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能の台詞〜よくよく物を案ずるに(中西 紗織編) [varied experts]

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物語がある程度進んできて「よくよく考えてみたら、こういうことですよね」と改めてわかったり気づいたりする・・・そんな場面で出てくる台詞。
●《自然居士》
 シテ:説教者 自然居士 子方:少女(または少年) ワキ:人商人 ワキツレ:人商人の仲間 アイ:雲居寺門前の男
シテは自然居士、この能のタイトルとなっている説教師、仏の教えを説きながら修行している若者。その自然居士が京都の雲居寺で七日間かけて人々に仏の教えを説いています。最終日、少女が一枚の小袖を自然居士に捧げ、亡き両親を弔ってくださいと頼みます。けなげな姿に、居士も人々も涙します。するとそこに人商人が登場し、あっとういう間に少女を連れ去ってしまう。少女は、両親の追善供養をしたいために、自分の身を売り、小袖を手に入れたのでした。自然居士は少女の救出に向かいます。やがて琵琶湖のほとりで一行に追いつきその船に乗り込み、人商人たちからどんなに脅されようと、少女を返すようにと言って一歩もひきません。少女の解放をしぶしぶ決めた人商人たちは、そのままでは気持ちがおさまらないので、かの有名な自然居士の舞を見せろと要求。舞を舞わせながらさんざんいじめてやろうと、人商人同士でしめし合わせます。舞台上で烏帽子を着けた自然居士がまさに舞を舞おうという時に、この台詞を言います。「よくよく物を案ずるに」と。そしてこんな台詞が続きます。少女を救い出したけれど、人商人にしてみれば、ただ放してやるのでは不満がおさまらない。だから私をさんざんいじめて恥をかかせてやろうというのだな。あまりにもひどいことではないかと。自然居士は人商人の企みをわかっていて、その上で、無理難題を次々クリアし芸尽しの舞を舞っていく。わが身を捨ててでも人を救おうというその思いは揺るがないのです。ついに少女を無事解放させ、ともに都へ帰っていくという清々しいエンディング。
●《源氏供養》
 前ジテ:里の女 後ジテ:紫式部の霊 ワキ:安居院法印 ワキツレ:同伴の僧(2.3人)
「源氏」とは、『源氏物語』のこと。最初に、安居院の法印と名乗る僧とその一行が登場。この人は平安から鎌倉時代に実在した聖覚というお坊さんで、安居院法印の通称で知られる人物。安居院法印は、仏法を説いて人々を仏の道へと導く「唱導)」の名手として活躍し、この能の冒頭部で「今日は、信仰する石山観音にお参りするところです」と言います。そこに一人の女が登場し、「私はその昔この石山寺にこもり『源氏物語』を書き上げました。しかしその物語の供養を怠ったため、成仏できずにいます。どうか供養をして私を救ってくださいと安居院法印に頼むのでした。この女の正体は『源氏物語』の作者、紫式部の幽霊。夜が更けると、安居院法印の一行は『源氏物語』の供養をし、紫式部の霊を弔います。すると、後ジテの紫式部の幽霊が本来の姿で現れ、感謝を込めて舞を舞うのでした。この能の最後の場面で地謡が言うのが「よくよく物を案ずるに」という台詞。続いて、紫式部こそ、かの石山観音なのだと。その観音様がこの世に現れて、そこに綴られた物語は夢の世のような儚いものなのだと人々に伝えようとしたのだというような言葉でこの能が終わる。
●《草子洗小町》
 前ジテ:小野小町 後ジテ:同人 ツレ(後):紀貫之 ツレ(後):壬生忠岑 ツレ(後):凡河内躬恒 ツレ(後):官女(二人) 子方:天皇 
前ワキ:大伴黒主 後ワキ:同人 アイ:黒主の下人
物語は、大伴黒主の悪事、陰謀が中心。大伴黒主という人は、平安時代の歌人、歌舞伎でもなぜか悪者として描かれている。能《草子洗小町》では、大伴黒主が宮中での歌合せに勝ちたいという思いから、歌合せの相手の小野小町の家に忍び込み、小町が詠んだ歌を盗み聞き。その歌は古歌だと主張するために、黒主は『万葉集』の草子にその歌を書き入れるのでした。歌合せ当日、帝の前に紀貫之、壬生忠岑、凡河内躬恒といった錚々たる歌人が勢ぞろいし、小町の歌が読み上げられる。すると黒主がこれは古歌の盗作だと主張し、万葉集の草子を差し出します。ところが、その歌のところだけ筆の様子が他と異なっていることに小町が気づき、草子を洗ってみてくださいと言うのでした。すると、その歌だけが洗い流されて消えてしまい、あとで書き入れたものだということが判明。企みがばれてしまった黒主がこの台詞を言います。「よくよく物を案ずるに。恥辱よもあらじ。自害をせんとまかり立つ」よくよく考えれば、これほど恥ずかしいことはない。自害をしようと席をたつと・・・。すると小町が止めます。これも歌の道への強い思いのためだからと小町がとりなし、黒主の罪は許されるのでした。歌合せはめでたくおさまり、小町が春の景色の中美しい舞を舞い「和歌の道こそめでたけれ」と、能は締めくくられる。

2023.1110 O.A ジャパンMobilityショーに行ってきたよ [varied stories]

菊田真寛さん(会社役員)

ジャパンモビリティショー2023にワクワクドキドキして出かけた菊田氏。半年も前から楽しみにしていたそうです。東京モーターショーから名称をジャパンモビリティショーに変更して、2019年以来4年ぶりの開催。10月29日〜11月5日までの8日間、想定される入場者数は100万人とか。放送日には実施の数字が出ていますね。
主催者である日本自動車工業会の豊田章男会長は、モビリティーの未来とオールジャパンの力をスタートアップを含めたオールインダストリーで示すと語っていたそうです。トヨタをはじめとした自動車メーカーをはじめ、二輪車メーカー、トラックメーカー、中国の電気自動車メーカ―、ドイツの自動車メーカー、その他部品メーカーや、スタートアップ企業など470社以上が出展。今までで一番多い出展社数での大イベントだったそう。
今までのモーターショーは、車に関する新しい技術の展示だったので、それなりのワクワク感はあったものの、入場者数も減少していたそうです。それを、日本発の未来を世界に発信するということで、<乗りたい未来を探しに行こう>をテーマとしたのです。モビリティのショーなので、乗用車、二輪車、トラックなどはもちろん、ほかにスバルは空飛ぶ車のエアモビリティのコンセプトモデルを出展していたり、ホンダは、ホンダジェットのモデルプレーンと実際のジェット機の一部を出展していたそうです。「また、新しい電動の車いすや、新しい自転車、驚きは、なんと搭乗型ロボットです。いわゆるモビルスーツでガンダムのように乗って動くロボット。ツバメインダストリという会社が『アーカックス』というロボットを出展してました。高さ4.5m、重量3,5t。なんと、受注生産を開始していて価格は4億円。」
今まで何度もモーターショーを観に行っている彼は、今回が一番ワクワクして、一日では観きれない・・・と。
特に、自動車メーカーでは、新型車、コンセプトカーがたくさん出展していたそう。トヨタは、ショーファーカーの最高峰であるセンチュリーの新型SUV、また、未来的なスタイルで、いわゆる「かっこいい」車である新世代スーパースポーツEVの「FT-Se」や、ランドクルーザ―のEV、レクサスでは、新時代の4ドアクーペで3年後商品化を目指すとされている LF―ZCが展示されていたそう。日産は、近未来の電動SUVやEVミニバン、マツダも、かっこいいスポーツコンセプトカーを出品していたとおっしゃっていました。
「公開日の初日のプレビューデ―に行ってきましたが、いつもなら、並ばずすんなり会場に入場できましたが、今回は4年ぶりということや、出展社数が大幅に増えたこと、EVなど技術革新が起きていて、100年に一度の変革期を迎えた自動車産業といわれていることからも、注目度がとても高まっていたのでしょう。すごい人でした。」お昼すぎに会場について閉館の18時まで滞在したそうですが、全て観て回るには時間が足りなかったと。「約10,000歩歩きまわりました。スマホの写真も100枚くらい撮りました。帰りはへとへとでした。でも一日中、ワクワク感が止まらない一日でしたし、今から2年後の開催が楽しみになった一日でした。」
※写真は菊田真寛氏からお借りしました。
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