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2022.1123 O.A 釧路赤十字病院 内科 古川真氏 ~1~ [close to you <dr.編>]

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今回は「痩せた〜い!でも食べた〜い!」それをかなえてくれる奇跡の薬が出ているそうです。まず、体の中で「食べたい」というのはどう起こってくるのか?
満腹中枢は食べた後に胃が大きくなったり、食べた血糖値が上がり、その神経を刺激してお腹がいっぱいになったと知らせをするわけです。
それが麻痺してしまう、満腹中枢が十分に働かないということが起こりうるのです。そうすると、過食に走るというわけです。
「そもそも、ものを食べて消化する。糖分に限っていうと、膵臓から消化酵素が出ます。すると一番糖分の最小単位のブドウ糖のところまで行くと、食べ物がきたよと
腸が感じ、そしてその腸からホルモンが出るのです。それがインクレチン。インクレチンが膵臓にご飯がきたと知らせます。
すると膵臓は食べ物がきたからブドウ糖を処理するためのインスリンホルモンを出す。それがブドウ糖と一緒になり肝臓に行き、糖分を運び、
肝臓の中で全体の糖分の半分くらいはグリコーゲンという形で体の中に蓄えます。お腹すいた時用のストックにしておきます。残りの半分は体の色々なところに行き、
体の中のエネルギーとして体を動かすという形になっているのです。」お腹がいっぱいになって食べなくなるとインクレチンホルモンは分解されてしまうそう。
ご飯が食べ終わったと認識し、今度はインスリンホルモンが膵臓から出なくなり、グルカゴンというホルモンが出てくることに。
膵臓はご飯がきた時用のインスリンホルモンと、ご飯が食べ終わった用のグルカゴンホルモンと2種類で糖分をコントロールしているそう。
グルカゴンホルモンは肝臓でストックしていたグリコーゲンを切り崩して、グリコーゲンをグルカゴンホルモンによってまたブドウ糖に戻すそう。
だから食べている時も食べていない時も、だいたい同じ血糖値に保てるように体のコントロールをしていく役割をインクレチンホルモンとグルカゴンホルモンの
連係プレイでしているそうです。食べても満腹中枢が働かない人はインクレチンホルモンの働きが弱くなっているので、インクレチンホルモンを補充してあげるという事。
このインクレチンの薬、今までは注射だったのですが、それが飲み薬として登場したのが2年ほど前のこと。ただ飲み方をきちんとしないといけないそうです。
ですからそもそもは糖尿病の薬。肥満タイプの方、どうしても食べてしまう方に、画期的なものとのこと。食事の行動に変化が現れるみたいです。
ということは、痩せたいからこの薬飲みたい!とはならないのです。「そこが問題で、保険で診療している医療機関だときちんと糖尿病の診断をつけ、その薬が適している方に使っていく。この薬はあくまで膵臓の働きをサポートする薬なので、膵臓がきちんと機能している状態の人に使わないといけないので、その判断ができないといけないのです。そして、この薬は日本においては痩せ薬ではない。自由診療をやっている医療機関があるような都会ではそれを痩せ薬として使っているところがあるので、
それが問題。客観的に見て、痩せている方がさらにその様な薬を飲むと拒食症の状態になってしまうのです。効果でもあり、副作用は食べる事ができなくなってしまうと
いう事なのです。」と古川氏はおっしゃっていました。

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