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2023.1213 O.A 市立釧路総合病院 放射線診断・IVR科 曽山武士氏&北大病院 超音波指導検査士 西田睦氏~1 [close to you <dr.編>]

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この日のこの時間に収録を・・・と何ヶ月か前にメールをいただき、今回は北海道大学病院から超音波のエキスパート西田睦氏と共にスタジオイン。
専門学校を卒業後、札幌の太黒胃腸内科病院に勤務し、そこで超音波に出会ったそうです。当時は超音波検査がすごく珍しかったそうで、学生時代も超音波に関する教科書の資料は1.2ページくらいしか記述がなかったと。それが約30年ほど前のこと。それから超音波の世界にどっぷりと関わっていらっしゃったのです。そもそも太黒胃腸内科病院の院長が新しもの好きの方で、院長かもしくは先代の院長が、北海道内に公衆電話を初めて入れた病院だったそうです。ですから超音波検査は北大病院よりも先に入れたそう。北大から太黒胃腸内科病院に患者さんを連れて検査をなさった先生もいらしたそうです。大学病院の検査ではなく、普通の一般の患者さんに定期的に実施する様に位置付けたのは当時の先生だったとおっしゃっていました。
曽山先生とのつながりは・・・。北大病院のお腹部分の超音波検査の歴史が途絶えようとしたことがあったそうです。このままだと大学病院なのに超音波検査部門がやる人がいなくなる状況で、その時に当時札幌医大にいらした西田氏を北大病院が引き抜いたとのこと。その西田氏が検査室を立ち上げて盛り上げていっているところを横から見ていたらしたとおっしゃる曽山氏。そこで実際に研修を受けなければと思い西田氏のところへ。「もう中堅で、医師バリバリで教わることなんてないのにな・・と思っていましたよ。」
昔はCT検査はなく、その後CTが出てきた時には造影剤を使わないCTだったそう。超音波は昔からあるのでCTよりも分解能は上だと考えられていたそうです。それがある時、造影剤を使う様になり非常によく画像が見える様になりました。さらに進み、短時間でたくさんの枚数を撮ることができ、あっという間に検査が終わるというCTが出てきたのです。すると先生は放射線診断の先生なので、その画像をよまなければならない。超音波検査に時間をかけることができなくなってしまったのです。
「ところが、CTやMRIの画像は過去の画像なんです。今診ているものではなく。昨日とか先ほどとったものにレポートを書いているのです。今、患者さんがどうかというのは超音波でないとわからないのです。」と曽山氏。西田氏は超音波検査が大好き。肝臓の中の小さい血管が詰まってしまう病気があるそうで、それをライフワークとして研究なさってきたそうです。超音波の存在は西田氏にとっては患者さんに貢献できるツール。なので、もっと色々な方に使ってほしいし、もっと色々な患者さんに役立ててほしいと。現在、超音波は過小評価されているようなところもあるとおっしゃっていました。実は超音波は非常に有用な検査なのでそれを広めたいのだそう。CTとの違いは・・・CTは機械で人の手はほぼ入らず客観的。誰が見ても同じ初見・診断ができる。超音波はその診断をするための画像を自分の手で作らなければならない。自分の手がうまくなかったら診断に至る画像が出ないと。さらに、CTはX線を使うので放射線被曝がある。MRIは巨大な磁石なので体に金属があると撮れない。超音波は何もない。だから広めたいけれどやる人によってうまさがものすごく違う。無害だけれど術者に依存するということ。「この患者さんのために自分が何をできるかを考えつつ、それを出すために自分がどれだけ努力できるか・・・そこですよね。」

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