋でサンマの分布調査を実施。今年は調査船を3隻使った大規模な調査を実施。
まず、これまでの研究ですでにわかっている事として、日本近海~経度180°までの海域に分布するサンマが、その後成長し、西側(日本周辺まで)回遊して漁獲。ですから、6-7月の日本近海~経度180°までの海域に分布するサンマの分布量がわかれば、8月~12月のサンマ棒受け網漁でとられるであろうサンマの数やサイズがおおよそわかるという事。サンマの寿命は2歳なので、実際、日本近海~経度180°までの海域には0歳と1歳が混在することになり、漁獲の主体となるサンマは1歳で、その1歳のサンマの割合は、今年は30%程、昨年は23%程なので、若干、今年の方が割合が高い。分布量は昨年より今年が低めですが、「1歳魚主体の来遊量は昨年と同程度の低い水準」と発表。
次に2点目、サンマの太り具合について。今年6-7月の調査によると、27cm以上の1歳魚の体重は90~110g台が主体で、昨年よりも10gほど重い傾向。これが漁獲される頃には+20gほど太ると考えられています。ですから「1歳のサンマのサイズについては昨年を上回る」という見込みが報告されていると。
では、なぜ、今年のサンマの魚群が公海を中心に来遊すると予想されているのか?これには三つほど理由があると黒田氏。
一つ目の理由は、サンマの回遊モデルというバーチャルなシミュレーションに基づいています。まず、6~7月のサンマ分布調査で1歳のサンマが捕れた場所がわかります。その場所に、サンマを模した粒粒を仮想の海の中に入れ、仮想的な海の中でサンマを泳がせ、どの様な経路で日本周辺に来遊するか?を予測。結果として、かつてのように日本近海(道東沿岸や三陸沿岸)にはあまりサンマは来遊しないことが予測されているそう。
次に、二つ目の理由は、「極端に北上する黒潮」と「弱い親潮」に原因があるそう。今年は、親潮が弱く、道東沿岸に沿って冷たい水が分布しづらい状況にあり、それに加え、この夏は黒潮が仙台湾よりも北にまで北上することがある特異的な海の状態。北からの冷水の勢いが弱く、逆に南からの暖水の勢いが強いことで、三陸~道東海域が顕著に高水温化。そもそも、サンマは、親潮が運ぶ冷たい水を追いかけるように南下してくるのですが、弱い親潮と北上する黒潮により、この先も道東~三陸沿岸に冷たい水が分布する可能性が低く、そのため、サンマは道東沿岸のはるか沖(公海)を南下すると考えられているのです。
さらに「今年のサンマの魚群が公海を中心に来遊すると予想されている」三つ目の理由として道東沿岸周辺にはマイワシが分布することも影響すると考えられていると。「興味深いことに、マイワシとサンマは何故か同じ海域に分布しない特徴があり、サンマがマイワシを避けている、あるいは、マイワシがもともとサンマのいた水温帯を占拠するという事実が観測されています。また、道東沿岸周辺には秋にマイワシが分布することが予想されていて、この道東沿岸のマイワシ魚群を避けるように、サンマは道東沿岸のはるか沖(公海)を南下すると考えられています。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/4eT41MJfzPWs4hBYLx41Ps

定点調査〜宿徳内(ノジュール)編(境 智洋編) [fun science]

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IMG_7980.jpg写真だとダイナミックさが伝わらない。
面白さが伝わらない。
ワクワクが伝わらない。
かもしれないのですが・・・地学が好きになる場所です。
何度も訪れていますが、行くたびに感動を覚えるところです。
そして、こんなに大きなノジュールには今まで数々の海岸線を歩いてきて会えたことがありません。
そんな場所です。ここが気になって仕方ないのは形を変えていることです。
1年と言っていられないほど、侵食が激しいのか、風景がどんどん変化します。
今まで見ていてあの砂岩脈はどこに行ったの?消えちゃった・・・
大きなノジュールの形が変わった、半分になった?
あったはずの大きなノジュールは?
消えるにしても崩れるにしても、それは 自然の為せる業。私たち人間にはその変化は止めることができません。
ノジュールの中から3000万年前に生きていた貝が顔を出し、2023年の空気を浴びる。
不思議な感覚です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2EP6aWpH8fZSWvkO6SdE0W

ユーカリシトリオドラ(レモンユーカリ)(野村 香編) [fun science]

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今回は秋にぴったりとおっしゃるレモンユーカリ。ユーカリは700種類以上あるそうです。
ユーカリでメジャーなのが、グロブルスやラディアータ。主成分は1,8-シネオール。ただ、今回のレモンユーカリはシトロネラールが主成分。
テルペン系のアルデヒド類。水蒸気蒸留法で葉や枝から抽出。
この時期になると秋疲れと言われる症状が出てくる方も。背中や肩こり、腰痛、筋肉痛等。抗リウマチ作用や帯状疱疹等にも有用だとか。
また、イライラしがちな時やストレスが溜まっている時にも・・・だそうです。
さらに、ホームケアにもレモンユーカリは活躍するそう。レモンユーカリとペパーミントを水に入れてシュッとするだけ。
ソファやベッド等の寝具にオススメとのことです。抗ダニ!!
「整骨院には欠かせない1本です。心にも体にもそしてお家にも色々使えるアロマですよ。」
今回ご紹介いただいたのは自分で試してみたい時は芳香浴が良いかと思います。ホームケアを除いては。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/48Jr6OTy5ssakD87vQwiAY