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若冲の展覧会(武束 祥子編) [varied experts]

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2022年4月から金曜日5週目は「かってにアート」と題しまして、作品の鑑賞の仕方の一つとして、もしくはこんな見方もあったのね・・・と思っていただけるような
美術に興味を持っていただける方が1人でも増えてくれたら良いなという思いを込めて、お送りしています。今回は若冲。
何より大学時代に初めてたくさんの人が押し寄せる展覧会にびっくりし、その若冲の魅力にはまったと武束氏。
若冲といえば・・・有名な作品があの鶏でしょうか。まだまだたくさんあることに今回のお話しで気づくことができました。
若冲は幼少期から優れた画才を発揮。10代半ばを過ぎた頃、狩野派の流れを汲む大岡春卜に師事したとされます。ただ、狩野派になじめなかったようで・・・
中国からの宋元画に惹かれ、独自に熱心に模写を繰り返し技術を習得。
彼の生家が商う野菜・市場にたくさん並ぶ魚たち・自宅の庭で飼っていた鶏など、身近にあるものをつぶさに観察し、写生することで独自に腕を磨いていきます。
真面目で、余白恐怖症にも思えるほど、緻密なタッチで描かれる作品。ところが他にもタッチの違う作品を描いているのです。
とにかく多彩。特に、水墨画で発揮されるユーモア。そして、思わず微笑む漫画的な表情づくりの絶妙さは、あのリアルなディテールで知られる若冲の真逆の面。
水墨画に描かれるユーモアや表情は、もしかすると若冲自身の隠された表情なのかも。。。と思ってしまいます。
「私はこの下に飛んでいく鳥が気になって・・・。図録の解説にはステルス戦闘機という表現が。」と武束氏。学芸員ならではの視点だなと思いました。

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