SSブログ

museum change lives [close to you <art編>]

IMG_7603.jpgIMG_7604.jpgIMG_7606.jpgIMG_7608.jpgIMG_7609.jpgIMG_7610.jpgIMG_7611.jpgIMG_7612.jpgIMG_7614.jpgIMG_7618.jpgIMG_7620.jpgIMG_7623.jpg
今回は博物館浴について。九州産業大学 地域共創学部 教授の緒方泉氏が釧路にいらっしゃった時にインタビューさせていただきました。彼の専門は博物館学、臨床心理学。福岡県庁を経て、2002年から九州産業大学美術館へ。2018年4月から現職。高齢社会における博物館と健康の関係に関心を持ち、これまでケアとアート等の研究テーマに取り組む。学芸員人材養成に携わると共に、博物館の健康効果に着目した「博物館浴」の実証実験を開始し、メディアに多数取り上げられている・・・そんな緒方氏、museumへの愛情が半端ない!とインタビューさせていただいて一番に感じたこと。もちろん釧路でも実証実験のためにいらっしゃっていました。現在約600人の方に実験していただき、データを集積しているところです。最終的には1000人程度のデータを集めたいと。
さて、博物館浴とは?〜博物館に少しだけいるだけでも、リラックス効果や血圧安定等が得られる。博物館の健康効果に着目しエビデンスを集めている最中。そもそも、高齢社会における博物館と健康の関係に関心を持ち、ケアとアート等の研究テーマに取り組んでいらっしゃいます。
海外でも同じ様な取り組みがあり、イギリスでは子供たちへのメンタルヘルス支援、オランダ美術館では研修医を対象にアート鑑賞プログラムを実施、ストレス軽減、観察力や共感力の向上に繋げていたり・・。カナダでは、精神的な疾患を抱えた患者に医師が<博物館>を処方する。これは2018年から始めているそう。また、イタリアでは古美術を鑑賞すると心が落ち着き、血圧が下がり、現代美術を鑑賞すると血圧が上がるという結果がでたそう。
緒方氏が実際にデータを集め始めたのは、中高生、大学生、博物館関係者等を対象に2020年9月から実証実験を開始したそうです。
その方法ですが、質問紙を使いストレスを測る心理測定と、血圧・脈拍を測る生理測定→博物館見学→再度数値を測定という流れ。その結果、現段階でわかってきたこととは?博物館浴には心身をリラックスさせる効果がある。それは美術系・歴史系・自然史系・考古系・民族系等館種に関わらず。
「普段から館に出かける人もそうでない人も。たとえ短い時間でもオッケーなんです。
日本には5700を超えるmuseumがあり、世界でも多いほうなのに、一度も行ったことがないという方も多い。それってとってももったいないこと。今後、museumのジャンルごとに得られる健康効果の違いがはっきりすると目的に応じた使いわけもできるかもしれません・・・。今日は民族資料館でリラックスしようとか、現代美術のギャラリーでエネルギーをもらおうとか、日常の中にそんな選択肢が増えたら嬉しいですね。」

Facebook コメント