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太陽光発電施設の問題〜釧路と根室(照井 滋晴編) [nature treasure]

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釧路市の「自然と共生する太陽光発電施設の設置に関するガイドライン」について。環境保全や野生生物の保護の面から市の天然記念物であるキタサンショウウオや、特別天然記念物タンチョウなどの希少な野生動植物の生息地を太陽光発電所の建設に「適当でないエリア」に設定し、建設中止を含めた計画の見直しを事業者に求めることを明記。今回のガイドラインの中でいう希少な動植物というのは環境省の種の保存法、天然記念物を定める文化財保護、文化財保護条例などに該当するものしか明記されていないのが少し残念だったと照井氏。
この法律や条例に該当する種は釧路市の天然記念物であり種の保存法指定種であるキタサンショウウオ、国の特別天然記念物であり種の保存法指定種であるタンチョウ、国の天然記念物であり種の保存法指定種のオジロワシ・オオワシ、種の保存法指定種であるチュウヒ、シマクイナなどの鳥類が挙げられます。「釧路湿原域にはこれらの種以外にも絶滅危惧種に選定されている動植物が多数生息しています。私個人としては環境省及び北海道が定めるレッドリストに名前を連ねる種も対象にしていただけるとなお良かったと思います。」
また、ガイドラインの中では「地域の有識者や専門家などに助言・指導を求め、希少な野生動植物の保全に向け適切な対策を講じること」とあるそうですが、事前に生息状況や工事の影響予測を行う調査や、建設後のモニタリング調査をする事という内容までは書かれていないそう。あくまでも有識者や専門家まかせになっていることも今後改善の余地があるのでは?と感じたとおっしゃっていました。
加えて、このガイドラインでは、近隣住民への説明会の実施することを求めているそう。これまでは事業者が地域の方々の意見を聞くような場はほぼ持たれていなかったので非常に良い内容だと・・。ただ、対象が近隣住民に限定されていることや近隣住民がいないような原野に建てられることがほとんどで、説明会の対象となる方がかなり限定されそうな気がする・・・とも。実際には、ほぼ説明会が行われないという可能性も考えられるので、市には実情をしっかりと検証してもらえればとおっしゃっていました。
釧路市以外、他の近隣市町村でも太陽光発電施設の建設に関するガイドラインの策定が行われ、新聞などでも取り上げられていました。
根室市は、6月29日に太陽光発電施設建設事業者に求める指導要領の策定を発表。根室市の場合はガイドラインではなく指導要領。そこでは市の指導に従わない悪質な業者を公表するなど実効性を担保する内容が盛り込まれていてこの点が釧路市のガイドラインと一番大きく違う部分とのこと。
また、「事業を予定している事業者は、事業予定区域での事前調査を行うこととする」とあり、その事前調査の中には、①として建設前の動植物調査(天然記念物等で保護されている動植物、渡り鳥が飛来するコース等)として動植物調査が挙げられているそう。対象は釧路市と同様にかなり狭いそう。ただ、調査の実施を求めているという点では釧路市より少し踏み込んでいるなと感じたとおっしゃっていました。
「どちらの市のガイドラインも良い点、物足りない点があり、今後改善の余地があるのだろうと思いました。いずれも策定して終わりではなく地域住民の意見を取り入れながらどんどんブラッシュアップしていってほしいと思います。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/0zsvTTxVrAmOsyiTOc5h0I

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