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2024.0110 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏  [close to you <dr.編>]

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腕時計や指輪、眼鏡などのセンサーを利用して普段の生体情報を記録することで、長年の蓄積された情報から、僅かな変動を捉えて生活習慣病の対策が可能になる生体デバイスの開発が進んでいます。いわゆるウェアラブルなデバイスがたくさん増えてきたということ。
コロナで身近に売られていた指尖脈波動脈酸素分圧モニタ(O2サチュレーションモニタ)がご家庭にもある方も多いと思います。過去には血液を動脈から注射で採血して調べていた血液中の酸素濃度が装着するだけでわかるようになったのは25年ほど前のことだそうです。
また、実際に全身麻酔の手術中に病院では、この酸素分圧モニタの他にも常時、筋肉の運動誘発電位モニタリングで麻酔の深さをチェックするシールを患者さんのおでこなどに貼り、全身麻酔の調節に役立てているそうです。顔の表面にある筋肉の運動反応を調べながら、微弱な電流を皮膚から流し、反応を読み取っています。それで麻酔のかかり具合等をチェックできるそう。
そのような病院のデバイスが一般生活にも応用されてきていると・・・森田氏。微細な生体の水分量や血管内の酸素化状態をモニターするためのシリコンシールにナノメッシュと呼ばれる装置を付け、微弱電流で端末に情報を送ります。装着しているのを忘れるぐらい軽くて邪魔にならないそうです。
例えば、寝ている人の枕の表面に装着して、皮膚からの呼吸数や心拍数・体の動き・筋肉の活動などをモニター。睡眠の深度を記録する装置は、枕の他にスタンド型や布団の中、アイマスクなどで実用化されてきているとおっしゃっていました。シート型や据え置き型では、実際に寝てみると、何かを装着されているのを自覚することなく、普段通りに生活するだけ。それが、病棟のモニターには遠隔信号で安静な睡眠が出来ているか、急なトラブルが起こっていないかを看護スタッフが見守ることが可能になっているのです(一部の病棟ですが)。患者さんにとっても、器械や点滴をしていなくても良いので、非常に違和感なく受け入れられているそうです。
そして、このような先進機器を用いて、災害時の避難所でメンタルケアを行ったり、睡眠や認知状況を解析する研究を行っている方がいらっしゃいます。慶応大学理工学部の満倉靖恵教授。新たなデバイスとして世界初の「リアルタイム勘定認識装置」を開発し、米国TIME誌の世界の発明ベスト50に先日選ばれたそうです。眼鏡型のデバイスとスマホ送信で、視線や瞬き、眼球運動などの生体情報をモニタし、つけている人が見る視野も同時記録して、何に対して感情的反応が起こったのかを遠隔記録する「気持ち録画システム」で、安全な生活に役立てようというものだそう。
確かに便利になものはたくさん世の中に溢れていて、その反面、様々な弊害もあるのが事実。良い方向に利用され、さらに私たちの生活が快適になるのであれば両手を上げて喜びたいところですが・・・。

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