SSブログ

水族館のイルカたち(笹森 琴絵編) [nature treasure]

1 笹森ミンククジラ.jpg2 笹森イシイルカ.JPG3 笹森ネズミ.jpg
今日は飼育下にある鯨類について。日本の水族館で鯨類を観た方がいれば、目にしたのは日本沿岸でよく見られるハンドウイルカとカマイルカ、ゴンドウ類、
シャチ、例外的にベルーガのいずれかだったのでは?と笹森氏。日本の周りには、色々な種がいるはずなのに・・・。
鯨類も種によって飼育に向き不向きがあり、また、生きたままの捕獲が難しいなどの理由がそこにあるのです。
向き不向きがあるその理由の一つは体の大きさ。身体の大きさは種によってそれぞれ。クジラと名の付くものは、小さめでもミンククジラの7mほど、大きいザトウクジラやマッコウクジラ、ナガスクジラなどは15mや20mなど。水槽に閉じ込めるには、まずは物理的に無理があります。
でも、大きい生き物で水族館にいるものもいます。成長すると10m〜20m近くにもなる魚類のジンベエザメはその代表。海での彼らは基本、のんびりゆったりしていて、敏捷に動かないプランクトンや海藻などを食べているそう。水槽に入れられている様子を見る限りは、同じ大型海洋生物の鯨たちの様にはストレスを感じていないよう。
水槽サイズとは決して言い難い鯨たちに比べ、小型鯨類のイルカたちはサイズ的にはいけそう。と思ったら大違い。大きささえ合えば、どの種でも水族館で飼育OKとはいかないのです。ということで、二つ目の理由は生態から言って飼育には向かない種もいるということ。
体長が2mに満たないイシイルカ。大きさ的には飼育可能に感じられますが、実は海での彼らは突っ走り屋。自然界にいる時と同じ様に水槽の中でもジグザグに突っ走れるようにするのはほぼ不可能。また、生きたまま捕獲するのも難しい種。北海道沿岸や北方四島などの海で彼らの暮らしぶりをみてきた笹森氏から言えば、飼育には全く向かないと。これが、生態や行動からして飼育に向いていない種もいると考える理由の一例。家族の絆の強いシャチもある意味同じで、本来は家族から引き離すべきで
なく、特に野生のシャチをさらってきて展示することを禁じる動きはアメリカなどを中心に強まってきているそうです。
ネズミイルカですが、因みにこの種は飼育に特別な許可が必要で、小樽水族館以外では見られない種。「釧路や噴火湾、北方四島、カムチャツカやアラスカなど、沢山の海で彼らを見てきたのですが、小樽水族館でみたネズミはどこのネズミとも全く違う行動パターンだったので、正直驚きました。自然界のネズミは船に近づいてきたりはしないし、船から目の届く範囲でのんびりしていることもない。とても警戒心が強い生き物。水族館のネズミたちのような、大らかで遊び心がある生き物という印象はない。つまり姿は同じだけど自然界のそれとは全く違う生き物という感じでした。」
水族館で暮らすうちに、食べたり繁殖したり以外の事柄に興味を持つようになったイルカたちと、厳しい自然界で生き抜くために生きている彼らと、どちらが本来の、あるいは、あるべき姿なのかを断言できる人間は少ないでしょう。もちろん、飼育に向き不向きも。
「彼らは野生動物であり、人間を楽しませるために望みもしない場所に閉じ込められるべきではなく、自然界にいるべき存在だと思っている私のように、厳しくても野生動物として生きて死んでいくのがあるべき姿と考える人もいれば、水族館で苦労なく暮らせるなら、そちらも、あるいはそちらの方が幸せと考える人も。近年、水族館に、教育的意義や絶滅危惧種の保存という役割を果たさせようという考え方や動きが強まっています。野生動物から直接間接的に生活や生活圏を奪ってきた私たちにできることの一つとして重要な活動であると認識しているし、そういう点で私も協力関係を結んでいる館はあります。けれどこれはある意味、本末転倒とも。野生動物とは、地球の豊かさを保っているものたち。自然界に必要だからそこに居ると常々言っていますが、それだけでなく、今、この瞬間に自然界のどこかにいるのだと想像しただけで、地球の豊かさを感じ、私たちの気持ちも豊かにしてくれる存在でもあります。山や海、空に、生き物の姿が溢れる地球であってこそ、私たち人間もまた、体も心も健康にしてくれる自然界の力を存分に享受できるのだと思うのです。人間活動で本来の生活ができなかったり絶滅する生き物をこれ以上増やさないようにするのが、地球に生まれた私たちにとっての義務であり権利でもあると思うのです。」
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2TNMsMMUq1cB599wQ0lX4k

express everything in life [close to you <art編>]

1.jpg2.jpg3.jpg
藤原千也氏は現代立体空間作家。私にとっては巨木の中に入って黙々と木と対話し、制作なさる・・・そのイメージでした。
ところが今年2月に札幌で開催した作品展は今までとは少し違ったみたいです。
作品についてわかりやすい説明が彼の書かれた文章にありましたので、引用させていただきます。
・・・・・
僕の今回の作品は、いつも木の中に潜って掘っている内部をもっと間近に見たいと思ったことから始まりました。
斧や削岩機のようなものを使用して、手で剥ぎ取りながら現れたのは、強く繋がりあった命の叫びでした。
枝の出る手前の繊維が入り組み固まったコブは星の爆発のよう、伸びやかな繊維は滔々と流れ、天まで伸びた証。
小さく光り脈打つ、あてと呼ばれる枝の下は雪や風に耐えたり、いなしてきた証だろう。
至るところにある鋭く小さな突起は、枝の始まり。そのどれか一つでも欠けたらこの生命はここになかった。
作品と呼んでいるこの生命の全てをここに表したい。だから少しの間痛い思いをごめんなさい・・・と木に謝ったり願ったりしながら彫ってきました。
どうなっても良いので、今の全てを。そんな思いです。
母が4年前に、いつも木のことを教えてくれた隣の大工のおじいちゃんが、少年のような父が、制作に寄り添ってくれた犬が立て続けに他界しました。
そばで生きていてくれたのは、アトリエで転がり、切られてもなお、毎年小さな葉っぱを芽吹かせるポプラの木でした。
この生命にふれ、この生命の全てを讃えようと彫りはじめた時、僕はいつの間にか普通の日常を送れていたのです。
この木を、様々人に見てもらいたい。できるなら希望をもらって帰って欲しい。中心の光は、この巨木が生まれた時の光。
4.jpg5.jpg
ポプラの木を彫れて、本当に嬉しい。。ものすごい偉大なペットと一緒にいるような感覚です。小さい頃に見た、自宅近くの公園に聳え立つポプラ並木。
ものすごい迫力で、でもすごく動物的というか、可愛らしくて、獰猛で、不細工で、かっこいい、まさか今、こんな木を彫れているなんて・・・ああ。幸せです。
※尚、写真は藤原千也氏からお借りしました。
(作品「given」は2023年4月から北海道科学大学高校の学校の校舎に設置されています。)

2023.0419 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏 [close to you <dr.編>]

cd0419 dmat.jpg
今回は、南海トラフを想定した大規模災害や異常気象・地震に伴う根釧地区の災害対策として3月18日に行われた訓練についてのお話しです。
土曜日の早朝1時に釧路沖地震が起こり、夜間に釧路市全域が津波被害に遭遇したことを想定。
釧路市のハザードマップに従い、浸水地域の被害状況を想定し、全道各地の医療施設からDMATが実働しました。
災害時医療チーム(DMAT)隊が緊急車両で出動し、釧路市立高等看護学院体育館に集結。
(参加DMATチームの編成病院リスト)名寄市立・北見日赤・帯広厚生・市立札幌・苫小牧市立・
函館市立・製鉄室蘭・札幌医科大学病院・北海道医療センター・小樽市立・苫小牧王子・旭川医大病院・富良野協会・手稲渓仁会・深川市立・旭川赤十字・
釧路赤十字病院・・・とかなり大掛かりな訓練です。
このチームは、医師・看護師はもとより、薬剤師・臨床工学技士・事務部門で構成する災害医療のチーム。実際の災害を想定し出動したそうです。
そこでは、釧路市内の医療機関・介護施設・避難所の想定と津波被害の把握を行いつつ、災害対策本部に集結し、市立釧路総合病院のDMATチームは本部運営と
救助されてきた外傷患者さんを診療開始。さらに、遠隔搬送が必要な患者さんの搬送ルートを検討し、救急麻酔科のチーム別隊が釧路空港に展開したそう。
ここに、厚生労働省から派遣されたDMATのナショナルチームが合流し、災害対策が適正かどうかを検証したとのこと。
「災害時は、各病院が被害により壊滅状態にある時には、どの程度の被害か、職員の確認、災害救助の状況などをすぐにネットワークや衛星電話でDMAT本部に
連絡することになっていますが、一瞬にして災害によってダウンしてしまった病院からは、そのような緊急連絡自体が発信されないという現象が起こるそうです。
今回も浸水・壊滅した病院や施設の状況を把握するため、緊急連絡自体が発信されていない根釧地区の施設には、集結した遠隔DMATチームが分担して、現地に赴き、
調査・情報収集を行いました。」とおっしゃっていました。
さらに、津波に襲来されると、浸水地域は水が引いた後も道路に瓦礫が散乱し、通行不能の状況となるため、海岸線から前線基地までの間の道路をセンターライン沿いに
1車線のみ確保して、交通を確保するという作業を道路事業や北海道開発局などの国交省の職員が他の災害事例を参考に浸水状況を想定したそう。
「意外だったのは・・・津波の浸水エリアが市立病院の周囲の春採湖や釧路川流域に広がるため、陸の孤島となる可能性があり、釧路空港までの道路が釧路外環道路以外
通行が出来なくなる場合、他の地域に被災者を広域搬送するルートをどう確保するか、という医療以外の考え方を十分考慮せねばならない点でした。場合によっては
釧路外環道路が使えず浸水被害がひどい場合、釧路町の沿岸を経由して、標茶経由で中標津空港方面へ患者移送をしなければならない可能性があるという話も・・・。」
この訓練を通じて、実際に災害が起こった場合にどう動くべきか、或いは動かない方が良いのか、など日頃から危機意識を持って道路を見るようになったと。
各病院に勤務する職員も時間帯によっては災害の影響で登院できない場合も考えられ、災害救助に従事する職員の安全確保も大きなテーマともおっしゃっていました。
災害医療は、医療従事者だけが活動をしようとしても通信手段や物資の供給、移動手段や経路の確保など医療以外をサポートする職種(DMATロジスティクス)が
いなければ成り立たないそう。各施設で経験を積んだロジスティクスが今回のDMAT災害実働訓練でも活躍なさっていたそうです。

能の台詞〜名ノリ(中西 紗織編) [varied experts]

IMG_6821.jpg IMG_6822.jpg IMG_6825.jpg IMG_6826.jpg
能では、謡本というものが台本でもあり、楽譜でもあり、能を習ったり演じたりする場合の大事な本、ガイドブックの役割のようなものも持っています。
そこに書かれている文章を能の詞章と言いますが、能は演劇なので、登場人物や地謡つまりナレーターまたは役にかわって語る役割を担うのが地謡で重要な「役」。
その人たちの「台詞」に焦点をあててのお話しです。『観世流初心謡本』には上巻・中巻・下巻があり、それぞれに五番つまり五演目が取り上げられています。
今回はその上巻のいくつかの能を中心に「名ノリ」について。「名ノリ」とは、能や狂言で出てくるもの、登場人物が名乗る、自己紹介や自分の身の上や状況を説明、
その後の展開へのきっかけとなる物語の大事な導入をつくるものです。
●《橋弁慶》
 前ジテ:武蔵坊弁慶 後ジテ:前同人 子方:牛若丸 トモ:弁慶の従者 アイ:都の者
若き源義経、牛若丸と弁慶が、京の五条の橋の上で初めて出会った時のエピソードに基づき、弁慶が牛若丸に打ち負かされ、主従の契りを結ぶという結末。
その冒頭の有名な名ノリ。前ジテの弁慶が「これは西塔の傍に住む武蔵坊弁慶にて候。」他の能でも、例えば《船弁慶》で、この能では弁慶はワキ。
やはり「かやうに候者は、西塔の傍に住居する武蔵坊弁慶にて候」という台詞を言います。ですから、弁慶といえば「西塔のかたわらに住んでいる人」。
意味はわからなくても、「サイトウのかたわらに住まいする」ということが、弁慶といえばそうだよねという、共通認識のような感じなっていくという事なのです。
この「西塔」とは? 能《橋弁慶》の前場の舞台は比叡山。比叡山といえば延暦寺。延暦寺の僧房には昔、東塔、西塔、そして横川の三つがあったということ。
弁慶は西塔のそばに住んでいたということなのです。
これに続く弁慶の台詞「我、宿願の子細あって、五条の天神へ丑刻詣を仕り候。今日満参にて候程に、只今参らばやと存じ候。」「宿願」というのは、前々から神仏に祈願を込めること。弁慶といえば怪力無双の荒法師で義経に最後まで忠義を尽した家来としても知られています。この「我、宿願の子細あって……」という台詞も、
名ノリのところでよく出てくる決まり文句の一つ。
●《吉野天人》
 前ジテ:里の女 後ジテ:天人 ワキ:都人 ワキツレ:同行者(2~5人)アイ:吉野の里人または山神
まずワキとワキツレが、桜が満開で雲のように見えるその景色をたよりに、吉野の山奥をたずねてやってきましたと謡った後に、ワキが「これは都方に住居する者にて候」と名乗ります。そして「さても我、春になり候へばここかしこの花を一見、仕り候。中にも千本の桜を年々に眺め候。」「千本の桜」とは、京都、嵐山の桜のこと。
嵐山の桜は、もとは吉野の桜を移植したものだという伝説があるという話も語られます。だから、この吉野の山奥に桜をたずねて、若い人たちもつれて、この都の人は
やってきたというわけです。都の人間が、わざわざ山奥に出かけてくる理由が、桜に関すること。しかも、都の有名な嵐山の桜のルーツとも考えられる、吉野の山奥に桜をたずねるという風流なお話。そこに後ジテとして、天女が登場するわけですから、この能の始まりの名ノリから始まり、前からたずねたかった山奥をはるばるたずねて
やっと思いを果たせた、妙なる音楽とともに現れた天女にも出会えたという大変優美な物語展開。
●《土蜘蛛》
 前ジテ:僧 後ジテ:土蜘蛛の精 ツレ:源頼光 ツレ:胡蝶 トモ:頼光の従者 前ワキ:独武者 後ワキ:前同人 ワキツレ:従者 アイ:独武者の家来
《土蜘蛛》では、ツレの胡蝶という女性が、浮き立つ雲や風の風景と頼光の病の具合はいかがであろうかという心持ちをかけるようにして一節謡った後に名乗ります。
「これは頼光の御内に仕へ申す、胡蝶と申す女にて候。」頼光のお屋敷に仕える、胡蝶という女ですと。頼光が病にふせっているので、「典薬の頭より御薬を持ち、
只今頼光の御所へ参り候」と言います。「典薬の頭」とは、典薬寮の長官のこと、典薬寮とは、その昔宮中の医療に関することを担当していた役所のこと。
源頼光は、大江山の酒呑童子を退治したという伝説で知られる強い武将で、大事な人。そこで胡蝶が「典薬寮の長官」が手配した薬を頼光のもとに届けるというわけです。
●《田村》と《東北》
この二つの能の謡の冒頭部で面白いのは、名ノリのところがほぼ同じ台詞。
どちらも、ワキの旅の僧が名乗るのですが、《田村》の台詞は「これは東国方より出でたる僧にて候。我いまだ都を見ず候ほどに、この春思い立ちて候。」
《東北》では、「これは東国方より出でたる僧にて候」ここまでは全く同じ。その後は「我いまだ都を見ず候ほどに、この春思い立ち都に上り候。」
「この春思い立ちて候」と「この春思い立ち都に上り候。」ほとんど同じなのです。

2023.0414 O.A 「東京散歩、特別編の第二弾~東京国立近代美術館 重要文化財」 [varied stories]

菊田真寛さん(会社役員)

東京散歩 特別編の第二弾「重要文化財」東京国立近代美術館の話題です。
この美術館と今回の特別展のご紹介から。東京国立近代美術館は、東京の中心部で皇居のお堀端にあります。1952年12月に開館、開館70周年。
これを記念して今回の東京国立近代美術館では、明治以降の絵画・彫刻・工芸で重要文化財に指定された68件が一挙に公開されるということで出かけたそうです。
パンフレットによると、「ただの名品展ではありません。いまでこそ「傑作」の呼び声高い作品も、発表された当初は、それまでにない新しい表現だったので、「問題作」でもありました。そのような作品が、評価されて「重要文化財」になる美術史の秘密にも迫ります」「日本の近代美術の魅力の再発見」と。
「重要文化財」について。以前、国宝についてはお話しをして頂きましたが、定義は「文化財保護法によって指定した日本にある有形文化財のうち、歴史上、
芸術上の価値、学術的な価値が高いものを文部科学省が指定するもの」を重要文化財とするそうです。
「重要文化財はいくつあるでしょう? 僕はこんなに沢山あるんだと驚きましたが・・・。美術工芸品で重要文化財が10,820件、うち902件が国宝。
国宝を除くと9,918件。その他に、建造物が、5,373棟、うち国宝が294棟、5,079棟あるそうです。日本文化の名品や歴史上の貴重な作品は後世に残す必要がありますね。今回はその他の博物館や美術館での特別展と違うところは、ほとんどの美術品は写真撮影が許されていることでした。」
本物をじっくり見て、大きさや、色彩、雰囲気などを感じることは、とても貴重な経験です。そして、図録なので、その後見直したことはあったそうですが、
その場で写真を撮影し、思い出すのもとても良かったとおっしゃっていました。
近代美術展として、美術館に行くのは、実は初めてと菊田氏。今までは江戸時代以前、1,600年代の美術品などの観賞に行くことが多かったそう。
また、洋画を観賞することは、なかったかもしれないと・・・。作品はご存じの方も多いと思いますが、なんとなく教科書や、雑誌などで観た記憶?がある作品が多く、
「あ〜っつ、どこかで観たことある」「これこれ」等感じたそうです。
その中で、ご紹介いただいたのは・・・まず、以前にも東京芸術大学美術館で初めて観て感動した作品で、好きになった作品にまた「お会い」できた!とその作品から。
高橋由一作の洋画、1877年、明治10年頃の作、日本で一番有名な「鮭」。油絵で最初の重要文化財に1967年に指定されたもので、それまで日本の技法材料では困難だった
本物そっくりの描写が可能となったことから、質感や、鮭の皮であるとかが表現されていて、縄で吊るしてある鮭のリアルさがとても、好きと教えてくださいました。
「「鮭」のメモ帳、クリアファイル、ブックマークを買ってしまいました。」なんて。
もう一つ、ご紹介いただいたのが、工芸作品 初代宮川香山。1881年の作品で、「褐釉蟹貼付台付鉢」です。高さ50cmほどの焼き物の台付の壺の上に渡り蟹、
本物そっくりの焼き物の渡り蟹がのっています。ある意味グロテスクな作品ですが、妙に不思議で、本物そっくりというところが、驚いたそうです。
作品評価としては、明治工芸の代表作の一つとして2002年に重要文化財に指定されたそう。現在は、「超絶技巧」性として脚光を浴びているそうです。
「今まで、近代美術にはあまり興味がありませんでしたが、明治の近代美術についても、とても素晴らしい作品や質感の素晴らしさを感じることができました。」
※写真は菊田真寛氏からお借りしました。
IMG_6921.jpg IMG_6922.jpgIMG_6923.jpgIMG_6924.jpgIMG_6925.jpgIMG_6926.jpgIMG_6927.jpg

2023.0413 O.A 邦楽(TVドラマ、番組テーマetc.特集) [chord 5]

・眠れない夜を抱いて / ZARD
・負けないで / ZARD
・君がいない / ZARD
・揺れる想い / ZARD
・きっと忘れない / ZARD
・BEHIND THE MASK / YMO
~今回はTVドラマ、番組のテーマCMソング等ZARD特集です。
曲のセレクトはもちろん斎藤氏。出演は斎藤氏と村田氏でお送りします。

春にでやすい症状への植物活用法(野村 香編) [fun science]

IMG_6843.jpg IMG_6845.jpg
春・・・といえば花粉症やアレルギーに悩む方も多いと思います。さらに4月は環境変化の多いとき。人間関係や転勤・入学・入社等で筋緊張を感じる方も多いでしょう。
そんな時にあったら良いな・・・と思うエッセンシャルオイル。
・ティートリー:免疫調整作用があり、さらに抗ウイルス、抗菌・抗真菌作用が強い「テルピネン4オール」が豊富に含まれているのが特徴。
・オレンジ/ダイダイ:オレンジ(スイートオレンジ)、ダイダイ(ビターオレンジ)含有されるリモネンにより、心の病気の予防やストレスが溜まった時にも有用。
・ラベンダー:リナロール含有。心を落ち着けて、ストレスを和らげ、感情のバランスをとる。不眠に優れた効果を発揮。血流促進も。
春冷えという症状が出るのもこの時期。冬の固まった体が気温が高くなり緩む。その時に感じる冷えの事。
春のこの時期、ティートリーとオレンジorダイダイ、そしてラベンダーをブレンドして使い分ける事が
快適な春の日を過ごすためのオススメのアロマという事でした。ただし、3ヶ月以上は同じものを使わないでとのこと。
種類を替えたり、ブレンドしたりして工夫する必要があるそうです。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/4aYmjmrnuAKToaW6cgfkgt

JR問題動き出す・・・(齊藤 慶輔編) [nature treasure]

1.jpg 2.jpg
3.jpg 4.jpg
今年も相変わらずワシの列車事故が多発しています。慶輔獣医は激増とおっしゃっていました。
今までにも何度も話題に登場してきたこの問題、やっと歩み出したそうです。
ワシの列車事故は、まず、シカが列車に轢かれ、それを餌とするワシ達が線路に集まり、後続の列車に轢かれるという流れ。
それを防ぐには何と言っても轢かれたシカを早くその場から撤去すること。そのため目隠しをするシートを開発。
JRと環境省は、轢かれたシカを目隠しする効果があることは検証したそう。
そこでどんなシートが適しているのか?素材は?色は?硬さは?利便性は?すでにシート開発はバージョン的には3か4と。
現在、色はオレンジ、寝袋型で巾着の様に縛る事ができ、運転士が持ち運びしやすい様に斜めがけポシェットにそれが収まるというところまで到達。
冬でもシートが硬くならない様に、袋に空気が入って膨らまない様に空気穴も付いているそうです。
「おそらくまだ完成形にはならないと思います。しばらくは使い勝手を検証し、効果を見極め、バージョンアップを繰り返すことになると思います。」と。
バードチェッカーもバージョン20くらい?とのことですから。さらにより良い形に近づけ、
いずれは野生生物保護センターにも様々な形のシートが展示されることになるのでしょう。
※写真は齋藤慶輔氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1ywGAnlMkFAVJ2UqWBSvPc

a world only in pictures [close to you <art編>]

01P1290320 2.JPG01P7110147.JPG04P1290544.JPGDMP4300549.jpgP1060102.JPGP7097305.JPG
現実の世界とは違う写真だけの世界。
光と陰だけで表現される世界。
より抽象的な世界に作り変える・・・・・モノクロの世界。
中藤氏は東京を含め、海外での都市の風景をメインにストリートスナップをメインに撮影なさっています。
特にモノクロにこだわっていらっしゃいます。モノクロで抽象的な世界が表現されることで、見る人にとってより想像力を掻き立てられる作品に・・・
さらにアート作品へと昇華されるのです。
去年は「CHAOS SHIBUYA」という作品展を開催。108枚の渋谷のスナップ、中藤ワールドが展開されました。
実は今までに個人の写真集を7冊、オムニバスを2冊出版なさっています。
2014年に自費出版した「STREET RAMBLER」では、第24回林忠彦賞受賞。
林忠彦賞は、戦後写真界に大きな足跡を残した写真家・林忠彦の多彩な業績を記念して創設された写真賞とのこと。
「STREET RAMBLER」は、この10数年の自分のストリートスナップの中から代表作をまとめた写真集でした。
それからまた10年ほどが過ぎようとしています。「香港、パリ、キューバに行ったのが2019年。それから海外には行っていません。ある意味、コロナ禍で日本回帰的な
動きをした写真家が多かったと思います。私もそうですが、足元を見直すきっかけになったのかな?」
そろそろ「STREET RAMBLER」発表後の撮りためた作品が相当な数に・・・。その後の10年のまとめを今年もしくは来年で・・・と考えているそうです。
東京生まれの中藤氏。「とにかく都市や街に興味があるんです。街そのものに。写真を見た方がそこを歩いて体験できるような。写真の世界を彷徨っている感じかな。」
それが中藤らしさ、こだわりに繋がっていくのです。
P9281086.JPGPA166511 2.JPG東京コロナ2P4190083.JPG
※尚、写真は中藤毅彦氏からお借りしました。

2023.0412 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏&産婦人科 看護師 武田麻友子氏&助産師 加藤泉氏 [close to you <dr.編>]

cd0405森田dr&.jpg
今回は産婦人科、特に産科に関わるお話しです。まずは、最近耳にする無痛分娩について。市立釧路総合病院では2021年12月より無痛分娩を開始。
初産婦、経産婦を問わず、「陣痛の恐怖がなくなった」「産後の体力が違う」「精神的に余裕ができてお産をすることができた」「地元で自分の望むお産(無痛分娩)が
できた」など、好評の様です。一昔前は「産みの痛みに耐えて母となる」という言葉がありましたが、今やそういう時代ではなく、「痛くないお産」という選択肢があり、産婦が望む分娩スタイルができるようになってきたということなのでしょう。また、入院生活についても、他人と交わることが苦手という方も多くなってきているため、
病室をリニューアルし、個室化を実現。精神的余裕をもって入院生活がおくれるよう環境を整えているそうです。
実際に子供を産む方が少なくなっている現在、院外活動で「いのちの授業」をなさっているそうです。平成26年から院内の助産師が有志で活動をはじめ、今年で10年目。
主に市内の小中学校に赴き、「いのちのはじまり」「どんなふうに産まれてくるのか」「みんなはどんな存在なのか」等いのちの大切さについて考えるきっかけに
なるよう活動をなさっているそうです。
さて、続いてはNICUについて。NICUは新生児というNeonatal:ネオネータルの「N」、集中治療室の「ICU」で赤ちゃんの集中治療室という意味。現在NICU病床が6床。
NICUに入院する赤ちゃんは主に2500g以下のいわゆる未熟児といわれている体重の小さい赤ちゃん、お母さんのお腹の中にいた期間が37週未満の赤ちゃんの受け入れが
多いそう。時々、生まれたときに呼吸がうまく出来ず少しの間呼吸器を付けて呼吸サポートを必要とする赤ちゃんもいるとの事。その他には体重が1000g以下で生まれ
濃厚な治療が必要になる赤ちゃんや先天的の奇形を持って生まれた赤ちゃんも受け入れて看護なさっています。集中治療を行うので、小児科・産科の医師が24時間常駐で、全身の状態を細かく観察し、専門の医療をなさっているそうです。社会全体的に出生数は減ってきてはい流のですが、出産される妊婦さんの高齢化に伴い出生数が減ってもNICUに入院される赤ちゃんの数は少しずつ増えつつあるのが現状と武田氏。様々な治療を頑張ったNICUに入院された赤ちゃんは数日から数か月と入院期間は様々ですが、
赤ちゃんが生まれた時よりも一回りも二回りも大きくなって退院。それを見送る時がやりがいを感じるとおっしゃっていました。「妊娠・出産でお母さんたちはたくさん
不安を抱えていると思いますが、妊娠・出産・産後のケアは助産師がサポート、出産後の赤ちゃんのサポートはNICUの看護師がすべて支えますので安心してくださいね。」