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2022.0824 O.A 釧路赤十字病院 内科 古川真氏 ~1~ [close to you <dr.編>]

古川dr1血圧.jpg
古川劇場のはじまりはじまり〜ではないのですが、今回から3回に渡って血圧・糖尿病、ウイルスをテーマにお話ししていただきました。
まずは血圧ってなに?血管の中を血液が流れていく勢い。血圧をはじめて測った人は誰でしょう?馬の血圧を測ったのが最初。
1733年、イギリスのスティーブンヘールズ医師で牧師の方が、血圧を皆に見せようということになり、まだ麻酔がないので、馬の頸動脈に長いガラス棒をさしました。
その時に赤い血がガラス棒の中を上がっていくのを見て、これが血圧と見せたのがはじまりなのだそう。動物の体の中をその様に血液が巡っていることを証明して
みせたのです。これをどうやって人間に応用したのでしょう?1890年代になり、イタリアのリバロッチという方が今の血圧計の原型(水銀を使用)を考えたそう。
血圧を測ることができるようになって130年位しか経っていないのです。血液というのはほぼ水と一緒の重さ。水銀は液体だけど金属なので、水の13.6倍重いのです。
ガラス棒を使った時に上がった高さはだいたい290cm。もし血圧計を水で測っていたら3m位の高さの機材を使わなければならないということなのです。
血圧の単位にはHgが使われていますが、それは水銀の元素記号。馬で測ったのが290cmH2Oを13.6で割ると、だいたい210mmHgになるそう。
ですから30cm位の高さの血圧計があれば、馬の血圧も測ることができるということになるのです。
その後、ロシアのコルトコフ医師が開発したのが、聴診音法。上腕の動脈を圧迫し、続いて減圧した時に生じる血管音を聴診器で聴き取りながら血圧を測定する方法です。
これが、最高血圧(収縮期血圧)と最低血圧(拡張期血圧)を客観的に測定した初めての方法とされています。
さらに、当時はその血圧が重要か重要でないのかはわからなかったのです。年をとって血圧が高くなるのは当たり前だと考えられていました。
それが高血圧は良くないのでは?といった事件が・・。1945年ヤルタ会談が開かれました。アメリカからルーズベルト、イギリスはチャーチル、ソ連はスターリンが参加。
その時実はルーズベルト大統領は心不全でヘロヘロ状態だったそう。ヤルタ会談が終わった後、彼は脳卒中で亡くなってしまったのです。その時の血圧が300-190。
ただ、その当時の主治医たちは血圧を下げるための手段がなかったのです。実は、高血圧がまずいと提案したのは医師ではなく、生命保険会社。
1911年位から生命保険会社が保険に入る人たちの血圧を測り始めたのです。すると、どうやら血圧が高い人は病気になりやすいと気づき始めたのが1940年代くらい。
血圧が140-90が、病気が多くなる境目になりそうと生命保険会社が見つけたのです。その頃から利尿剤や血管拡張剤等が出てきたそう。武器ができてきたのです。
さらに、色々研究調査も進み、血圧をあげるホルモンがあるのでは?とか、腎臓の方から出てくる血圧をあげるような成分が発見され、それをブロックすることにより
血圧をコントロールする。武器がどんどん増えてきたそう。それが今につながってきたのです。
血圧が高くなる原因は主に3つ。血管の硬さと塩分と血圧をあげるホルモン。身体にとって負担にならない食べ物をとり、身体を動かすことが重要ということの様です。

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