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今度こそ・・・寒い日を狙って・・・(境 智洋編) [fun science]

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どれだけ待ち焦がれたことでしょう・・・寒くなって、晴れていて、境氏と私のスケジュールがあって・・・。もう今日しかない!と出かけた朝。
釧路市内は-12.7度。「まだ低くならないかな」とまずは細岡湿原展望台。何度も目にしているためか、あまりにも感動がない。
ということで、カヌー乗り場に。ところがここもフロストフラワーはほとんど見えず。けあらしも少し。今日はもうダメかな?
「今日は温度を測ろうと思って持ってきたよ〜。さて、川の温度はどれくらいだと思う?」
ちなみに外気温は-19度。流石に釧路市内からは相当気温が低くなっています。
もちろん外気温よりは高いことはわかりますが・・・凍っていないし・・・・・
測った結果、川の温度は-0.5度。凍るか凍らないかの境目。川の中には薄い氷がとけたり、凍ったり、形を変えながら流れていきます。
場所を変えて日が昇り、あたりがキラキラし始め、さらにけあらしも綺麗に見えるように。
刻々と変わる表情に見惚れます。しばし黙って耳をすますと、色々な音が静寂の中に聞こえ始める。
贅沢な時間の過ごし方。寒いのですが、その時にしか目にする耳にすることができないものを感じる。
最高です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/6wbmqEpArspxheWOa99t8i

海氷実験タンクが屋上から(中山 雅茂編) [fun science]

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海氷実験タンクについて。2019年3月の放送で北海道教育大学釧路校の屋上に設置した初代・海氷実験タンクをご紹介。5年ぶりに大学にお邪魔しました。
でも今回は、地上です。昨年の夏に屋上にあった海氷実験タンクを地上に移設・新設なさったと。
屋外で冬に、プールに海水を入れて凍らせる実験を釧路で始めたのは2015年2月。毎年、中山氏の研究仲間と一緒に大工仕事、DIYで少しずつ作りました。まずは外壁を作り、翌年には簡易的な屋根を作り、5年前に、ほぼこの実験タンクが完成。陸上の屋外で、氷の厚さを48.5cmまで成長させることに成功し、翌年も54cmまで成長させた氷のデータを取ることができたそうです。
その後、海氷タンクの屋根の部分に冷却器が入っているのですが、その冷却器の故障や新型コロナで研究仲間が釧路に来られないなど大変な時期があったのです。ですが、研究の世界は止まることはなく、2022年10月に国際的な学術雑誌に各国で行われている海氷実験をまとめた論文が紹介されました。
世界中で室内や屋外で、海水を凍らせて実験していることがあらためて分かったと中山氏。論文を書かれて方は、海水を入れる容器の写真も紹介され、著者として一番最初の方は、Benjamin Hallさんという方。所属はケープタウン大学化学工学部???ケープタウン。南アフリカです。アフリカ大陸のほぼ南端にある大学で南緯34度。こんなに暖かいところの大学で海氷の研究を?と思ったそうですが、同じ緯度で北緯34度ってどのあたり?と思い調べてみると、和歌山とか山口県あたり。「ちょうど今、私が山口大学の先生も含めて海氷の研究を行っているので、そんなに珍しいことではないかもと思いました。」ケープタウン大学には、Marine and Antarctic Research Centre for Innovation and Sustainability、イノベーションと持続可能性のための海洋南極研究センターという部署があり、海氷の研究も行われていることを初めて知ったとおっしゃっていました。
「この論文を拝見して、ここ、釧路で行っている実験タンクの研究も結構いいことやってるのかも・・・と思い、昨年の5月から論文としてまとめることを行ってきました。3度ほど書き直しするなど、論文として受理されるまで時間がかかりましたが、この1月に受理されたんです。」嬉しそうに語っていただきました。
※参考論文:http://dx.doi.org/10.1017/jog.2022.115
“Review of the design considerations for the laboratory growth of sea ice”
・収録後日、中山氏からメールが届きました。<海氷タンク>の論文が受理され、公開されたとのこと。次のリンクをぜひクリックしてご覧くださいね。
https://doi.org/10.1017/jog.2024.6

道東周辺ニシンの話:2010年代以降の漁獲量増加(黒田 寛編) [fun science]

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お正月にカズノコを食べた方も多いと思いますが、今回はその親、ニシンのお話しです。明治時代、道東ではコンブ・サケ・ニシン漁が漁業の中心でした。特に、明治30年頃から道東では、春ではなくて初夏にもニシンが獲れていたという記録があり、当時、小ニシン・馬鹿ニシン・油ニシンと呼ばれていたそうです。襟裳の西側から道東に、回遊するグループがいたようです(今はいません)。
明治期以降、1970年中頃までタイムスリップすると、このニシン明治時代ほどは獲れなくなりました。温暖化の影響を指摘する人もいます。そして、これでもう北海道のニシンの時代はもう終わったのか・・・と考えていたら、実は、2010年代中頃から北海道周辺でのニシンの漁獲量は再び増えたそうです。道東で漁獲されるニシンの代表は『地域性ニシン』と呼ばれるグループで、汽水湖沼内の産卵場で産卵、その周辺海域で小さく回遊して生活史を閉じる集団になり、大回遊しないのが特徴。
例えば、近年の厚岸湾・厚岸湖では、ニシンの卵は厚岸湖東側の密集するアマモや海藻に産み付けられ、その後、孵化した仔稚魚は厚岸湖内で生息、水温が20℃を超えると厚岸湖から水温の低い厚岸湾の底層に生息場所を移動することが知られていて、さらにその後は湾外を小規模に回遊する特徴があり、成長段階に合わせて異なる海域を複合的に利用することが報告されているとおっしゃっていました。
さて、最近の北海道周辺の沿岸漁業でとられているニシンの特徴ですが、まず、厚岸湾・厚岸湖の地域性ニシンの漁獲量が2015年から突然増えました。2015と2016年には1000トン越えして、その後はいくぶん減少傾向。増えたのは2012年級群(2012年生まれ)であり、この年のニシンの生き残りが非常に良かったということが指摘されているそうです。「厚岸ニシンの専門家とも2012年級群の増大要因について話をしたことがありますが、正直予想外で、大変驚きだったことと、産卵場や初期成育場周辺の水温と関係があったのでは?ということでした。」ニシンは非常に浅い場所で産卵し、2012年当時、産卵場周辺の水温を観測していなかったため、その真意は未だ明らかではないそう。
最近年、厚岸ニシンの漁獲量は減少傾向ですが、根室海峡周辺、特に標津町や羅臼町周辺でニシンの漁獲量が増えているそうです。根室海峡周辺では風連湖の『地域性ニシン』の漁獲量が2010年代に徐々に増加しはじめ、2018年以降、特異的な豊漁状態にあるということです。特に増えているのが、風連湖の『地域性ニシン』とは異なるグループの漁獲のようで、漁獲量増加の原因は未だ不明・・・と。
また、北海道のオホーツク海沿岸(紋別など)でも2020年の前後でニシンの漁獲量は増えているそうです。でも、どの集団を漁獲しているかがわからないのが現状で、漁獲量増加の原因が特定されていないと。中には国境を越えてくるニシンもいるので、なかなか科学的に理解するのが難しいのが現状とのこと。「いずれにしても道東沿岸周辺では2010年代以降、ニシンの漁獲量が増えているので余裕があれば、輸入物(アメリカ産やカナダ産)よりも少し値段は高いですが、北海道産、特に、道東産を買って頂ければと思います。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/4aeKDmyORB6FerlhX4HBlv

冬の造形美探し〜塘路湖(境 智洋編) [fun science]

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風が冷たいある日曜日、氷の状態を確かめに塘路湖へ・・・。12月の下旬です。
まるで春のはじめといった氷の状態。昼はプラスの気温でした。
薄い感じの氷が見えるだけ。そして所々には下の水の色が浮き上がっています。
まさに氷と水のせめぎ合い。色が優しい。白黒つけない感じ。水墨画みたいです。
境氏曰く、「ゼロまたぎの時と気温差が非常にある時は美しいものが見えるのです。
だから僕は一番寒くなる1月下旬から2月初旬の朝がどんな素晴らしいものと出会えるか楽しみですし、美しいと勧めています。」
氷の上の模様も水としての表情も決して同じ模様はありません。その時の気温、湿度、風、天候・・・・・様々な条件で見せてくれる表情は変わります。
自然が作り出す造形美は一期一会ということをまたあらためて感じた取材でした。
さて・・・放送の頃には塘路湖はどんな表情を見せてくれているのでしょう。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/7848qhsl7bGZ8PaxnkVQZd

カシパンウニ??〜逹古武(逹古武層)編(境 智洋編) [fun science]

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逹古武キャンプ場の入り口、国道からすぐの右側の土手?丘?には古い時代のウニの化石が埋もれています。
それは、カシパンウニ。面白い名前ですよね?見た目がまるで菓子パンみたいに綺麗な模様が入っているそうです。現存するウニです。
実はこのウニの化石が入っているのは、逹古武層の特徴だそう。時代的には、今から100万年くらい前のものとのこと。
実は、以前にクジラの骨の発掘をしたところとほぼ同じ時期。火山灰が多く、軽石が丸くて大量に出てきます。ということは水が関係していると・・・。
場所的には海でも浅瀬、浅くなっている時代だそうです。そんな時代の痕跡がすぐそこで見ることができるなんて、素晴らしいですね。
「僕の推測ですけれど・・・以前のクジラの発掘の時、クジラの上下は火山灰がとても多かったんですね。そしてクジラの周辺だけが粘土質の土でした。
おそらく、その時代に海を覆い尽くすような大規模な火山噴火があり、それがここの浅い海に堆積したのかな?と。」
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/10WGZPudDLbdiHl4RA1yE2

月の満ち欠け・地球の満ち欠け(中山 雅茂編) [fun science]

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「小学校や中学校での理科の授業の中でも、月の満ち欠けについて、5~6年前からいろいろ考えています。どうしたらわかりやすいだろうと・・。」
あまり学校で勉強した内容を覚えていないと中山氏。当時、青少年科学館に通ってプラネタリウムを見たり、天文台で何度も月を見せてもらった記憶が強く、小学校で月の満ち欠けを勉強した記憶を思い出せないとおっしゃっていました。「現在は、小学校と中学校では、月の満ち欠けの学び方に大きな違いがあって、それがとても面白なと感じています。」今の小学生は、地球から見た月の様子、三日月から半月・満月と変わっていく様子をできるだけ見たままに勉強するそうです。例えば、夕日が地平線に沈む時、夕日の少し上の方に月があれば、三日月に見えるのですが、何日か経つと、夕日が沈む時に、南の空に半月が見えるようになります。もう何日か経つと、夕日が沈む時に、東の空から満月が昇ってくるようになります。このように、地球から観測した様子をもとに月の形が変わっていくことを勉強しているそうです。
中学校では、黒板に地球と月と太陽を太陽系の上の方から見たように描き、地球から飛び出して、地球の上の方から、地球や月・太陽を見下ろすように見た形で考えるようにするのです。地球から月を見ていると、三日月になったり半月や満月になったりします。でも、宇宙から地球・月・太陽を見下ろす様にすると月はずっと半月にしか見えないのです。では、その状況を地球から見たらどう見えるか?と考えるのが中学校での勉強になっているそうです。「宇宙から、地球・月・太陽を見下ろすように見ると、月はずっと半月なのに、地球から見たらどう見えるか?っていうことですからね。
きっとこれは、月の見え方の勉強をしながら、物事の見方を変える練習をしているんだと思うんですよね。」と中山氏。
次に地球の満ち欠けについて・・・。朝、地平線から日が昇る様子を見たことありますか?地平線から太陽が上がってきて、太陽の光が自分にあたると暖かくなったり、直接、地面に光が届いて”日が届く”という変化を実感するのではないでしょうか。その時の様子を、宇宙から見たらどんな風になるだろうと想像してみましょう。地上で見ている時は、東の空から太陽が昇ってきてどんどん地面が明るくなっていくので、それを宇宙から見ると・・・宇宙に浮かんでいる地球があり、北海道は、根室や厚岸の方はもう明るくなっていて、釧路から帯広にかけてだんだん暗くなっている。地球も三日月や半月のように満ち欠けを繰り返しているようです。
地球にいると夜明けや日没という表現をしますが、宇宙から見ると、ちょうど夜と昼、太陽の光が当たっている部分と当たっていない部分の境目。自分の身の周りで起こっていることを自分が見るのと、自分のそとから見るのでは違った見え方になる。どこで何を見るかで見方は違ってくるのです。

地層の表面のアイヌ文様は〜special version〜(境 智洋編) [fun science]

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壮大さ伝わりますか?境氏が入っているので、どれだけ巨大な感じか理解していただけると思います。
実はここ、地層の表面にアイヌ文様みたいな非常に美しい模様が見えるのです。
最初に発見した時にはとっても感動したことを覚えています。何度見ても飽きません。
この模様はどうしてできたのでしょう?回答は放送で確認してくださいね。
さて、釧路地方の海岸線、ほぼ網羅してきましたが、ここは実は今まで見る中で一番古いと言っても良いのではないでしょうか。
釧路での汐見層が一番古いとずっと話してきましたが、ここはそのさらに下の部分が出ているのです。
根室層の昆布森層。礫と砂岩泥岩が交互に綺麗に見えます。この場所から根室半島までどんどんさらに古くなって行く一番西の部分にあたるところ。
白亜紀前後と・・・もう頭の中がついていかない。
まだおそらく開拓されていないと思うのですが、アンモナイトとか、白亜紀の貝化石とか、
海獣とか・・・もしかすると発見されるかもしれない、そんな余力を残している場所です。
※音声はこちら・・・

道東赤潮から2年が経過:最近の研究の進捗(黒田 寛編) [fun science]

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道東の沿岸で前代未聞の大規模赤潮が発生して早2年が経過。ウニを中心とした漁業被害は90億円以上とか・・・。赤潮の優占種は「カレニア・セリフォルミス」その赤潮が発生したのは2021年秋の道東が日本で初めてでした。今年10月、一つの論文が学術誌に掲載され、今回はその概要を説明していただきました。
「この研究は私のグループの谷内さんという植物プランクトンを専門とする女性研究者が主体的に取り組み、私は研究の方向性を整理して論文化する際のサポート役として参加。今後、道東赤潮の教科書になるような研究だと考えています。」この研究では2015年10月に開始した道東大陸棚域の調査船による観測データを解析。この論文での主な解析の方針は非常に単純で、2015年~2020年10月の状態と、赤潮が発生した2021年10月の状態を比較し、統計的に有意な差があるかどうかを整理。まずは、水深10mから得られた植物プランクトンの種組成データを解析すると、2021年10月はカレニア属が優占する海になっていたことがわかったそうです。それに加えてわかったことは、カレニア属はすでに赤潮発生前年の2020年10月にもかなり僅かながら道東域に分布していたこと。現時点ではカレニア属という大雑把な分類なので、カレニア・セリフォルミスあるいはカレニア・ミキモトイ等かどうかまでは特定できないと。ただ、現在、遺伝子解析を進めているので、今後2020年10月に見つかったカレニア属がカレニア・セリフォルミスかどうかまで特定できる見込みとの事。
次に、海面下10mから得られた植物プランクトンの色素(クロロフィルa)濃度を2015-2020年と2021年10月で比較。海域全体で、2021年10月のクロロフィルa濃度が2.3倍濃度が高かったことが判明。2021年秋の道東沿岸の波打ち際は濃い黄褐色だったので、平年値よりも明らかに大きなクロロフィルa濃度と認識されているそうですが、道東の大陸棚域全体で平均すると、平年値よりも2.3倍程度の差があったということです。
さらに植物プランクトンが光合成に使う栄養、この濃度を比較。海面下10mから得られた栄養塩、具体的には、硝酸塩・リン酸塩・ケイ酸塩の3種類の栄養塩濃度を道東の大陸棚域全体で平均すると、硝酸塩とリン酸塩については、2015~2020年10月と2021年の間に差はなかったそう。一方、ケイ酸塩という栄養塩には顕著な差があり、2021年10月がその他の年よりもたくさん余っていたそうです。つまり、カレニア属は渦鞭毛藻という種類の植物プランクトンで、通常年の秋の道東沿岸では、珪藻という別の種類の植物プランクトンが優占。珪藻はガラス質の殻をもつ植物プランクトンで、ガラス質の殻を作るためにはケイ酸塩という栄養塩が必要になります。しかし2021年10月はこのケイ酸塩が余っていたそうで、それはケイ酸塩を使う珪藻が劇的に減っていたことが原因だったそう。珪藻にも色々種類があるので非常に雑な言い方では、通常よりも2桁少なかったそうです。要するに、本来の道東海域「珪藻の海」が、2021年は「カレニア属の海」にかわり、非常に小型の植物プランクトン(ピコ植物プランクトン)にまで影響が及んでいたとおっしゃっていました。さらにより詳しくデータを解析すると、2021年10月、場所によっては、硝酸塩やリン酸塩(栄養)が完全に枯渇していないにも関わらず、珪藻やピコ植物プランクトンの数が少ないことが判明。「まだ、仮説の段階ですが、二つの可能性を考えています。一つはカレニア属がピコ植物を食べているのではないか?という可能性。カレニア属は植物プランクトンですが、混合栄養といい、光合成もするけど、動物プランクトンのように小型の植物プランクトンを食べる可能性があり、カレニア・セリフォルミスについては未だ賛否両論ありますが、この可能性が捨てきれない・・・。
もう一つの可能性。アレロパシーといって、カレニア属が何らかの化学物質を出すことにより、他の植物プランクトンの増殖を抑制している可能性があるという事。実際に培養実験を行って確かめてもらっているところですが、アレロパシーは十分にありうる可能性だというのが私の印象です。」
いずれにしても、この研究を実施したことで、想定外の、むしろわからないことが増えてしまったそうです。それらを明らかにするための芋づるをまた新たに引っ張り始めているという状況が現在とのことでした。
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/6JSdidkDku62GKuhAAFIkv

地層がずれる〜入境学(汐見層)編(境 智洋編) [fun science]

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高台から海岸を眺めてみる・・・なんだかわかりますか?
そう、地層のズレがよくわかるのです。さらにそのズレは海岸線まで続いています。
転がった岩もきっと影響なのでしょう。
今回は潮が結構満ちていて、波も高かったので、いつも行く場所までは到達できませんでした。
また違う風景が広がるのですが・・・
目の前に現れた汐見層。模様というか、岩の感じが幾何学的に見えます。
ここにはたくさんの貝化石が入っているのがわかります。小さな小さな貝ですが、巻貝や二枚貝等様々。
今から4000万年以上前の貝ですよ・・それが目の前に現れているなんて、なんとも不思議な気分です。
釧路地方では一番古いと思われる汐見層。今から4000万年以上前には海だった岩が、目の前でみることができるのです。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1BhQyCX6KoA898RIzpjibt

サンショウ(野村 香編) [fun science]

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今回はサンショウ。実ではなく、その皮を水蒸気で蒸留。
主成分はβフェランドレン、シトラール、リモネン・・・モノテルペン炭化水素です。
香りはスパイスとして利用するあの香りとは違いました。柑橘系のスッキリした感じ。シャキッとする感じがしました。
気になる有用性ですが、食欲増進、消化促進、そして、脂肪代謝促進作用が・・・。
気持ち的には、スッキリしない時や気分が落ち込んでいる時に。ただし落ち込みすぎていない時。
この寒暖差がある、寒くなる季節には嬉しい香りのようです。
例えば、寒暖差アレルギーとか咳が出るとか・・・。ラヴィンサラとブレンドしたオイルケアを部分的に使うことで楽になることもありそうです。
「それにしてもこんなマニアックなエッセンシャルオイルを作るって大変だと思いませんか?あの小さな山椒の皮ですよ・・・だから希少なんですよ。
それだけにギュッとエッセンスが詰まっている・・・japanese pepper」
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/6y37EV4AfVDESiKdYUOHNQ