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2023.0524 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏 [close to you <dr.編>]

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今回は人口減に関わる医療従事者の人材育成・確保について・・のお話しです。
合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)という数値があり、この数値が2を切ると、人口減少に転じると言われているそうです。
世界で最もこの値が高いのはイスラエル。政策として働く女性が安心して出産できる環境を整えている背景で、日本の5倍以上もあり、6以上。日本は1.3くらいとのこと。
世界最低なのが韓国で0.8台、どんどん人口が減っていくため、国家プロジェクトとしてロボットを増やして人員不足に対応しているそうです。
また、欧米諸国は1.6〜1.8くらいですが、それでも人口減少の可能性があるそうです。
出生率が下がると何が問題かというと、自動的に高齢社会になる、そして、若手の働き手がどんどん減るので地域格差もあり、日本全体では北海道の人口流出・減少が
大きくなるということ。40年前は10人の労働力で1人の高齢者を支えれば福祉は大丈夫でしたが、現在は2人に1人の割合で高齢者を経済的に支える必要があり、
ますます生産年齢への圧迫が大きくなっています。
病院も同じく、医療従事者はこの生産年齢層の人口によって支えられています。韓国では、社会で働く生産年齢人口が必要数を明らかに下回る状態になっていて、
生産年齢による労働力が慢性的に不足しているので、ロボットの導入でそれを補うことが通常となっているそう。ですから世界で最もロボット化が進んでいる国に
なっています。日本もそれに準ずる形で先進国の中では比較的ロボット化が進んでいる国になっているそうです。
「医療従事者は、他の業種と同様に、今後ロボットの導入を進めていき、不足する労働力を補っていかねばなりません。ただ、問題は、各専門職が細分化されていて、ロボット化が難しい専門職も結構るのです。技術が進み、自動化・ロボット化・デジタル化が待たれるところです。
市立釧路総合病院は比較的、他の病院に比べて、まだ医療従事者が多い施設ではあるのですが、全国各地域の同様な大きさの医療機関と比較した各専門職種の人員充足率は、2020年の最新統計によると、医師48.9%、看護師95.7%、薬剤師64.9%、医療事務60.8%、検査技師77.8%という状況でした。
特徴的なのは釧路は薬剤師と医師の数が圧倒的に他の地域よりも少ないということでした。」
地域に安心・安全な医療を提供するためには、各職種まんべんなくバランスの取れた人材供給をすることだと思います。
今後ますます生産年齢人口が減少し、対象となる高齢者・患者層が増大していくのはまぎれもない目の前にある現実。
「自動化・ロボット・デジタルによって業務を移管していくことと同時に、人材教育・発掘もしていかねばならないのです。」と最後におっしゃっていました。

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