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太陽光発電施設の乱立・・・その後(照井 滋晴編) [nature treasure]

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最近は太陽光発電施設の乱立問題、一気に問題意識が世間に広がったように思います。
ただ釧路市はなかなかガイドラインの作製や条例の制定に向けた動きを見せず、2023年2月28日の北海道新聞の記事では「規制に向けた具体的な検討はしていない」というコメントが出ていました。 ところが、3月7日の釧路市議会の際に、事態は急変。定例議会の一般質問で、大越市議の質問に答える形で蝦名市長が、釧路湿原や希少な動植物の保護のため、条例化を視野にガイドラインを策定する方針を表明したのです。
「たった一週間前に規制に向けた検討はしていないと言っていたにも関わらず、180度方向転換したコメントが出て本当に驚きました。釧路湿原の環境や動植物を守っていく上では非常によい方向転換なので、良かったの一言です。といっても、現段階では具体的な方針や内容は全く決まっていない様なので、急いで方向性を
示し策定作業を進めていただきたいと感じています。」ガイドラインの作製や条例の制定をすると公の場で宣言したので、そう遠くないうちに太陽光発電施設の建設に何らかの規制がかかると誰もが考えること。
「私が業者なら、そんな規制が出来上がる前に建ててしまおうと考えますし、それが普通の考え方と思います。では、それまでの間はどうするのかですが、駆け込みの建設ラッシュが起こっても行政として環境への影響調査や保全対策をした方が良いとコメントはできても強制はできないのは仕方がないと思います。」
照井氏は行政にすべてを任せるのではなく、彼のような立場の人や市民の皆がしっかりと現状を知り、問題意識を持ち、地域全体で釧路湿原やそこに住む動植物を守っていこうという雰囲気作りが必要とおっしゃいます。そうすることにより、湿原やその周辺域への建設を躊躇する業者もでてくるのではないかと・・・。
また、3月17日に彼の所属団体を含む9つの団体の連名で釧路市に対して要望書も提出。齋藤慶輔氏が代表をつとめる猛禽類医学研究所や湿原周辺の土地の買取り等の活動をしているトラストサルン釧路、タンチョウの保護・研究活動を行っているタンチョウ保護研究グループなどの団体が名前を連ねたそう。
要望書には、提出団体以外にも趣旨賛同団体の名前も記載され、日本野鳥の会や日本自然保護協会、WWFジャパン(世界自然保護基金)にも加わったそうです。
さらに、要望書の他にも3月10日に開催された釧路湿原自然再生協議会では「今後ガイドラインの策定作業に協議会が関われる様、釧路市に要望書を提出する」と
協議会の会長であり北海道大学 中村太士教授が発表。本当に多くの方々が関わり動いていることを実感することに。
「3月は非常に大きな動きが続きました。でも、現時点では実際に実効性の高い条例が制定されたわけでもなく、キタサンショウウオの生息地がつぶされることが
なくなったわけでもありません。事実、先日キタサンショウウオの生息地へ行ったところ、また新たな太陽光発電所の建設が始まっていました。
今後も、現状のまま時間だけが経過してしまう可能性も十分に考えられます。」太陽光発電施設の建設自体がダメというわけではなく、再生可能エネルギーの導入は大切なことなのは間違いないので、人間と動植物がうまく共生できるようになれば・・・と照井氏はおっしゃっていました。
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/04RY5TGPquyLYn5jQiZup9

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