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2023.0706 O.A 邦楽 [chord 5]

・SUMMER MOMENTS / 角松敏生
・SHE'S MY LADY / 角松敏生
・YOKOHAMA Twilight Time / 角松敏生
・MERMAID PRINCESS / 角松敏生
・Take You to the Sky High / 角松敏生
~今回は邦楽一般。角松敏生特集です。
セレクトは村田氏。今回の出演は、村田氏とmidoriでお送りします。

Mushy Layer(中山 雅茂編) [fun science]

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中山氏は30年海氷の研究を続けています。この研究を始めた30年前は冬になるとサロマ湖に行き、湖が凍っているので、チェーンソーでその湖の氷を切り、小さなプールを作って実験していました。一晩待つと、きれいな新しい薄い氷ができ、もう一晩待つともう少し凍り、氷の厚さが厚くなる。その厚くなった氷を観測。これを繰り返していました。そして、10年ほど前から陸上にプールを設置し、その中に海水を溜めて実験することを行っています。
「先月から、ここ数年行ってきた実験をまとめているのですが、自分が行った研究をまとめる時に、自分の研究が何の役に立つのか?といことも書きます。今回は、このプールで成長した氷が海で成長した氷・海氷と同じか違うか・・という情報をまとめています。」
まず、海氷の成長実験について最近の研究成果を調べているなかで発見したマッシーレイヤー。
海水が冷えて、真水だと0℃で凍る温度ですが、海水は塩が溶けているのでもっと冷えないと凍りません。だいたい-1.8℃位になると凍り始めます。
「この時に凍るのは水。海水の真水が凍ります。塩分は凍らず水が凍る。塩分を押し出しながら水の部分だけが凍っていきます。残った海水の塩分は濃くなっていくのです。」海水は凍るときに塩分を濃縮して下に排出する・押し出す現象を伴っています。凍るのは水で塩分は排出されることに注目して、この現象をそのメカニズムを計算式で表そうとする研究が行われているそうです。それを研究している論文を見ていると、「マッシーレイヤーMushy Layer」という言葉に出会ったと中山氏。Mushy :(おかゆのように)柔らかな、どろどろし/ Layer :層、地層
幣舞橋や久寿里橋のあたりは、海の出入り口なので塩分が含まれた水。真冬に凍ると、湖のような透き通った氷ではなく塩水の水だけが凍って塩分は排出されるので両方が存在する氷になります。氷に接している海水も冷やされるとその氷をきっかけに凍っていきます。でも塩分は排出されるので、氷の周りには濃い塩水があり、ミクロな世界で見ると氷が下の方に伸びていったりするそう。静かに凍った薄い海氷を上から見ると一枚の板の様に見えますが、ひっくり返すと短冊状に氷の板が1mm位の間隔で並んでいるのを観察できる事があるそうです。手で触るとざらざらと崩れ落ちる様な柔らかい層ができている。この層ができる時に濃い塩水が排出され、濃いことに加え温度が低いので海の下の方に沈んでいく・・・この流れがとても重要と。
「海氷の下の層、海氷が成長していく層に注目して、どの様に成長するか、どの様に塩分が排出されるかを研究している人たちが世界中にたくさんいたんです。」その世界では、<マッシーレイヤーMushy Layer>という言葉が一つのキーワードになっていたとおっしゃっていました。
「同じ海氷を見ていても、見方によってさまざまな研究テーマがあり、新しい言葉があるのです。南極はちょうど今は真冬に向かっています。南極の周りの海氷の裏側では<マッシーレイヤーMushy Layer>からしょっぱいしょっぱい塩水が押し出されています。ちょっと想像してみてください。」

マリモ研究情報〜北海道大学との共同研究〜(尾山 洋一編) [nature treasure]

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北海道大学との共同研究の内容について。北海道大学とはマリモの新しいモニタリング手法の開発を行っているそうです。
教育委員会ではこれまで主に潜水によってマリモの状況を観察し、大きさを測定していました。
ただ、長時間潜っていられないので、マリモの状況が時間によってどのように変わっていくのかを把握することはできなかったのです。
水中カメラを長期間置いておくことができれば、マリモの状況を連続的に観察することができるのではと考え、マリモ調査用の水中カメラシステムを開発する事に。
たくさんのカメラが現在は市販されているので、広い範囲を撮影できる360度カメラを使用することにしました。
実は大きな問題があり、バッテリーの持続時間が数十分くらいしか持たないということ。
北大の学生さんは、市販の360度カメラでマリモを長時間撮影できるよう、外部バッテリーを接続できるよう改良。
また、外部バッテリーを繋ぐと市販の防水ハウジングが使えなくなるので、そのハウジングも手作りで用意。
それ以外にも様々な工夫がされていて、市販品では数十分しか撮影できなかったのが、開発したカメラシステムでは設定次第で2週間から1ヶ月もの長い間、
マリモを撮影することができるようになったそうです。
このカメラはすでに運用中、昨年の9月に成果を学会で発表し、優秀口頭発表賞を受賞されたそう。「学生さんの頑張りが認められるのは嬉しいですね。」と尾山氏。
マリモ専用のカメラを開発しただけでもすごいのですが、それを実際に使い、色々調べることが本来の目的。
「明らかにしたいことは主に2つあり、一つは湖の中でマリモがどのように移動しているかを知りたいんです。」
台風クラスの強風が発生すると、マリモが湖岸に打ち上がる場合があることはよく知られています。
その打ち上がったマリモがバラバラになり、再びマリモ群落に戻り、大きく育つと考えられています。
ところが、マリモが湖の中をどの様に動いて群落に到達するのか、また、本当に戻っているのか、といったことは詳しく調べられていないそう。
打ち上げによるマリモの崩壊と再生のプロセスを理解することは、マリモの生物量をどうやって維持するかを考える上でとても重要。
また、もしマリモが元の群落に戻る途中で何らかの妨害を受けていたとしたら、必要な対策を考えなくてはいけません。
ですからマリモが水中でどの様に動いているかを知る必要があるのです。
「カメラでの撮影は成功したので、学生さんには撮影した画像を使いマリモがどの方向に動いているかを把握する為の画像解析手法を考えていただいています。」
そして、もう一つの知りたいことは、マリモの回転。過去の神戸大学の研究で、風速5m以上の風がもたらす波の力がマリモを回転させることが分かっています。
一方で、近年、湖の中に水草が増えた事でマリモを動かす波の力が弱まっている為、マリモの生育が悪化したと考えられていると。
「問題なのは、水草が増えたことで波の力が弱まることは確認していますが、マリモの回転がどの程度弱まっているのかといったことは分かっていないんです。
そのため、開発したカメラを使ってマリモの回転と波の関係を詳しく調べたいと考えています。」
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/56SoF7vBQ5f1Sj8Uq7dyGc