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釧路湿原に生息する両生類にとっての大きな脅威(照井 滋晴編) [nature treasure]

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4.jpg釧路湿原周辺には4種類の両棲類が生息しています。
キタサンショウウオ、エゾサンショウウオの2種類のサンショウウオと、エゾアカガエル、ニホンアマガエルの
2種類のカエル。 これらはすべてが在来種。
実は4月末に外来カエル類のうちの1種と思われるアズマヒキガエルの卵が釧路湿原で見つかってしまったのです。
見つけたのは、釧路市が実施する環境調査を請け負っていた調査会社の方。照井氏は連絡を受け、一大事だということで
現地に行きその卵を見せてもらい愕然としたのです。
ヒキガエルの卵は、エゾアカガエルのように無数の卵が集まった塊ではなく、一本のひものような袋に多数の卵が入っていて簡単に見分ける事ができるそう。鳴き声も異なり繁殖期のみ「クックッ・・・」と小さい声で鳴くそうです。
このヒキガエルの1番の特徴は身を守るために毒を持っていること。毒を持っていることで捕食者が少なく、
もともとヒキガエルのような毒をもったカエルがいない北海道では捕食者がいないのです。
さらに、幼生の頃から毒を持っているのもやっかいなのです。 ヒキガエルというカエルは非常に泳ぐ能力がほとんどない未熟な状態で卵から孵化します。
殆ど泳がない幼生は、他の水生生物にするとよい獲物。 当然、サンショウウオの幼生やカエルのおたまじゃくしは食いつきます。すると食べた側が死んでしまうのです。
エゾサンショウウオやエゾアカガエルの幼生がヒキガエルのおたまじゃくしを食べるとどうなるのかという実験が北大の研究者によって実施されているそうです。
それによると両方とも高確率で死亡することがわかっていると。 つまり同じ池でこれらの幼生が一緒にいると、在来種であるエゾサンショウウオやエゾアカガエルが
絶滅してしまう危険性があるという事。 ヒキガエルはたべられる側としても食べる側としても非常にやっかいなカエルなのです。
「もし釧路湿原で見慣れないカエルを見つけたという方がいましたら、私のところでも、釧路市等の自治体、北海道、環境省でも構いませんのですぐにご一報いただければと思います。 外来種の対策は、いち早く実施しないと手遅れになることが非常に多いのです。まだ目立たないうちに対策をしないと釧路湿原の生態系がめちゃくちゃに
なってしまいかねません。今年の春に卵が見つかりさらに受精していたという事は少なくとも雌雄が揃っているという事。来年も産卵に現れる可能性が高いと思います。
早いうちに駆除をしてキタサンショウウオなどを守っていければと思っています。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/4KzV2XXp1uJLQzj9TzbfLu

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